いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

思い出のボクシング:チャチャイと大場政夫

2009-07-18 20:26:08 | 日記

 本ブログは政治経済問題を主題にしていますが、息抜きにだじゃれでちゃかしたりしています。
 今回は、kenkensyaさんの思い出話をどうぞ。

・・・・チャチャイは15歳でデビューしてから「雷小僧」と綽名されるスピードでフライ級世界王者になること2回。しかし昭和48年、若き名チャンピオン大場政夫に挑戦したときには既に30歳を超えていた。ボクシング軽量級の世界では立派なロートルに属する。大場陣営にも世界ランキング2位とはいえ盛りを過ぎたチャチャイならという油断があったかもしれない。特にこの前のタイトルマッチが世界1位のオーランド・アモレスとの激戦だっただけに余計、こういう気持ちになったのだろう。

 後にチャチャイが述懐したところによると、彼は大場政夫の試合をビデオで視て「スピード、スタミナともに大場の方が自分よりも遥かに優れている。長丁場になれば必ず負ける。一発で決めるしかない」と思い、ある試合からヒントを得て、死角からの右ロングフックを長身の大場に合わせて、来る日も来る日も練習していたそうである。

 そんなことは知らない大場政夫、運命の防衛戦は両国の日大講堂で幕をあけた。開始早々の1R,1分過ぎ、チャチャイ渾身の右ロングフックが大場のテンプルを直撃。大場は、もんどりうって倒れたが辛うじて立ち上がった(今ならレフリーストップになったかもしれない)。チャチャイも詰めきれず大場は虎口を脱する。

 5R以降、大場は得意の左ジャブから右ストレートという自分のボクシングを展開、12R、疲れの見えてきたチャチャイをワンツーからロープに追い込み、連打につぐ連打で3度のダウンを奪って逆転KO勝ちとなった。しかし明暗を分けた両者の運命は、この瞬間からゆっくりと時を刻み始めていた。

 勝利から約3週間後、大場政夫は愛車を運転していて、東京・大曲の高速道路で中央分離帯を乗り越えてトラックと正面衝突、即死してしまったのである。おそらく脳に深いダメージを受けていたに違いない(You Tubeで視ると第1Rに3発は脳に損傷を与えるようなパンチを食っている)。
皆が逆転KO劇に歓喜するときに、作家の故寺内大吉氏の発した、
「大場も1Rにダウンしてからでないと目が覚めないようじゃ、長いことないな」という言葉は今更ながらに凄い。

 大場死後、空位になったフライ級チャンピオンを王座決定戦に勝って獲得し三度目の王座返り咲きを果たしたチャチャイは述べている。

 「あの右ロングフックは自分のボクシング人生17年間のすべてをこめて撃ったものだ。大場があれを食っても立ち上げってきたのには驚いた」

追記(いかりや): 思いもよらない不運は誰にも降りかかる可能性がある。
 プロボクシングの日本ミニマム級3位だった金光祐治はこの春、王座決定戦の激闘を10回KO勝ちで制して日本王者となった。
ところが、試合後に両者とも救急車で運ばれるという壮絶な戦いは。双方に脳出血という重大な結果を残した。相手選手は3日後になくなり、金光も引退を余儀なくされたのである。完治はしたが、脳出血を起こせばもうリンクには上がれない。新王者は25歳の若さで、「生きていく一番のものであるボクシングをうしなった。二重のショックは彼を手ひどく打ちのめした。・・・その後、金光は「競艇で再起へゴング」、新たな世界へ挑戦しようとしている。
以上、本日の東京新聞夕刊より。


為替の不条理:自公政権は国民に捨てられる

2009-07-18 08:00:09 | 日記

 「アメリカは為替によって日本経済を封じ込めに成功した」という認識を持つ人は少ない、少ないというよりは皆無と言っていいかもしれません。大部分の日本人は、「それって何のことなのよ」と思っていることでしょう。以下に、日本経済がどのように封じこめられているかを具体的な数字で示していきます。

 前回、購買力平価という物差しを使えば、おおまかながら妥当な為替レートは1㌦168円(153円~184円)だろうと推測しました。

 話をわかりやすくするため、車一台、1万ドルを輸出した場合を例にあげました。為替が1㌦110円の場合は売り上げは、110万円で5万円の利益とすれば、1㌦168円の場合の売り上げは168万円になります、単純計算で73万円の利益です(無論、輸出の場合、横持料、船賃、通関料そのたのコストがかかりますが話しをわかりやすくするため省略)。*訂正:73万円は63万円の誤りです。

 為替が1㌦168円ならば、有り余る利益が出ます。トヨタは一昨年頃まで、2ヶ月か3ヶ月ごとに期間工募集の広告を出していました。つまり非正規雇用を繰り返すことで、労働者賃金をぎりぎりまで抑えて、黒字経営を維持してきました。為替が1㌦168円ならば、工員たちを非正規にする必要もなく、正規社員で且つもっと高い賃金を支給することができ、さらに高額の税金を納めることも可能だったに違いありません。いき過ぎた円高は社会を不安に陥れ、労働者を奴隷のようにこき使い、企業側は都合が悪くなれば切り捨てるのです。

 トヨタが公表している決算書で、為替がどのように影響しているかを確認してみましょう。
 2008年3月期の連結決算では、トヨタは過去最高の1兆7178億円の純利益を出しています。
 ところがわずか1年後の2009年3月期の連結決算では、なんと4370億円の赤字に転落です。
 販売台数の落ち込みもありますが、08年と09年の決定的な違いは為替レートです。08年は1㌦114円(ユーロ162円)、09年は1㌦101円(ユーロ144円)だったことが記載されています。為替レートが13円違うだけで、このような重大な結果の違いをもたらすのです。

 日本は1985年のプラザ合意以後今日まで、円高による損失は百兆円単位の損失になるでしょう。どなたか興味のある方は試算してみてください。

 次に、為替レートが1㌦100~120円だった1995年⇒2007年の「日本」対「世界各国」の経済成長を比較してみます。
 財団法人:国際貿易投資研究所が公表している、世界各国のGDP(上位60)という表(ドル表示)があります。
 その表の中から、日本を除く上位30カ国(但し、台湾と南アはデータが一部欠落しているのでこの2カ国は除く30カ国)の1995年のGDPが12年後の2007年にはどれほど大きくなったかを、計算(2007年GDP/1995年GDP)してみました。

 その結果30カ国平均で、2.3289倍になっていました。この12年間の年間平均成長率に換算すると、なんと7.3%でした。中国とロシアの成長が極端に高い成長率を示していますので、この2カ国を除く28カ国では、年平均6.7%になります。1995年から2007年の間に世界は、驚異的な経済成長を遂げています。一方、日本はなんと0.834倍、つまりこの12年間でマイナス16.6%の経済成長です。以上30カ国だけの比較でみましたが、60カ国に増やして比較しても結果は変りません、なにしろこの12年間でマイナス成長だったのは日本以外にないのですから。
 昨年国会でも話題になりましたが、国民一人あたりのGDPが18位になったことが、大きな話題になりましたが、この国際貿易投資研究所が公表している資料によれば、2007年の段階では、さらに低下して21位になっています。
 ついでに言わしてもらうなら、厚生労働省が平成20年調査の国民生活基礎調査によると、1世帯あたり平均所得金額は、平成6年(1994年)664.2万円だったものが、平成19年(2007年)には556.2万円となり、108万円の減少です。平成19年の世帯あたり所得は、平成6年の83.7%つまり16.3%の減少です。これはまさにGDPの減少率16.6%とほとんど同じ数字です。当たり前と言えばあたりまえのことですが、日本経済が低下した分だけ、所得も減少したということになっています。

 私は経済至上主義者ではありませんが、ここ15年余りの日本経済はひどすぎる。
 これは30人クラスの生徒のなかに、箸にも棒にもかからぬ「日本という名の落ちこぼれの生徒が一人」いるのと同じことです。
 品質管理の点から言えば、一個だけ極悪の不良品が発生しているということになります。

 まともな企業管理者ならば、不良品の発生原因を究明して今後の企業運営に役立てるはずです。まともな教師なら、「おい日本君、体がどこか具合悪いの?親(米国)から虐待されているんじゃないの?」とおちこぼれの原因を探って、矯正してやるはずです。

 政治家は政争にうつつを抜かし、経済学者は役立たず、マスコミは付和雷同している。さすがに多くの国民は、どうも何かがおかしいと気づき始めたのだろうか。戦後60数年、紆余曲折はあるものの、一党支配をつづけてきた自民党(背後にアメリカ)に見切りをつけ、今度は国民が自民党を捨てようとしているのではなかろうか。
 次回は、為替と国民所得と自給率についてもう一度の検討します。

蛇足:プラザ合意後の日本はなんらの抵抗もみせず暴君(アメリカ)に虐待され続けている。次は国民の金融資産である郵貯・かんぽの金を民営化の名の下に国際金融博打市場に流され、数年後には雲散霧消ということはないよねー。こうして日本はぼろぼろになっていくのではないかと危惧する。