「ブログを更新したが誰が見るんやろ? 身内にさえ言ってないし」と思いきや、予想外のアクセスがあったのでビックリ。
そもそもこのブログを作った趣旨は「京都へ行った際の日記帳」だったのですが、「京都」に比較的近い大阪に住んでいるとはいえ、そう毎週頻繁に訪れるわけでもありません。(交通費がかかりますもんで) で、 アクセス数アップのためにも、早々ではありますがブログの趣旨を変更させていただきます。キッパリ。
「京都に関わるあまたの事象を、興味本位にテキトーに書いてみるブログ」にすることを、ここに高らかに宣言いたします。 シバリをなくしたことで更新頻度が高まるかな? いや、本人のヤル気の問題ですよね。(^ヘ^)v
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ということで今回のお題「きつねのはなし」をいたしましょう。 「きつね」というても「うどん」の話やあらしません。
きつねのはなし (新潮文庫) | |
森見 登美彦 | |
新潮社 |
オイラは基本的に単行本を買いません。かさばるし、値段が高いし、持ち歩きが不自由。文庫本になりそうなブツは、文庫化するまでひたすら待つのみであります。森見登美彦さんの本は文庫化された順に、 『太陽の塔』→『四畳半神話体系』→『夜は短し歩けよ乙女』 と読んでまして、『きつねのはなし』は4冊目の文庫本となります。 既出3冊と同様、大学生が主人公で一人称形式で物語は進むのですが、腐れ大学生の阿呆は登場しません。まともです。
文体は精緻、かつ静謐。既出3冊とのイメージのギャップに最初は戸惑いましたが、読み進むにつれて新たな「森見ワールド」にハマってしまいました。 『きつねのはなし』を含む四話の短編集。各話は独立した物語なのですが、それぞれが多少ズレながらリンクしています。各物語の舞台は「京都」。当然のごとく一乗寺、吉田神社、荒神橋、百万遍、白川通、水路閣、琵琶湖疎水、鹿ヶ谷等々……京大付近を中心としたエリアの地名・名所名が頻出します。 ホラー系ではありますが、オーソドックスなホラーではさにあらず。文庫の帯に書かれていた「漆黒の京都奇譚集」という言葉が最も適していそうです。 あれは気のせい? 夢か? いやいや現実?そんな夢と現実の狭間にある妖しげな世界とでもいいましょうか、全話が薄暗く謎めいております。 個人的には、作品中唯一の動的イメージが強い『魔』が好みです。機会があれば、御霊神社や荒神町あたりをぶらり歩いてみようかな。
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昔、知人から聞いた話。とある会社の社長さんは、月に一度、伏見稲荷大社の奥深く、上之社までお参りに行っていたそうな。ある日、千本鳥居の道中、同行者が白いキツネがいると言い出した。社長は「どこに?」と目で追うが、もうそのときには森の奥へ消えてしまった後のようで。それでも社長は「これは吉兆や」と大いに喜んだという。はたして白狐はいたのか? 同行者の、社長を喜ばせるための「嘘も方便」だったのか?オイラは、山に住み着いた白いネコを同行者が見まちがえたんやないか、と思うのですがねえ……。 京都は不思議な街やなあと思います。
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