史上最強の内閣 (小学館文庫) | |
室積 光 | |
小学館 |
【裏表紙・内容紹介文】
北朝鮮が、日本に向けた中距離弾道ミサイルに燃料注入を開始した。中身は核なのか。支持率低迷と経済問題で打つ手なしの自由民権党の浅尾総理は、国家的な有事を前に京都に隠されていた「本物の内閣」に政権を譲ることを決意した。
指名された影の内閣は、京都の公家出身の首相を筆頭に、温室育ちの世襲議員たちでは太刀打ちできない国家の危機を予測し、密かに準備されていた強面の「ナショナルチーム」だった。果たして、その実力は?
○
あらゆる方向の関係各位から圧力がかかってくるだろうと想像される昨今、ここまで書いてもゆるされているのが逆にいぶかしく感じてしまう、小気味よいコメディー・ポリティカル小説である。
面白くって一週間で読んじゃった。
北朝鮮、韓国、中国、アメリカ、朝○新聞等々は怒ってこないのであろうか?
たとえば、
【クレーマータイプの人間は一旦対立すると理屈で説得するのは不可能になる。こちらが正論を並べ立てて説得しようとしても、言えば言うほど、相手に新たな攻撃材料を与えるだけだ。要は理屈もへったくれもない人間なのさ。あるのは自分が認められたいという願望だけなんだな。何が何でも自分が正しい、ってのが彼らのスタンスだ。まともに相手したんじゃあ、徒労に終わらあね。北朝鮮なんて建国後まもなく朝鮮戦争を始めて、南が先に攻めてきた、と大ウソをついた国だ。その後も『地上の楽園』って大ボラ吹いて日本からの帰国者相手に詐欺を働く。ラングーン事件も大韓航空機事件も白を切る。日本人拉致事件は一旦認めたものの、解決済みと開き直る。まあ、まともに相手できない国ということさ。俺ぁ大っきらいだな】
【日本人を憎む教育、反日教育を進めているのがよくありまへん。日本人の命を同じ人間の命と思えなくなる教育ですわ】
【だいたいよその国を憎んだり蔑むことでしか培えない愛国心は間違いどす】
【あなた方のメンタリティーは南も北も同じどすなあ。自分自身がひどい目に遭うてないのに、会うたこともない人間をようも憎めますなあ】
というような煽る文章が随所に書かれている。
風の噂では「在日特権」に触れることはマスコミのタブーだという。
かの国に上層部を乗っ取られている大手マスコミは、自分らに都合の悪いことは報道しないのだそうな。
本書でもその辺のことは一切書かれていないが……まあ、北朝鮮が日本に対してミサイルを向けているシリアスな状況をゆるいユーモアで描いたフィクションなので、とりあえず「言論の自由の国、日本マンセー!」ということにしておきましょう。
○
▼ 誰なんか知りまへんが話に勢いがおますなあ。最後まで聞き入ってしまいました。
ところで、学校で近代史の授業って端折られる傾向にあるようですが、大平洋戦争の頃の連合国側はまさに「鬼畜米英」の所業あれこれ。
勝てば官軍とはいううものの、負けた日本は欧米諸国にウジウジと謝罪要求なんかしてまへんねん。
たぶん、阿呆の血のしからしむる日本人は、根っから平和で面白きことが好きなんですわ。
ただし、これからのインターナショナルな世界で生きてゆくには、正しい自国の歴史認識を持つことは必要やとは思います。良かったこと、悪かったことは互いに潔く認めなくっちゃいけまへん。
近頃では「韓流」に洗脳されてしまったような、阿呆らしからぬ嘆かわしい言動をのたまう御仁も増えてきたように感じますなぁ。そんな人が身近にいるもんで困ったもんだ。
何かにつけ己に気にくわないことがあれば、いつも他人のせいにして「アタシはいつも正しいんですぅ~」とギャーギャー喚いているだけでは、あんさんの底の浅い醜い人間性が露呈しているだけでっせ。
世間様は見てはりまっせ。ほら、あんさんの周りから人がまたひとり離れて行ってるのがわかりまへんか?