猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

自民党総務会のお話

2005-11-26 21:15:07 | 自由民主党
 自民党の総務会というのは、事実上の党の最高意思決定機関です。その上には両院議員総会とか党大会とかありますが、党として提出する法案を最終決定するなどの通常の活動に関しては総務会が一番上ということになります。政治に詳しい方ならば「自民党総務会の意思決定は全会一致が原則」というのはご存知かと思います。昔から、総務会には元気のいい先生方が集まる傾向にあって、荒れることもしばしばだったようです。全会一致の原則を守るために、反対議員はトイレに行くなどして退席するなどという慣行があったと、過去の有力政治家の回顧録などにも出ています。これに関して、最近、幹事長や総務会長が「多数決でやるべし」という趣旨の発言をしています。6月に郵政民営化法案の提出をめぐって総務会が大混乱をしたことを踏まえてのことです。
 しかし、実は党則第41条で「総務会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」と明記されており、多数決が本来のありかたなのです。全会一致は単に慣例です。そういうわけで、党則にしたがって自民党史上初めて総務会の議決を多数決で行ったところが大混乱に陥ったというのが、先に述べた6月の郵政民営化法案提出の件です。もっとも、党則は多数決と明記しているとはいえ、慣例として全会一致が原則なんだと大多数の者が了解している以上、いきなり多数決でやってしまったのは手落ちであったと思います。慣例とはいえ、ルールが確立している以上、それを変更するには周知期間を置くべきでした。規則の運用というものは、「不意打ち」になってしまってはいけません。もちろん、本則である多数決を原則とすること自体は正しいことですが…。
 自民党についての、皆様の知識を少しでも増やすことができ、親しみをもっていただければと思って書いてみました。


(参考記事)
[総務会は多数決に変更を・武部氏、政策決定迅速化で]
 自民党の武部勤幹事長は20日、NHKの番組に出演し、党の政策決定方法について「スピーディーにやらないといけない。総務会も多数決で決める」と述べ、慣例で全会一致が原則となってきた総務会の決定方法を見直すべきだとの考えを示した。
 郵政民営化関連法案を審議した6月の総務会は初の多数決採決を実施。久間章生総務会長は、満場一致が望ましいが、多数決が避けられない場合があるとの立場を明らかにしている。
 都道府県議の公認を党本部主導で決める方針を打ち出すなど、武部氏の党運営に「中央集権的」と批判があることに対し、衆院比例代表のブロックごとでつくる両院議員会に「将来は党権限の半分以上を渡す。道州制をにらみ、分権を進める」と説明した。
 党内では都道府県議の公認について、小選挙区の公認候補が務める支部長に県議らの推薦権を与え、年一回開催予定のブロック大会で一斉に公表することなどが検討されている。〔共同〕 (NIKKEI NET 11/20 12:33更新)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
知りませんでした(汗) (Repunit)
2005-11-27 00:40:56
だから郵政であんなに荒れたのかと、猫研究員様の狙い通りの感想をもった次第です。勉強になりました。これからもこのブログを閲覧させていただきますのでよろしくお願い致します。
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Repunitさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-27 04:58:01
ありがとうございます!そう言ってもらえて、書いた甲斐がありました。

これからも宜しくお願いします。
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