猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

皇位継承に関する私案―男系男子優先プラス旧宮家復活

2005-11-26 23:54:31 | 皇位継承問題・皇室
 皇位継承に関して、「有識者会議」に対する批判も出し尽くしてしまったので、そろそろ自分の考えを具体案としてまとめておきたい。一言で言ってしまえば、男系女子の皇位継承権を認めることと旧宮家の復活である。明治天皇の系統に属する現在の女性皇族には、旧皇族が復帰して一般に広く認知されるまでの中継ぎの女帝として即位していただくというのが骨子である。

1.皇位継承の順序
 皇位継承の順序は現行の皇室典範に準じるものとする。ただし、男系の女子にも皇位継承権を拡大する。現行では

第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
第二条(1)皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一 皇長子
二 皇長孫
三 その他の皇長子の子孫
四 皇次子及びその子孫
五 その他の皇子孫
六 皇兄弟及びその子孫
七 皇伯叔父及びその子孫
(2)前項各号の皇族がいないときは、皇位はそれ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
(3)前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。

とある。これを次のように変更して男系女子の皇位継承を可能にする。ただし、女子が皇位を継承した場合、原則としてその子孫は皇位継承権を持たないものとする。例外については、後述する。

第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子又は女子が、これを継承する。
第二条(1)皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一 男子である皇長子
二 男子である皇長孫
三 男子である皇長子のその他の子孫
四 その他の皇男子及びその子孫、皇女子
五 皇兄弟及びその子孫、皇姉妹
六 皇伯叔父及びその子孫
七 皇伯叔母
(2)前項各号の皇族がいないときは、皇位はそれ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
(3)前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、男子を先にし、同性別では長を先にする。

 以上のように変更することにより、皇位継承権は1位:皇太子殿下、2位:愛子内親王殿下、3位:秋篠宮殿下、4位:眞子内親王殿下、5位:佳子内親王殿下、6位:常陸宮殿下…、となる。実は、この順番は「有識者会議」の案によるものと今のところ全く同じである。

2.旧宮家の復活
 男系女子の皇位継承を認めるものの、男系を維持するためにその子孫の皇位継承を認めないのだから、このままでは結局は皇統は断絶してしまうことになる。そこで、戦後の占領政策で皇籍離脱を余儀なくされた旧宮家には、特別法を制定することにより皇籍復帰を願う。一旦、臣籍に降った者が皇位を継承することはないというのも、宇多天皇と醍醐天皇という例外はあるものの、皇室の伝統である。従って、この伝統を重視する立場から、皇位継承権は皇籍に復帰して以降に誕生した者に与えるものとする。皇籍に復帰していただく方の身分は、特別に皇位継承権を持たない准親王・准内親王(仮称)として、復帰後に准親王のもとにお生まれになった方は親王・内親王の身分を獲得することにすればよいのではないだろうか。旧皇族の系統に皇位が移る際の継承の順位は当然「前項各号の皇族がいないときは、皇位はそれ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。」という規定を適用する。

3.女帝及び内親王の婚姻について
 女帝及び内親王は婚姻によって皇籍を離れないものとする。また、内親王の自己意思に基づく皇籍離脱も原則として認めないものとする。内親王に婚姻によって、あるいは随意に皇籍離脱をされてしまっては、中継ぎの女帝を確保できないからである。女帝及び内親王の配偶者は皇族の身分を得る。そして、女帝の子と孫及び内親王の子は、皇位継承権をもたない特別な身分の准王・准女王(仮称)と位置づけ、三世以下の子孫は自動的に皇籍を離脱する。王及び女王の皇籍離脱に関しては、現行どおりでよい。准王・准女王にも摂政の地位につく資格は与えてよいと思う。
 なお、内親王が、自らよりも皇位継承順位が劣位する皇族男子と婚姻した場合は、その子孫に皇位継承権を認めるべきであろう、というか当然そうである。また、その内親王が即位した場合は、皇室典範第二条第一項第一号から第五号に従って皇位継承権を有するものとすべきである。これは、明治天皇の系統に属する女性皇族が、旧皇族から復帰した「新皇族」と婚姻した場合を念頭においている。女性皇族を「無理やり」旧皇族の方と婚姻させるというわけにもいかないだろうが、実現すれば、血筋が遠いだけに近親婚の弊害もなく、スムーズな形で伝統を維持でき、大変望ましいことである。

以上が、男系を維持し、女帝は中継ぎという皇室の歴史と伝統を踏まえ、なおかつできるだけ自然な形になるように設計した、皇位継承に関する私案である。総合すると、明治天皇の系統から旧宮家の系統に移行するまで、数代にわたって(愛子内親王殿下一代かもしれないが)壮大な中継ぎとしての女帝が誕生するということである。その間、旧宮家の方々には皇族としての活動を十分にしていただき、誰の目にも皇位継承の有資格者たりうるように万全を期しておく。
スペアとしての世襲の宮家を大量に認めることは、皇室費の負担が増えるとの批判があるかもしれないが、伝統を守るためには担うに値する負担であると信ずる。



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31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あぁ、そうか! (あくてぃぶ・そなあ)
2005-11-27 17:59:58
勉強させていただいております。

男系維持、女帝は中継ぎは自然でいいですね。

うなずくところが多いです。



有り難うございます。
返信する
あくてぃぶ・そなあ様へ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-27 23:53:15
コメント、ありがとうございます。

男系を維持しつつ、旧宮家の皇籍離脱期間が長いことを埋め合わせることや、男系の女性天皇を認めることの可否など、総合的に勘案したら、このような案になりました。

温かい言葉をかけていただき、大変励みになりました。
返信する
Unknown (総理大人)
2005-11-28 00:18:45
男系を維持するのなら、

>皇位継承権は皇籍に復帰して以降に誕生した者に与えるものとする。

というのは欠かせないものと思っておりまして、完全なる同意でございます。

ただ私は男系維持支持者ではないため、旧宮家は旧宮家でしかなく、皇族とはなりえないという思いがあります。それなら私の父が皇族となることと変わらないのでは?(ドあつかましい例えで申し訳ありません。旧宮家は民間人だということです。)と思えてしまいます。であるからして、新皇族の子に皇位継承権や皇族としての資格が与えられて良いものか、というと現時点では否という判断となってしまいます。ただその時になってみないと自分の心情はどうなのかわからないとは思います。

(旧宮家と女王・内親王との間の子は当然皇族としても皇位継承者としても資格があると思います。しかしそれは男系維持の観点からではありません。)



男系女子の女帝は結婚して子どもを持つことができる。というのは、これは伝統に反することだと記憶しています。事実と違えばお教えください。(今までの女帝は、子が天皇のお嫁さんであり子が幼いから云々の話で中継ぎ、そうでなければ子どもを持たないこととされていた、というような記事をいくつか見たことがあります。)

男系維持も伝統であり、上のようなこともまた伝統であると思います。

また、なんで天皇の子どもが天皇になれないの?という至極当然の世論が予想されると思いました。私もそういう世論の一人でしょう。



皇室維持費用が増えることはなんにも思いません。天皇制が維持されるためには、国民負担が増えてもかまわないです。



そして男系維持は、あと何年持つのでしょうか。



日ごろお世話になっているだけに、溝が埋まらなくて申し訳ないというような気持ちになってきました。。
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訂正と補足 (総理大人)
2005-11-28 00:25:25
ちょっと訂正です。

(今までの女帝は、子が天皇のお嫁さんであり子が幼いから云々の話で中継ぎ、そうでなければ子どもを持たないこととされていた、というような記事をいくつか見たことがあります。)

というのはあまりにも意味のわからない文であるため、webから記憶を拾ってきました。

===

33代    推古天皇    敏達天皇の元皇后

35・37代 皇極・斉明天皇 舒明天皇の元皇后 

41代    持統天皇    天武天皇の元皇后

43代    元明天皇    草壁皇子の未亡人(文武天皇への中継ぎ)

44代    元正天皇    独身 草壁皇子の子(聖武天皇への中継ぎ)

46・48代 孝謙・称徳天皇 独身 聖武天皇の子(天武=持統系最後の一人にして外戚が藤原氏)

109代   明正天皇    独身 後水尾天皇の子(外戚が徳川(源)氏)

117代   後桜町天皇   独身 桜町天皇の子(後桃園天皇への中継ぎ)

http://homepage2.nifty.com/nextgate/side_e_11.htm

===

こういうことが言いたかったのです。。
返信する
総理大人さまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-28 01:44:43
拠って立つ原則が初めから相容れないものだから、溝は埋まらなくても仕方ないと思いますよ。その辺は気になさらなずに議論すればよいと思っています。



>新皇族の子に皇位継承権や皇族としての資格が与えられて良いものか、というと現時点では否という判断となってしまいます。ただその時になってみないと自分の心情はどうなのかわからないとは思います。



という方の心情を慮って、慣れていただくための期間として現在の皇族女子でもって継承して時間を稼ぐのです。臣籍に降った例とは全く異なりますが、文武天皇(42代)から子である聖武天皇(45代)に継承するまでに元明・元正の二代の女帝を挟んでいる例にならったものです。聖武天皇は資質を疑問視されていたらしく(病弱だったと聞きます)かなり時間をかけたようです。



>男系女子の女帝は結婚して子どもを持つことができる。というのは、これは伝統に反することだと記憶しています。



それは現象面を見れば基本的に正しいですが、独身自体が自己目的なわけではないです。男系維持のためには、独身を通していただくか、子孫の皇位継承権を認めないかどちらかですが、おそらく昔は女帝の夫の専横や皇位簒奪を警戒して独身を通すほうを選んだのでしょう。

明文化する以上、皇位簒奪はないと判断して結婚自体は認めてよいという考えです。現実問題としては、女帝や内親王・女王と結婚したいという民間男性はそう滅多にいるものではないと思うので、結果として伝統の通りになるような気もします。



>なんで天皇の子どもが天皇になれないの?



これは、継承原理が直系主義じゃないからです。今の皇室典範でも、天皇の子供が天皇になれない例がある(女子の場合)のと同じです。万世一系にこだわれば、どこかしらそういう点はかならず出てきます。「だから改正して直系双系主義にせよ」というのであれば、観点が違うのだとしか言いようがありません。



>そして男系維持は、あと何年持つのでしょうか。



大変不敬な計算になりますが、私の案でも有識者会議の案でも皇位継承権を持つ男系の方で一番お若い愛子内親王殿下が平均寿命まで生きられるとして、あと80年以上です。10年後に旧皇族が復帰するとしてその時点で離脱から約70年、現皇族の系統から旧皇族の系統に移るまでさらに70年以上。離脱期間とちょうど同じだけの期間を新たに皇族としてお過ごしになるので、それで正統性は治癒できるだろうというのが私の案の判断です。実は、女系容認論でも私の案でも、女系天皇あるいは旧皇族系天皇を我々が見ることが出来る可能性は低そうです。そんなに長生きできません。現行の皇室典範のまま放置しておけば約40年ぐらいでしょう。
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Unknown (総理大人)
2005-11-28 17:18:39
やはり猫研究員さんはそういうことにも当然留意されていました。



旧宮家復帰の方策としての皇室典範改正がなされる可能性が出てくる世ということは、国民が皇室について猛勉強した世ということとなろう。

そのときに、「男系継承の伝統」とともに「過去の女帝の伝統」も多くの国民に認識されているのは当然であろう。

そうなったときに整合性がとれないのではないか。

「過去の女帝の伝統」というのは、すなわち確固たる男系継承のための努力であり、二つは不可分の関係だ。

そのとき、片方の「男系継承の伝統」だけがクローズアップされるというのは不自然な話で、片方だけのクローズアップでは結局「皇室伝統の破綻」を意味するというのは屁理屈ではないと思い、伝統を重んじる男系維持支持者の皆様であるならばそう考えるのではないか。



というようなことを思ったのですが、なるほど、

現代において二つは不可分ではないというのも一つ説得性のあるものだと思いました。うん、やっぱり猫研究員さんは私の先生ですね。

伝統以前に今の国民感情からして、女性天皇は独身でなければ、又は子どもを生んではいけないというのは考えられないものでありますものね。



>そして男系維持は、あと何年持つのでしょうか。



というのは、旧宮家が復帰しての何年男系を保てるかということをお聞きしたかったんですよ。旧宮家復帰のウルトラCカードは、「そのとき」にはもう切れない。非嫡系や遺伝子レベルの男女産み分けを考えない限り、いずれ男系天皇はいなくなるのではないかと思うんです。確率計算したわけでもないので、偉そうなことはいえないんですが。

しかし、国民意識として実質、側室や遺伝子操作は言えない。

万策尽きるまでの先延ばしに意味は感じられない、未来の世代に決断させなければならないなら今決断すべきと思ってます。

おそらく、有識者会議が女系容認なのもそれを意識してのことだと思います。



>女系天皇あるいは旧皇族系天皇を我々が見ることが出来る可能性は低そうです。



そうなんですよね。

我々の世代の責任は重いものでありますね。私は私の自分勝手と小さな責任感で直系継承を望むんです。

旧宮家復帰のときに私にアレルギーが出そうなんですよ。竹田宮家の方がテレビ出てらっしゃるのを見て、「無理だ…」と思ったんです。天皇制を維持させたいという気が失せるというような。あの方のテレビ出演で、そう思った国民も少なくないと思ったくらいに。

子どもたちに、アレルギーのある私たちに正統性を伝えることは出来ても正当性を伝えることができるのか、と思いました。国民の心に支えられる天皇制の正当性に空白期があると、未来の世論が変わってしまいそうだということを考たり。

正統性が正当性を生むのか、正当性が正統性を生むのかの判断ですかね。今の情報社会からして後者が適切だという判断なんです。

私は新たな正当性によって新たな正統性が生まれと考えるのだけれども、正統性が正当性を生んだからこそ正統性によってしか正当性が維持されないというのも、もちろん正答だと思うんです。

マスコミは中立ではなく基本的に女系容認であるということも大きいです。情報操作だ、あれは。女系容認の私からしても、なんかフェアじゃない。ヨーロッパの王室持ち出してどうすんだろうか。

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Unknown (名無し)
2005-11-28 20:46:27
>内親王が、自らよりも皇位継承順位が劣位する皇族男子と婚姻した場合は、その子孫に皇位継承権を認めるべきであろう。また、その内親王が即位した場合は、子孫は皇室典範第二条第一項第一号から第五号に従って皇位継承権を有するものとすべきである。



 この場合、女系天皇になりますが、男系の血筋が続くので、猫研究員さんの仰るとおり皇位継承権を認めるべきだと思います。そうならば、旧皇族男子の皇族復帰はいろいろ問題がありそうなので、婚姻に際して必要ないと思いますが、それが必要な理由についてご見解をお聞かせ下さい。
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名無しさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-29 01:19:40
コメントありがとうございます。

おっしゃりたいことは「旧宮家の男子に内親王・女王と結婚していただき、そのままその子孫に皇位継承権を与えればよいではないか」ということですか?もちろん、それはそれで確かに男系は何とか守られます。しかし、宮家を増やさないことには皇統断絶の危機は回避できないので、宮家を増やすべきだろう、それには旧宮家の復活がよいのではないかという判断です。男系で皇位継承権を持つ方々を増やすにはそれが一番確実だと思うのです。ちなみに、実際問題として、今のところ現皇族女子と旧皇族男子の方々の間で年齢のバランスが取れている組というのは1例か2例程度しかなかったはずです。



もしこの回答が見当違いだったら、またご指摘ください。
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総理大人さまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-29 01:55:35
伝統的に女性天皇に極めて慎重になり、ましてや配偶者など論外ということになったのは、称徳天皇と道鏡の事件以来だと思いますよ。下世話な言葉でいえば二人は「わりない仲」になって、道鏡を法王にしようとしたんですから。称徳天皇は年がいっていたので、幸い子をなすなんてことにはなりませんでしたが…。



>伝統以前に今の国民感情からして、女性天皇は独身でなければ、又は子どもを生んではいけないというのは考えられないものでありますものね。



さすがに、この時代にそんなことを法で決めてしまっては酷い話だろうということです。男系維持のために女帝や内親王の子孫に皇位継承権は認めないけれども、せめて幸せな家庭生活は送っていただきたいと考えてあのように設計したんです。



>旧宮家が復帰して何年男系を保てるか 



これは正直に申し上げます。それは分かりません。正直言って見当もつきません。逆に、女系を容認すればどのぐらい天皇の制度は続くのか聞きたいです。有識者会議の案では(私案でもそうですが)内親王の皇籍離脱は原則認めないとありますが、これだと愛子さま眞子さま佳子さまお三方だけなんですね。他に5人の女王がいらっしゃるがこれは意思に基づいて皇籍離脱できる。仮に3人残っていただけるとして合わせて6人です。しかも女王というのは昭和天皇の弟の孫に当たるわけですよ。そこから女系で宮家を創始できるとなると、もはや何が継承原理なんだか分かりません。といって、認めないとなると内親王による3宮家だけでしょう。何とも心もとないです。

正統性と正当性の関係はいみじくもご指摘なさっている通りだと思います。それこそ、卵が先か鶏が先かですよ。しかし、伝統に基づく存在に関しては、基本的には正統性が先だと私は思います。



>マスコミは中立ではなく



いや、よくぞ言ってくださいました。そうやって公平な見解を述べて下さるのは、女系容認派の総理大人さまなればこそ説得力を増します。
返信する
Unknown (名無し)
2005-11-29 20:07:26
猫研究員様のご提案は、皇位継承資格者の確保と万世一系の男系血筋の護持の視点に立ってよく練られた案だとは思いますが、以下の点において将来問題が生じ、象徴天皇制を安泰に維持するうえで、禍根を残す恐れありと懸念するものです。



>女帝及び内親王の配偶者は皇族の身分を得る。そして、女帝の子と孫及び内親王の子は、皇位継承権をもたない特別な身分の准王・准女王(仮称)と位置づけ、三世以下の子孫は自動的に皇籍を離脱する。



 旧皇族系の男子が配偶者になられる場合には勿論問題がないわけですので、これは、一般男子の方が内親王または女王の配偶者となった場合を想定した規定ですね。そうしますと、内親王と女王の全員が一般男子と結婚された場合には、復活させた旧宮家系の男子が最終的には皇位を継承し、大正天皇系の皇統が断絶して570年前の崇光天皇系に皇統が戻ることになります。その際に問題なのは、旧皇族系男子が内親王または女王とご結婚されない場合には今上天皇の直系または近親等の傍系による継承ではなくなり、これは世襲継承を規定している憲法に違反することになりませんか。国民感情的には、直系世襲を第一に考え、次いで血筋の近い傍系による世襲を考えるべきであり、男系血筋の護持は付随的なこととして、内親王と女王ができるだけ旧宮家系男子と結婚されるよう当事者の努力を含めて周囲がサポートすべきではないでしょうか(女性天皇が何代続いても男系血筋の断絶とはならないので、その努力をすべきです)。それでも男系血筋の継承者を確保できそうにないときに残された最後の手段として旧宮家の復活を提起するのであれば、大多数の国民の理解が自然に得られると思います。問題の多い旧宮家の復活を拙速に提起するのは象徴天皇制の安泰にとっても好ましくないと思いますが、如何なものでしょうか。例えば、愛子様がご長寿の場合、愛子様のお子である準王がおられるのに、愛子天皇の即位に伴って、愛子天皇との血縁関係の極めて薄い旧宮家系の男子をいきなり次の天皇として皇太子に就けること(十分有りうる)を想定しますと、スムーズに国民に受け入れられるのかどうか疑問です。ただし、愛子様より下位の内親王や女王が旧宮家男子と結婚されており、そのお子様が愛子様のお子の準王を差し置いて皇太子になる場合には上記に比べれば国民の理解を得られやすいと思いますので、準王制度は検討に値すると思います。しかし、旧宮家の復活は最後の手段であって、今回の典範改正と抱き合わせでは行うべきでないと思います。

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