猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

IT選挙解禁へ公選法改正の動き加速-政治とインターネットの関わり

2005-11-06 17:08:27 | 政界・政治全般
 インターネットがこれだけ普及している情報化社会において、ホームページの類が公職選挙法で定められた選挙期間中に配布を禁止された「文書図画」とされ、選挙中の更新が禁止されているのは不自然であることは、誰の目にも明らかである。正確に言えば禁止されているというよりも、規定がないので「禁止されていると解釈されている」のである。先の総選挙でもホームページの更新を巡って民主党が総務省の指導を受けた。公選法を改正してインターネットを利用した選挙運動を明確に合法化しようとする動きが活発になっているのも当然のことである。それも、自民党が積極的である。
 自民党は旧態依然とした情報戦略しか持っていないというイメージがあるかもしれないが、現在の実態はそうでもない。特に世耕弘成広報本部長代理(参議院議員)が先頭に立ってIT戦略を積極的に展開している。党本部にブロガーを集めて懇談会を開き、意見交換をするということを始めたのも自民党が先陣を切っている。その様子は、例えばニューズ・ツー・ユー社長のブログ:minako's bog『第2回メルマガ・ブログ作者との懇談会』や、その記事のトラックバックに詳しい。一方、民主党もやや遅れて同様の懇談会を開くようになったが、意外なことにどうも自民党に比べると慎重であるようだ。この辺の温度差は、懇談会に参加したFPN-ニュースコミュニティ-『ブログは政治家にとって敵か味方か』をご覧になればよく分かると思うのだが、「ネットを使うと読者の反応に対する反応をしなければならないから大変ではないか?」という前原民主党代表の疑問はそれはそれで正鵠を射ていると思う。ブログ更新に熱心なあまり本業に支障を来たすなどということがあれば本末転倒も甚だしいからである。
 ブログやホームページといったインターネットの情報媒体は、極めて自由度が高くそれだけ政党や政治家の個性を表現しやすい。直接に自分の意見を伝達できるのは最大の利点である。一方で、まさに自己責任の世界であるとも言える。もちろん、インターネットを活用しなければ時代遅れで劣っていると決め付けるのも間違いであって、手段に関わらず、有権者に自分の主張や人となりを的確に発信することが大事なのである。また、何事でもそうだが万能というものはないのであって、過度の依存は望ましくない。そういうことも念頭に置きながら、これからの政治においては、インターネットを介して政治家と有権者の新しい賢いかかわり方が模索されていくことになるのだろうと思う。
 最後に宣伝ですが、私が研究員の肩書きを頂戴している自由民主党中央政治大学院も、インターネットがメインの講座である。興味がある方は是非このブログのブックマークからお立ち寄りください。


(参照ブログ)
世耕日記
ニューズ・ツー・ユー社長のブログ:minako's bog
FPN-ニュースコミュニティ-
[R30]マーケティング社会時評

(参照記事)
[IT選挙解禁へ動き活発 自民検討、議員立法提出も]
 公選法で禁止されているインターネットを利用した選挙運動の解禁に向けた動きが活発化している。自民党は10月下旬に選挙制度調査会にIT選挙解禁を検討する作業部会を設置。近く報告書をまとめる予定だ。民主党は以前から解禁に前向きで、早ければ来年の通常国会で議員立法での法改正実現の可能性も出てきた。
 ただ自民党内には「IT選挙の解禁は民主党を利するだけ」と根強い慎重意見もあり、法改正には異論も予想される。
 公選法は選挙運動で配布が可能なビラやはがきなどを除き「文書図画」の頒布を規制している。人の視覚に訴えかけるものはすべて文書図画と解され、候補者や政党のホームページ(HP)の画面も公示日以降は更新を禁止している。
(共同通信) - 11月5日17時7分更新


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そういえば (keiko)
2005-11-07 00:05:43
官邸テレビも始まるし、ネットで色んな人の演説や動静を見られるのは良いですよね。選挙中に遊説日程が更新されなくて不便だったし。ネット選挙て有権者にとって良いことのが多いと思います。
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keiko様へ (猫研究員(高峰康修))
2005-11-07 00:16:42
遊説日程とか便利そうですね。GPSを使った候補者の現在位置表示なんて出来れば面白そうですけど、システム作るのにお金がかかりすぎるかな…。

情報の時代だから、情報発信の面でいろんなことに挑戦する候補者が勝ち抜いていくことになるでしょう。ITなんかに頼らなくても勝ち抜ける!という人がいたらいたでそれは貴重というか才能があるというか、あるいはガチガチの組織候補か(笑)

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ユビキタス的 (Repunit)
2005-11-07 04:32:52
選挙期間中の講演会日程などは便利そうですね。告知はメーリングリストが最適かもしれません。位置表\示なら携帯電話のGPS機能\が使えそうですが、個人情報などの問題がありそうです。

ブログについてですが、普段は単なる備忘録で、渦中にいる場合は更新が滞るだけ、となる予\感がします。政治家の一日なら新聞でだいたい確認できますし、政策なら今までのWebページで事足りると思います。

期待するとすればニュースや携わっている懸案に対し、どの様な見解を持ちどんなスタンスをとるか政争で不利にならない範囲で発信していただきたいですが…さすがに欲張り過ぎかも知れませんね。
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Repunitさまへ (猫研究員(高峰康修))
2005-11-07 17:10:27
ブログをつけてる政治家は、地方議員の方が多いような気がします。単に地方議員の方が母集団が大きいからかもしれませんが…。でも内容が単なる日記になってることが多いみたい。



>ニュースや携わっている懸案に対し、どの様な見解を持ちどんなスタンスをとるか政争で不利にならない範囲で発信



そうですよね、これが理想です。ブログではないですが民主党の西村眞悟議員の「眞悟の時事通信」なんかがそのスタイルに近いかもしれません。
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