法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

安売りするなと檄を飛ばす社長が安売り

2019-08-04 13:30:19 | ・・「だからどうなの」
ちょっと地味なサービス業のA社長、朝から営業に檄を飛ばす。

「お前らバカか」

「安く売るのは誰でもできる」(完全にパワハラですが)

「しっかり利益を取れ」

その日の午後、大手企業からの見積依頼に対し、

「赤字覚悟で取りに行け」

との発言。

ダブルスタンダードではありませんか。

過去のブログを読んだ方はお分かりかと思いますが、この大手企業が、将来大きなリターンが見込まれる戦略的に重要な顧客なのであれば、赤字覚悟でもよいかもしれません。

しかし、同じサービスや製品を将来に亘って提供する場合、値上げはなかなか困難です。

営業の皆様は、身に染みて分かっていることと思います。

何か妙案はあるのでしょうか。

この種の業務は一旦契約すると1~5年同じサービスを提供することになります。

でも、この会社は過去10年くらい同じ手法(低価格受注)で業績を伸ばしてきました。安く受注して利益を出す!

何故でしょう。

この社長の会社は、人件費がコストの大半を占めるサービス業です。

デフレで人件費が下がる、不景気なので低い給与でも採用できる、そういう環境にあったからです。

しかし、このところは旨くいきません。

最低賃金も上がり、都市部を中心に給与も上がってきています。

また、人手不足で地味なサービス業には応募も少なくなっています。

どうすればよいのでしょうか。

そうです。過去の成功体験から抜け出し、経営環境を受け入れ、社長の経営の仕方を変える必要があるのです。自分で言っているように。

後日談:

実はこの記事を書いたのは3年前の2016年7月28日。それから3年、先の社長は今も頑張っています。利益が薄く差別化の難しい業務からは撤退。
売上高は伸びないものの、利益率は改善しているそうです。




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