1月16日。
15日am2:00ごろ発生したスキーバスの事故、大きな大きな事故で亡くなられた方がたくさんいて、、、ご冥福をお祈りいたします。
今朝、出勤前にテレビでこの事故の原因についてキャスターが言っていたのが、、、ベーパーロック現象、、、という言葉が聞こえて来ました。
原因はこのベーパーロックと決まった訳ではありませんが、事故現場は、、、国道18号碓氷バイパス下りの緩いカーブで、この場所までは下りが続き難所だそうです。
猛スピードで左右に揺れて、、、とか、、、タイヤ痕は片輪走行の跡が、、、などがニュースでは聞こえてきますが、、、バスに故障があっての事故?ブレーキが効かなかった?のかもしれませんね。
バイクやクルマのブレーキは、、、一般的には油圧式のブレーキシステムを使用しています。
原付バイクなどではワイヤー式もありますが、ディスクブレーキのタイプは作動させるには油圧を使います。
この油圧に使うあぶらは、、、ブレーキフルードという専用のあぶらになります。
こちらは当店でも一般修理に使っている ホンダの純正 ブレーキフルード DOT4 になりますが、、、
このホンダ純正ブレーキフルードの缶の裏には、、、
ウエット沸点 155℃以上 とあります。
沸点とは、、、液体を熱して沸騰し気体になる温度の事ですね。その温度が155℃以上です。
バイクのスピードを落とす時、、、ブレーキをかけますよね。
ブレーキをかけると、、、ブレーキパッドやブレーキシューをディスクやドラムに押し付けた時の摩擦でスピードが落ちます。
その摩擦で熱が発生します。
そしてブレーキですが使いすぎるとブレーキシステムが過熱して、ブレーキが効かなくなってしまう事があります。
効かなくなる現象には、、、フェード現象 と ベーパーロック現象 があります。
フェード現象は ブレーキパッドやブレーキシュー、ディスクやドラムが高熱で摩擦が低下し、効かなくなる事です。
さらにブレーキシステムのブレーキフルードまで高熱になってしまうと、、、ブレーキフルードが沸騰!してしまい、ブレーキを作動させようとしてもブレーキレバーがペダルが スカスカ でノーブレーキの状態になります。
これがベーパーロック現象です。
こんな現象がスキーバスにも起こったのか?とニュースでは言っていたようです。
ブレーキフルードの沸点は高いほうがベーパーロック現象は起きにくいです。
上の写真のホンダ純正ブレーキフルードの場合、155℃以上の沸点になっていますが、長期の使用によって性能低下する事があります。
ブレーキフルードの性質ですが、、、吸湿性があります。
バイクの使用過程で僅かずつではありますが、水分が混入します。
バイクのブレーキマスターシリンダーの上蓋を外すとその下にゴム製のパッキンがありますが、ここには雨水が入り溜まっている事があります。
密閉されているようには見えますが、水分がここから浸入したりするんだと思います。
ブレーキフルードに水分が混入すると、、、沸点は下がってしまいます。
ホンダ純正ブレーキフルード、沸点155℃以上に水、沸点100℃が混ざると155℃より低くなる事は間違いありません。
沸点が低くなればベーパーロック現象が起きる温度が低くなる!という事です。
沸点が低いブレーキフルードを元の沸点に戻すのは、、、ブレーキフルードの入れ替えをするしかないんです。
定期点検整備、重要です。
今朝のニュースを見て連想してしまった老メカでした。
スキーバス事故のニュース報道では、、、安全対策置き去りとか、、、過労運転疑いとか、、、格安で運行する為のしわ寄せがあるのかもしれません。
そのしわ寄せはバスの整備にも及んでいる事も十分に考えられます。
老メカ、毎日のお仕事の中で、、、来店いただいたお客様のバイクをちょっと見て、整備上のアドバイスをよく致します。
たとえば、、、タイヤが減っていて、交換時期ですよ、、、とか。ブレーキが減っています、、、とか。
ですが、お客様の中には、、、まだ使える、パンクするまで大丈夫。とか。お金がないから整備が出来ない。など、整備、安全に対しての意識が低い方も。。。
もうこれ以上はこちらよりは言えませんので、お帰りいただくのですが、、、
ケガをするのはそんなバイクに乗っている本人ですし、周りの人もあぶない事も。。。
というバイクも少なからず街を走っているのが悲しいよね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます