ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

27日のアジアは中国とフィリピンが堅調 インドは軟調

2011-01-27 20:14:11 | Weblog
中国・香港株式市場・大引け=香港は反落、上海は続伸 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK884077720110127
 27日の香港株式市場は上海市場が持ち直したにもかかわらず前場の堅調を維持できず、反落して取引を終えた。輸送、金属などの資源関連株は上昇したものの、不動産、銀行株の下げが圧迫した。
 ハンセン指数終値は63.62ポイント(0.27%)安の2万3779.62。
 ハンセン中国企業株指数(H株指数)は0.37ポイント(0.00%)安の1万2649.60。
 中国政府による新たな不動産価格抑制策を受け、中国本土関連の不動産株が値下がりした。
 中国海外発展(チャイナオーバーシーズランド)は4.9%安。華潤置地は3.7%安。
 米景気の持続的回復による需要拡大期待からコンテナ輸送、港湾関連がアウトパフォームした。招商局国際は6.1%高。COSCOパシフィック(は商いを伴って3%高。
 ゴールドマン・サックスは顧客向けリポートで、海外の小売業者が積極的に大口注文を出していることから、港湾施設の稼働率は金融危機前の水準を回復しており、港湾管理会社は価格支配力を回復しているとの見方を示した。 
 中国株式市場は続伸。不動産関連株が売られたものの、小型株や金属関連株の上げで相殺した。
 上海総合指数は40.336ポイント高の2749.150。 不動産株は、中国政府による新たな不動産市場抑制策を嫌気して軟化。不動産株指数は1.2%下落した。
 金地集団は3.5%安、万科企業は2.5%安。 前日に続き小型株が思惑絡みで買われたほか、銅価格の上昇によって非鉄金属株が上昇した。江西銅業は3.8%高。雲南銅業は5.4%高。

台湾株式市場・大引け=続伸、半導体関連株が上昇主導 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK051672820110127
 27日の台湾株式市場の株価は続伸した。台湾積体電路製造(TSMC)の業績発表を前に半導体関連株が買われた。
 加権指数は前日終値比46.74ポイント(0.52%)高の9102.33で終了した。
 ファンドマネジャーによると、半導体関連株は、低リスクであることから、資金が向かっている。
 フー・ホン・フィナンシャル・プランニングのバイスプレジデント、ケビン・リン氏は「投資家は半導体株の先行きについて、最悪の時期は去ったとして、楽観している」と述べた。
 半導体株指数は1.27%上昇。TSMCは0.8%高となった。取引終了後に発表された同社の第4・四半期純利益は、市場予想を上回った。
 エレクトロニクス株指数は0.96%上昇した。鴻海精密工業が3%の大幅高となり、同セクターの上昇を主導した。
 鴻海精密は、太陽電池製造の益通光能科技(E―TON)に出資する計画を撤回した。E―TONは7%安となった。 金融株指数は0.1%高となった。

シドニー株式市場・大引け=ほぼ横ばい、鉱業株が下支え 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK051676420110127
 27日のシドニー株式市場の株価はほぼ横ばいで引けた。鉱業株が下支えとなる一方、政府が洪水被害の復興費用調達のため、個人所得を対象とする新税を発表したことから、小売業など個人消費関連株が相場を圧迫した。
 S&P/ASX200指数は前日終値比1.7ポイント安の4806.1で終了した。
 ギラード首相は同日、新税により18億豪ドルの収入を見込んでいることを明らかにした。
 小売株の一部は急落し、家電小売りのJBハイファイは1.9%安、ニュージーランドの子供用衣料品グループ、パンプキン・パッチは7.6%安となった。
 証券会社コムセックの主席エコノミスト、クレーグ・ジェームズ氏は「洪水復興税は小売業など消費関連業種にとっては新たな挑戦となる」と述べた。
 その上で同氏は政府の措置により、豪準備銀行(RBA)は「今後1年間で利上げする必要や緊急度が低減する可能性がある」と指摘した。
 個別株では、エンジニアリングのダウナーEDIが、2億5000万豪ドル(2億4960万米ドル)の引当金を計上すると発表したことが嫌気され、20%の急落となった。
 家電チェーンのハーベイ・ノーマンは2.2%安、複合企業のウェスファーマーズは1.3%安。石炭開発のマッカーサー・コールは2.2%の上伸。
 他の鉱業株も高く、BHPビリトンは0.3%高、リオ・ティントは0.6%高、ニュークレスト・マイニングは1.5%高となった。

ソウル株式市場・大引け=小幅続伸、ザラ場では最高値更新 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK884053720110127
 27日のソウル株式市場は小幅続伸。海外勢の買いやSオイルなどの石油精製株上昇に支援された。
 総合株価指数(KOSPI)の終値は4.55ポイント(0.22%)高の2115.01。一時は2121.06まで上昇し、ザラ場ベースで過去最高値をつけた。終値ベースでは、過去最高値をわずか数ポイント下回る水準で引けた。
 海外投資家は過去3週間で最高の3527億ウォン(3億1630万ドル)を買い越した。
 2011年のポジティブな業績見通しと原油高を受けて、石油精製株が値上がりした。SKイノベーションは4.8%高。GSホールディングスは5.4%高。 
 Sオイルは好決算を受けて12%急伸した。2010年度の営業利益は前年度比139.3%増の8344億ウォンとなった。
 現代自動車は10―12月期利益が約50%増加して過去最高となったにもかかわらず、下落した。一時、1%安まで下げたが、0.8%安に下げ幅を縮小して取引を終えた。アナリストによると、このところの大幅上昇を受けて、利食い売りに押された。
 ハイニックス半導体は0.7%安。コンピューター向けメモリーチップの価格下落が響き、四半期の利益は過去5四半期で最悪となった。
 ロッテ・ショッピングは4.9%高。第4・四半期決算が22%の営業増益となった。
 銀行株は重しとなった。KBフィナンシャルは0.9%安、新韓フィナンシャル・グループは1.2%安。

マレーシア中銀が主要政策金利を据え置き、適度なインフレを予測 2011年01月27日 ロイターhttp://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK884085520110127
 マレーシア中央銀行は27日、主要政策金利MYINTR=ECIを2.75%で据え置く、と発表した。
 据え置きは3回連続で、アナリストの予想通り。
 中銀は、今後数カ月のインフレ率は「適度」で、2011年の経済は「着実な」ペースで成長する、との認識を示した。
 中銀は声明で「物価は、主にコモディティーや食料品価格の世界的な上昇によって、今後数カ月は適度なペースで上昇するとみられる。超過需要が物価に圧力を掛けている兆候は限定されており、インフレは引き続き供給要因が主導する、と考えている」としている。
 ロイター調査では、アナリスト全員が据え置きを予想した。




 27日のアジア株式市場は、中国各市場が軒並み堅調に推移(上海総合&上海A株が1.49%高、上海B株が0.98%高、深セン総合が3.35%高、深センA株が3.38%高、深センB株が1.70%高)した他、フィリピンが1.50%高、タイが0.75%高、台湾が0.52%高、インドネシアが0.37%高、韓国が0.22%高。
 一方、インドが0.93%安。香港ハンセンは0.27%安、パキスタンは0.17%安、オーストラリアASXは0.04%安でした。

日本の長期ソブリン格付け、AAからAA─に引き下げ!!!

2011-01-27 20:06:57 | Weblog
日本の長期ソブリン格付け、AAからAA─に引き下げ 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19235320110127
 スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げた。アウトルックは安定的。外貨建て・自国通貨建て短期ソブリン格付けはA─1+に据え置いた。
 S&Pによると、格下げは、日本の政府債務比率がさらに悪化するとの見方を反映している。S&Pでは日本の財政赤字が今後数年にわたって高止まりし、それに伴い財政の柔軟性がさらに低下すると予想している。
 日本の債務比率はすでに格付け先ソブリンの中で最も高いレンジにあるが、さらに、S&Pが世界的な景気後退以前に予想していた水準を上回る水準まで上昇し、2020年代半ばまで下降に転じないとみている。なかでも、一般政府財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2010年度の概算値である9.1%から、2013年度には8.0%へと若干の低下にとどまると予想している。中期的には、大規模な財政再建策が実施されない限り、2020年より前に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の均衡は達成できないと予測している。
 長引くデフレも日本の債務問題をさらに深刻化させている。物価の下落は1992年以降の日本のGDPの推移と一致しており、名目ベースで経済規模が同年以降変わっていないことを意味する。加えて、急速な高齢化が日本の財政・経済見通しを悪化させている。社会保障関連費は国の2011年予算案の31%を占めており、2004年度の社会保障制度改革を上回る規模の改革を実施しなければ、この比率は上昇する見通しである。生産年齢人口の高齢化と減少を踏まえ、S&Pでは日本の中期的な成長率を約1%と予測している。
 S&Pは民主党率いる連立与党が参議院選挙で過半数議席を確保できなかったこともあり、民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けていると考えている。また、政府は2011年に社会保障制度と消費税率を含む税制の見直しを行うとしているが、これにより政府の支払い能力が大幅に改善する可能性は低いと考えている。国債発行額の承認を含めた2011年度予算案と関連法案が国会の承認を得られない可能性さえあるとみている。したがって、国内には引き続き国債に対する強い需要があり、それに対応して超低金利環境が続いているものの、日本の財政の柔軟性はさらに低下すると予想している。
 とはいえ、日本のソブリン格付けは、高水準の対外純資産残高と比較的強固な金融システム、多様化された経済によりAA─の水準で下支えされている。加えて、日本円は世界の主要準備通貨である。
 日本の2010年末の対外純資産残高は、概算で経常取引受取額の254%と世界最大。また、外貨・金の準備高は1兆ドルを超え、中国に次いで世界第2位である。加えて、金融部門と企業部門と家計部門をあわせた非金融民間部門も対外純債権者である。S&Pでは経常黒字が続いていることから、対外純資産は今後数年さらに増加するとみている。
 厳しい財政状況と経済成長見通しの弱さを、高水準の対外純資産と円の国際通貨としての役割によってもたらされる柔軟性に照らし合わせて考慮し、アウトルックは安定的とした。2000年代前半のように政府が財政再建と成長見通しの改善に向けた施策を実行できれば、格上げを検討する。一方、S&Pが日本の財政見通しを再び引き下げた場合には、格付けへの下方圧力が再度強まるとしている。

S&Pが日本国債格下げ:識者はこうみる 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19235020110127
 スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げた。アウトルックは安定的。外貨建て・自国通貨建て短期ソブリン格付けはA─1+に据え置いた。
 S&Pによると、格下げは、日本の政府債務比率がさらに悪化するとの見方を反映している。S&Pでは日本の財政赤字が今後数年にわたって高止まりし、それに伴い財政の柔軟性がさらに低下すると予想している。
 S&Pによる日本国債格下げに関する識者の見方は以下の通り。

●為替は円売りで反応、円キャリーが拡大すれば一段の円安も
<クレディ・スイス証券 外国為替調査部長 深谷 幸司氏>
 以前から日本国債(JGB)がいつ格下げになってもおかしくないとの見方があったので、格下げ自体に驚きはない。ただ、為替市場は欧州のソブリン問題で敏感になっていることもあり、JGBの格下げについては、円売りで反応している。
 構造的には、外国人投資家のJGB保有比率が低いため、格下げをきっかけに、外国人がJGBを売却したとしても、相場に直接的なインパクトをもたらすかは疑問だ。
 現時点では、投機筋が依然、円ロングのポジションを抱えている。今後、こうした投機筋が円ショートに傾いたり、個人を含む資本筋が円キャリー取引を拡大するという流れになれば、一段の円安が進む可能性がある。

●日本財政規律に警鐘を鳴らす役割
<BNPパリバ証券東京支店 島本幸治・投資調査本部長>
 スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げた。格下げは、日本の政府債務比率がさらに悪化するとの見方を反映した。
 一般的には消費税の議論も含めて6月中に判断するという政府方針を示しているので、その行方を見極めてから、格付けの方向を決めるのではないかと思っていたので、今回の格下げのタイミングにはやや意外感がある。
 日本の財政規律に対して警鐘を鳴らす役割になったと受け止めている。もっとも、今回の格下げで長期金利が大きく上がることにはならないとみている。こうした警鐘を受けて、日本の政策が今後どのように変わるか見極めて相場は動くと思う。つまり、「急速な高齢化が日本の財政・経済を圧迫している」ことに対応した「税制と社会保障の一体改革」に先んじてS&Pが警鐘を鳴らす意味で格付けを引き下げた。実際に政策が打ち出されるかという点に円債相場は反応してくるとみている。

●円売り反応は一過性、84円を上抜けする可能性は低い
<住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良 礼子氏>
 円売りで仕掛けたいと思っていた短期筋にとって、日本国債(JGB)の格下げは、待ち焦がれていたニュースだろう。ただ、過去にもJGBは格下げされているが、円相場は結局、元の水準に戻っており、現在の市場の反応(円売り)は比較的早期に落ち着くと見ている。 

今年に入ってドル/円相場は84円の手前で折り返している。日本のアウトルックが安定的なことや、84円台にはドル売りを待っている本邦勢が控えている事を考慮すれば、今回の格下げのニュースで、ドル/円相場が簡単に84円を突破できるとは思えない。このまま円売り局面に突入することはないと思っている。
●長期金利上昇には懐疑的
<みずほ証券 チーフストラテジスト 高田創氏>
 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、日本の長期国債格付けを現在のAAからAA─に引き下げたのは、「財政状況の悪化」を理由にしている。これまでの1年は、世界で“ソブリンワールドカップ”のような状態だったが、市場での評価は、財政赤字というより経常収支の状況に左右されていた。
 ポルトガルやイタリア、ギリシャ、スペインを指すPIGS問題では、財政赤字の問題であると同時に、より悪影響を及ぼしていたのは経常収支の赤字だった。
 日本の財政状況は、潜在的な問題を内包している。しかし、今回の格下げにより、長期金利の指標10年債利回りが上昇基調をたどるかどうかは懐疑的だ。2002年にシングルAまで格下げされた際には、逆に長期金利は低下した。長期金利は年度末にかけ1%ちょうどから1.4%前後で推移するのではないか。

●初期反応は円安も、トレンド形成には至らず
<明治安田生命・運用企画部 チーフエコノミスト 小玉祐一氏>
 スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が日本国債を格下げしたことに伴う初期反応として、外為市場では円安に振れたが、円安トレンドの形成には至らないとみている。
 日本の財政が危機的な水準にあることは、ほとんどの市場参加者の共通認識であり、いずれ格下げがあると予想されていた。実態をみると格下げはある意味当然で、さらに格下げされても不思議ではないのが日本の財政の現状だ。
 日本経済はまだデフレが続いており、これが金利低下圧力になるほか、日本国債の95%前後は国内で保有されていることから、このまま財政リスクをどんどん織り込むことはないだろう。
 今回の格下げがカンフル剤のように目覚まし効果となり、政府が財政再建に本腰を入れるきっかけになれば良いと受け止めている。

円建ての金価格が急伸、日本のソブリン格付け引き下げ受け 2011年01月27日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19235920110127
 日本のソブリン格付けが引き下げられたことを受け、円建ての金価格が急伸した。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの日、日本のソブリン格付けを「AA」から「AA―」に引き下げ。見通しは「安定的」とした。
 これを受け、円建ての金価格は一時1オンス=11万1475円に上昇。0802GMT(日本時間午後5時02分)時点では、0.5%高の11万1297円で推移している。
 一方、ドル建ての金スポット価格は、一時、約0.5%安の1339.78ドルに下落した。




 おそらくは、タイミング的には東京市場終了直後だと思いますが、米大手格付け会社のスタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げることを発表しました。
 う~ん。個人的には与謝野氏が就任直後だっただけに、引き下げは既定路線とはいえ、もう少し様子を見るのではないかと思っていただけに、正直このタイミングでの格下げは予想外だったのですが、これで日本の格付けはサウジアラビアやクウェートと同格扱いに…(汗
 まあ、まだダブルAにはぎりぎり引っかかっている水準ですから、今後の財政再建努力次第では格上げのシナリオを全くないわけではないとはいえ、今の国会審議を見ていると、挙げ足取りを狙う野党と現行棒読みの首相。これでは格付け会社が、『とりあえずは格下げを強行して日本の財政再建に対する本気度を試す』といったスタンスに出るのも無理もないと思いますし、もしこれで『円安になってラッキー』だとと浮かれているようでは、本当に日本が世界から見放されかねない危惧を真剣に感じます。
 日本国債は日本人が95%以上を保有しているとはいえ、それは貯蓄残高が国債発行額を上回っているからこそ低金利が維持できることを決して私達日本人は忘れてはならないと思いますし、消費税の引き上げ時期がいつになるかはともかく、少しでも早く税制改革の大まかな議論だけでも早急にスタートすることを願ってやみません。

林原:事業再生ADRを申請 巨額投資が経営を圧迫

2011-01-27 05:05:55 | Weblog
林原:事業再生ADRを申請 巨額投資が経営を圧迫 2011年01月26日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110126k0000m020141000c.html
 甘味料トレハロースの開発・製造で知られるバイオ関連企業「林原(はやしばら)」(岡山市北区、林原健社長)などグループ4社が私的整理の一種「事業再生ADR」を民間の第三者機関に申請し、受理されたことが25日分かった。関係者などによると、近年、抗がん剤「インターフェロン」製造、恐竜の化石調査など多角的な事業を展開しており、巨額の投資が経営を圧迫したという。
 負債総額は1000億円程度とみられる。広報担当者は毎日新聞の取材に「私的整理を進めているのは事実だ」と話した。
 事業再生ADRは第三者の仲介により、債権者と債務者が話し合いで事業再生計画を作成し、再建を目指す。会社更生法などの法的整理に比べて、手続き期間が短いのが利点。
 林原グループは、1883年に水あめ製造業「林原商店」として岡山市で創業。1994年、でんぷんを糖質トレハロースに変える酵素を発見し、世界で初めて大量生産に成功した。医薬品や食品の原料製造のほか、レストランやホテル経営も手がけ、メセナ活動では類人猿の研究や美術館の運営を支援している。林原家の同族企業で現社長は4代目。




 う~ん。林原と言えば、日経ビジネスなど経済紙でもしばしば取り上げられる、岡山の優良バイオ企業というイメージが強く、元々は水あめの製造業から出発したものの、「ご飯や餅の弾力を保ったり、肉や魚の臭いを消したり、食物を乾燥や冷凍から細胞を守る」トレハロースの量産に成功した企業で、現在ではグループ企業として美術館や自然科学博物館といったメセナ事業や不動産の運用事業、そして京都センチュリーホテルというビジネスホテルまで運営するという、非上場で社員の公募はせず社員の99.9%は地元大学に頼んで岡山から採用している(京都センチュリーホテルについては、多分、前の経営者が経営に失敗し林原グループに助けを求めてグループ入りというパターンかと思います)という知る人ぞ知る地元の有名企業だっただけに、正直突然の事業再生ADR申請には、ただただ驚いたとしか言いようがありませんが、日経新聞の報道では、2010年10月期の単独決算では、売上280億円&純利益1億円を計上し負債総額が1400億円としていたものの、ここにきて『過去10年間で不適切な会計処理があった』ことが発覚したようですね…。
 同社は事業再生ADRを申請したものの、売上の水増しによる損失隠しは一種の粉飾決算とも疑われても仕方のない行為。まずは『金融機関30社の権利調整ができるか?』が、焦点になってくるかと思われますが、最低でも京都センチュリーホテルとメセナ事業を売却して本業に専念することは求められるでしょうし、そもそも金融機関全行が10年間にもわたって粉飾決算を続けていた疑いの強い企業を、果たして支援してまで存続させる価値のある企業と認識するかどうか…。
 同じく長年にわたって粉飾決算が発覚した(テレビ東京系の朝のニュース番組のモーニングサテライトなどでCM枠を持っていた)生産技術のケースでは、一度民事再生法を申請してから営業譲渡先が決定するまでに10カ月近くかかっているだけに、再生手法以前に企業の事業の存続そのものも危ぶまれかねないケースだと思われますし、果たして本当に債権者100%の同意が必要な事業再生ADRなどという手法が取れるのか、万が一にも法的整理やむなしとなった時に、迅速にスポンサーが見つかり 本業の再建に取り組むことができるのか注目を集めることになりそうな気がします。