石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

宮古島視察 Day2 ~ 下地中学校のフューチャースクール授業編

2012-09-25 23:53:48 | 活動レポート

さて、宮古島視察の二日目(9月25日)、今日はいよいよ宮古島市立下地中学校への訪問です。

すでにご紹介していた通り、下地中学校は、昨年、総務省「フューチャースクール推進事業」と文部科学省「学びのイノベーション事業」の実証校(全国で8校のうちの1校)に選ばれ、今年2月から実証授業が始められています。こちらに、地元紙の宮古毎日新聞で紹介された記事がありますので、まずご一読下さい。

学校にお邪魔すると、まずは生徒たちの「こんにちは~!」という元気いっぱいの声に驚かされました。会う生徒、会う生徒が、大きな声で挨拶をしてくれます。当たり前のようで当たり前でないこの光景に、いきなり嬉しくなってしまいました。そして、わざわざ歓迎の看板まで・・・ますます嬉しくなっちゃいますね。

 

まずは、校長先生や宮古島市教育委員会の皆さんを交えての意見交換。私から、今回の視察の目的について説明。(1)2年前の初当選時から教育分野におけるICTの利活用推進に取り組んでいること、(2)フューチャースクール推進事業の実証校をはじめ、各地の学校や教育委員会を訪問して現場の声を聞きながら政策立案を行っていること、(3)今年は民主党の教育のICT化推進WTで政策提言の取りまとめを行ったこと、(4)下地中学校の場合は、特に離島における子どもたちの豊かな学びの確保という観点から大変重要だと考えていることなどをお話しました。

教育委員会の方からは、平成23年10月から宮古島の全小中学校で校務支援システムを導入し、運用していることや、もともと小学校での実証募集があったときにも宮古島市の小学校が手を挙げていたことなど、ICTを利活用した教育の充実について特に力を入れて取り組んでいることをお話いただきました。

そして宮國校長先生から、2月の実証授業開始以降の状況について説明をいただきました。4月の新学期で、2名の先生を残して全ての先生が異動になり、本格的に実証が始まったのは4月からであることや、初めての経験で未だに手探り状態であるが、先生方の努力によって徐々に軌道に乗り始めていること、1学期は接続回線がADSLで時に作業が止まってしまっていたが、2学期からは光回線になり、より快適に使えるようになっていることなど、詳しく話をしていただき、大変参考になりました。

ちなみに、宮國校長先生の講演記事がこちらに載せられていますので、参考までにご一読を!

 

続いて、授業の参観へ。この日は、5時限目に3年生の二クラス、6時限目に2年生と1年生のクラスを視察させてもらいました。

まずは3年生の理科のクラス。 この日は、力の作用・反作用の授業でした。生徒達は、4人一組のグループになって、パソコンに示された図に力の作用・反作用を書き込み、それをグループ内で議論。最後は正しいと思う答えを一つ選んで全体に発表する、という内容でした。

 

続いて、もう一つの3年生のクラス。こちらは、先日行われた体育祭の感動を、漢字1文字で表してみよう!という授業。生徒は3人一組になって、体育祭で何を感じたか、どういう気分になったかを議論。その上で漢字1文字を選んで、その理由を説明するというもの。グループで選んだ漢字が、電子黒板に映し出され、それを全体に発表していました。

ちなみに、感心したのは、7つのグループ全てが、相談したわけでもないのに全て違う漢字を選んでいたこと。絆、深、楽など、生徒達の思いが伝わってくるようでした。

 

6時限目、最初に二年生の算数の授業へ。と、先生からのリクエストで、私も授業に参加。うん十年ぶりに生徒になって、隣の女子生徒とのペアワークに参加しました。 内容は、確率の勉強。区切られたマスを色で塗っていくのですが、隣り合ったマスは同じ色になってはいけないというルールで、塗れなくなった方が負け、というゲーム。2回やって、結果は・・・もちろん、現役の中学生の勝利でした!(ムキになって挑んでいる様子、分かります?)

いや、それにしても、パソコン上に出てくる課題を一つ一つクリアしていくことで、確率の法則が分かるという内容で、上手くICTを活用されているな~と思いました。

 

 そして最後は、1年生の英語の授業。こちらは、簡単な動詞を使って、自己紹介をするというもの。まずはパソコンで、各自が4つぐらいのフレーズを作成し、それを図や模様を使ってデコレーション。そして順番に電子黒板に映しながら、クラスの前に出て発表するというもの。英語を始めたばかりの1年生が、2学期とは言え、しっかりとした発音で発表していることに感心しました。

それにしても、英語の先生の英語&発音はとってもキレイだし、ネイティブのALT(外国語指導助手)も付いている(常勤ではないのですが)し、その上、ICT環境は揃っているし、なんとも羨ましい環境です。こんな環境で勉強出来ていたら、私の英語ももっと早くからマシになっていたのでしょうが・・・。ちなみに、スカイプを使ってアメリカとのコミュニケーションも実践されたようです。

 

 授業が終わってから、まだまだいろんなお仕事でお忙しい中、先生方が集まって下さって、意見交換を行いました。再び、私から視察の御礼と、今回の目的について説明。その後、さまざまな質問をぶつけさせていただいて、先生方から忌憚のないご意見や感想、要望などを聞かせていただきました。

「ICTを使う前と後で、正直なところ、授業が良くなっていると感じていますか?これから慣れていけばもっと良くなると思いますか?」という質問には、全員がイエスと前向きな意見を示してくれました。心強い! 一方で、課題は教授法やICT教材の共有化。中学校の実証では、全国の8校が独立した形で行われているので、横の連携が難しい様子。特に、下地中学校の場合は3年生が二クラス、2年・1年は一クラスしかないので、先生方も各教科一人(数学は二人)しかおらず、アイデアや問題点を相談することが出来ないというのが現実です。

それと、現実的な問題として、机のサイズが小さいこと(教科書やノートに加え、タブレットPCを置くのでスペースがない)、夏は教室が暑すぎること(クーラーが付いておらず、PCの熱で教室内が相当に暑くなる)なども指摘していただきました。

また、先行して導入されている校務支援システムについては、先生方から「役立っている」「時間を取られていた作業が楽になって、他のことに時間を使えるようになった」など、こちらもポジティブな意見をいただきました。今後、さらなる改善・拡張をしていけば、さらにいい環境が作られるのではないかと思います。 

 

この下地中学校の実証事業は、NTT東西がICT環境の構築・運用を担当していて、この日も担当の方々が視察に同行してくれました。意見交換の場で指摘されたような課題も、技術的な部分については今後も継続してフォローしていただけると思います。また、他校との連携や教材の共有化などについては、総務省・文科省の担当と協議していきたいと思います。

 

視察の最後に、校長先生たちを交えて記念写真。お忙しい中、大変親切かつ丁寧な対応をいただいて、本当にありがとうございました。そして、今後の可能性を見せてくれた、素晴らしい生徒たちにも感謝です!