石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

ODA視察派遣団報告記7~バンコク初日

2012-01-13 23:44:30 | 活動レポート

参議院ODA調査派遣団、今日から二日間、最後の訪問国、タイでの活動です。タイにおける活動の重点は、昨年10月~11月の大洪水による被害の状況と、日本からの緊急支援の効果、そして今後の治水や災害対策におけるタイ側のニーズなどを調査し、把握すること。初日の今日は、政府の担当者の皆さんとの会談が中心でした。

 

まず、朝8時から、在タイ日本大使館およびJICA現地事務所の皆さんとの会合。ここで、最新の状況についてヒアリングを受け、基本的な認識あわせを行いました。

 

続いて、視察に出発。まずはホテルから歩いて地下鉄の駅に行き、日本がかつて有償で支援した地下鉄に試乗しました。私はかつて何度か乗ったことがあるので特に新しい感動はありませんでしたが、初めて乗った議員たちはホームのキレイさや先進性にビックリしてました。ちなみに、このホームに設置された大型モニターには、次の電車があと何分で到着するかなどの情報と共に広告が掲載されてました。これならみんな見ますね~。

 

地下鉄の車内で、自民党の中村博彦議員と談笑中。議員になる前、ILOに居た時代の経験などをお話してました。

 

地下鉄の駅を降りて、タイ国営鉄道のバンコク駅へ。今度は鉄道の試乗です。

 

駅にはこんな屋台がいくつか並んでました。ん~美味しそう!

 

これが、三等車の車内。乗客がいないところで、なんとなくたたずんでいる様子を演出して見ました(笑)。

 

そして、線路の両側に広がる風景。ところどころ、線路沿いに屋台が並んでいて、ある場所では線路と線路の間に机といすが置かれていて、みんなが食事してました。信じられない光景・・・。

 

国鉄の試乗を終えて、今日最初の会談。上の写真の右側に移っているのが、ウィラポン洪水対策委員長(元副首相)です。ウィラポン委員長は、洪水被害への支援に対し、日本国民の皆さんの温かいお気持ちに心から感謝すると繰り返し述べられながら、今後、二度と同様の洪水被害を起こさないための対策について説明をして下さいました。

私は、「今回の洪水被害に対する日本からの支援は、本当にタイミング、内容、量、質といった観点から適切なものだったのか?」という質問をぶつけてみました。するとウィラポン委員長は、「洪水被害発生後、日本大使館やJICAの皆さんと何度も緊急会議を開き、支援のタイミングや内容、規模などについて要請をしてきた。日本側には、それに対して全く適切に対応していただいたので、全く問題は無かった。本当に感謝している」と評価してくれました。

 

終了後、ウィラポン洪水対策委員長と談笑しているところ。実は、ウィラポン委員長が会談の冒頭、挨拶の中で「私が米国留学をした時、ルームメートは日本人でした」というエピソードを紹介して下さったので、それに触れて「私が23年前に米国留学した時、最も仲の良い友達の中に二人もタイ人がいました」とお話ししたら、とっても喜んでくれたのです。

 

続いて、外務省で、スラポン外務大臣との会談。談笑中、スラポン外務大臣が「これまで3度、日本に行きましたが、訪問したのは東京、大阪、名古屋でした」と仰ったので、すかさず「大臣、次に日本に行かれた時にはぜひ、日本の地方、田舎へ行ってみて下さい。より日本のことを理解していただけると思います。タイに来て、バンコクしか見なければ本当のタイの人々は分からないと思いますが、それと同じです」と提案。もちろん、最後に「ぜひ島根県に!」と付け加えたのは言うまでもありません!

 

これは、首相府。今回は残念ながらインラック首相とは会談出来なかったのですが、キティラット副首相との会談のためにやってきたのです。ただし、写真に写っている首相府は首相だけが利用出来るということで、その脇にある別の建物の中で副首相と会談しました。

 

これが、副首相との会談の模様。まだ50代前半ぐらいの若い副首相でした。時間が短かったので、あまり突っ込んだ意見提起や質問は出来ませんでしたが、私からは「洪水被害からの復興を早期に実現するとともに、今後、日本ータイ関係をさらに強化していくためには、今回被害を受けた日系企業が、それでもなおタイ国内に止まって、事業を再建し、再び経済を牽引してくれること。そのためには、日系企業にこれ以上の負担や債務を負わせないことが肝要で、その点、ぜひともタイ政府の配慮をいただきたい」とお願いしておきました。

 

そして、今日の行動の最後は、JICAの専門家、青年協力隊、シニアボランティアの皆さん方との意見交換会。写真に写っているのは専門家の皆さんたちですが、今日は地方で活動している方々を含め、大勢の皆さんが参加してくれました。

私にとっては、この現場でがんばっていただいている皆さん方とお話しできるのが一番、楽しくかつ有意義な時間。今日は、悪名高いバンコクの交通渋滞に引っかかって到着が大幅に遅れ、そのために意見交換出来る時間が短くなってしまったのですが、それでも一人でも多くの皆さんとお話ししようと歩き回りました。

いやいや、本当にいろいろな話を聞かせていただきました。洪水被害で活動先が完全に水に浸かり、一旦、日本に避難した上で臨時に別の場所で活動し、ようやく先週になって元の活動先に帰ることができた話や、ろう者に陶芸を教えているのだけれど、タイ語の手話を覚えるのが大変で、コミュニケーションにとっても苦労されている話や、障がいを持つ幼児の支援をタイ人スタッフと一緒にするのだけれど、語学がまだまだ未熟なので、自分が幼児のようで悔しい思いをしている話など、それぞれの隊員たちがそれぞれに苦労し、でもがんばっている姿を見せていただきました。

若い世代から、シニア世代まで、多くは日本での仕事を辞めて支援活動に携わっている皆さんには、心から敬意と感謝を表したいですね。いやいや、貴重なお話、本当にありがとうございました!

ということで、タイ初日の活動はこれで終了です。明日は、いよいよ調査派遣団の最終日。実際に、洪水で被害のあった地域に足を運んで、日系企業の皆さんに状況をお伺いしに行ってきます。