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「ハティの最期の舞台」 ハティ・ホフマンを殺したのは誰、どうして?

2018年02月26日 | もう一冊読んでみた
ハティの最期の舞台/ミンディ・メヒア  2018.2.26

    2018年版 このミステリーがすごい!
    海外篇 第11位 ハティの最期の舞台


ハティ・ホフマンを殺したのは、誰?

 フーダニットという視点で読むならば、これは難しくない部類の作品なのかもしれない。
登場人物はあまり多くない。
この小説では、犯人さがしの「だれ」とならんで、「どういう経緯で」という点が魅力的な謎となる。 (「訳者あとがき」より)


 「あなただってことを知らなかった。わかったときには、手遅れだった。もう恋しちゃったから」

 ママが望んでいるのはどんなわたしなんだろう。

 毎日の人生がただふつうに過ぎていくのは、驚きだった。想像を絶するほどの卑劣で節操のないことをしたとしても、ふつうに車を運転して家に帰ってくる。仕事にいく。クリーニングを取りにいく。酒屋にワインを買いにいって、妻に隠れて関係を持った子の親友の両親とおしゃべりをする。ワインの支払いをする。家にもどる。

青春時代をおおらかに豊に乗り切った者は、幸福だ。
青春は、生き難い。
それは、誰しも経験したこと。
苦々しい回想(おもい)、そればかりが思い出される。

 「もっといい人生があったのに、成長してそれを知ることのない愚かな子供たちだ。世界を知り、帰郷することの本当の意味を知ることもない。自分の人生の価値は、そのなかでどんな友を見つけるかで決まるということを知ることもない」

物語の中では、こんな日常的なことが展開されている。

 何かの反応があることや、神の鳩が降りてくることを期待したわけでないが、言葉を声に出してそれがどこに落ち着くか、自分のなかでどんなふうに響くか、確かめたくなることがある。

 わたしは無言で台に近づいた。議論を早く終わらせるのは言葉より沈黙だと、母がわたしや姉妹によく言った。

人を愛することは、すばらしい。
しかし、「その愛を受け入れること」は、無条件に、という訳にはいかない。

難しいことだが、大人には、大人として大切に守らなければならない責任と義務があるはずだ。
持てない男のひがみと言われてしまえば、それまでなのだが。

いろいろ考えながら読んだミステリだった。

拙ブログで紹介したミステリのあれこれも.......... 翻訳ミステリー大賞シンジケート

      『 ハティの最期の舞台/ミンディ・メヒア
                 /坂本あおい訳/ハヤカワ・ミステリ文庫』



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