先日、逆流性食道炎と書いたことから、従妹のタカコちゃんが、それならば良い薬があるからとその薬を送ってくれた。ありがたいことである。
早速 昨晩飲んだところ効いたのか、今朝は機嫌よくおじやを積極的に父は食べた。
心臓が気になっていた父は今日、タカコちゃんのご主人が循環器の医者なので、診察を受けに出かけた。
今の病院ではレントゲンもエコーも心電図もないのか?全く検査しないので不安になっており、胸のつかえを訴えても、「リンパの癌だから。」との一言で片づけられている事にも私たちも不信感を持っていたが、どうもその病院は内科の看板がかかっているが、老年内科専門みたいであることにやっと気づいた。道理で、初めて父を連れて行った時、リハビリや点滴投与を受けるお年寄が多かった事を思い出した。
胃がんを調べたところ、転移するのはリンパ節、そして肝臓、最後に腹膜だというので、医者の説明はおかしい。
父が他の不具合を訴えても。「癌だから、仕方無い。」というだけであると言う。
「癌、癌、癌。」の言葉でますます落ち込むだけで、母が入浴させ体を洗うと、先日よりも一層痩せているので、内心もうダメかもと思ったという。
病院に着くと、外にタカコちゃんが出迎え、杖を忘れた父を支えて、診察室に連れて行ってくれ、父が望んだようにすべて検査してもらい、診察してもらったが、8年前のものと比べても、変わりなく心臓そのものは悪くないことを伝えられた。
そして、やさしく諭すように先生は
「この年では癌の治療は何もしないのがいいんですよ。進行は遅いですから、強い薬を使うほうが命を縮めます。寿命が先か?癌が先か?見たところ、そう進行してないと思いますから、それより食事をとってないから、体が弱ってます。胸の痛みもそれからです。タンパク質も取ってください。」
「大豆製品…。お豆腐、豆乳。」とタカコちゃんが付け加えた。
その後点滴をしてもらっている間、外に出て心配ないことを家に連絡した。
すっかり安心して上機嫌になった父は帰りにお昼時だったのでうどん屋さんに寄り、生卵を乗せただけのうどんに生醤油をかけたのを4分の3くらい食べた。最近では一番多い量だったのでほっとしたと同時に頭に重く乗っていたものが取れた。
その分おなかもぐっと減り、私は肉うどんにバラ寿司、夏野菜とエビのてんぷら、そのほか小鉢が一つ、杏仁豆腐のセットを注文すると、注文を聞いた男性が、瘦せっぽちの私の姿を見て
「結構ボリューム有りますよ。」と言われたが、
「大丈夫です。」と答え、本当に残さず、完食した。頭も軽くなると、食も進むものである。
父のほうも帰りに持ち帰り用の半生うどんを2箱買って出た。そういう気分になったのかと思うと嬉しい。
病は気からというが、気力がなければ、負けてしまう。安心できる医者の言葉は患者を救ってくれるので、医療に従事する立場の者の言動は中々気を使い大変だと思ったが、家族みんなで
「ありがたいね。」と、タカコちゃんご夫婦に感謝した。
昨日の月に一度の一条さんのおみくじは
「もえ出ずる若葉の色ぞ 美しき 花さき実のる末も見えつゝ」とあり、
「次第次第に運が開けて盛んになります。あまりに一足とびにとんで事をしようとするとあやまります。
時を見て心ながくのぞみを達しなさい。」
と書いてあり、末吉だったが、とても希望が持てた。
「余計なものはないけれど、必要なものは必要な時に頂ける。」
と、ノワタリは言われるが、そう私もその通りであると思っている。