憑けてきたことを書いたが、で話していてノワタリさんは「こんなに永く旅を続けてきたのに変ね~。ね~え、あなた左肩が痛くない~?」と聞かれた。そういえば左肩から肩甲骨に掛けてそんな気がした。
「あなたの前世を幾つか見せてもらったけど、前世の物が浮かび上がったのかしら。」
「戦と策略でどろどろの所ばかりに多く居たみたいだから、良くないのは覚悟してたんだけど。」と言いながら、恥ずかしくなる。まだ、抱えている物が多いのか???
「いいや、みんなそんな時代だったから仕方ないのよ。」と言って慰めて下さった。
しかし、悲しい事に私の知っている限りお姫様は王子様と結ばれました。めでたし、めでたしと言う事はない。ロマンスも綺麗なドレスも着物も無い。学生時代の友人達も私の結婚生活が想像つかないと言っていた。そういう私自信もピンと来ないまま孫のいないばあさんになりつつある。
知っている限り戦場で、刀を振り回しているか、策略を練ってだましだまされて牢で最後を迎えたとか、良い所で殿様に海産物を献上する海女で海中で溺れ死んだとかと言うものばかりで平穏に暮らした事ってあったのかしらと思う。
海と言えば今朝、とても青くきれいな海の夢を見た。映像を出せないのが残念!
妹とせっせと料理をしていた。丁寧に書いてあるレシピ本をパラパラと捲っていた。いつも適当に作っているすき焼きなので本格的に作るのはと思いそこで手が止った。しかし、作っている料理はすき焼きではない。
大皿に盛ったお煮しめのような料理を抱えて運んだ。その家には海辺の木造の建物で土間を歩き、夏の建具で簾戸のある板の間には白い割烹着で白い日本手ぬぐいをしたおばさん達とランニングに半ズボン姿の男の子が飯台の前に数人いた。幾つかの大皿に料理が盛ってあった。しかし、何か忘れ物をしたと言って私だけ外へ出た。家の横には葦が茂っていてその裏の白い壁の家をブルトーザーで壊しているのを見た。海辺まで行くと、波打ち際の柵の向こうの砂浜になぜかポツポツと一定の間隔で素焼きの茶色の昔の墓のシキビ立にけいとうの花が一輪づつ活けてあり、海水の表面から半分くらいでているのを目にした。車のトランクから細い木切れを取り、又家に入るともう誰もおらず、料理も片付いていて跡形も無かった。食べ損ねたと意地汚く残念がっていた。しかし、昭和30年代かそれ以前のなつかしくのんびりした風景だ。
又外へ出て見回すと、向こうの方でで数人の人が網を引いている作業をしているのが見え、私は少し高さのある崖の上からとても青く澄んだ海を見ているところでの着信音で目が覚めた。
あの光景は一体なんだろう?とてもリアルで綺麗だった。