百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

本あれこれ(8)【山口瞳さん続編】

2009-12-22 16:16:52 | 日記
 愚生は、約37年前、その一度きりの見合い相手と結婚式を
挙げたのでございますが、もちろん山口瞳さんの当該小説に倣いまして、
その案内状の文面は「私たちは結婚します」としたのでありました。

次に印象深いのは【けっぱり先生】であります。
モデルは桐朋学園の生江義男校長といわれておりますが、
小説では猪股校長となっておりまして、校長は 常日頃、
「卒業生を送り出すにあたり、ああしてやればよかった、こうして
やればよかったと、悔やまれることばかり思い起こされ、自分の力の
及ばなかったことを 申し訳なく思うばかりであるというのに、
生徒から"仰げば尊し"という感謝の念を示す歌を贈ってもらうわけには
ゆかない」と言われておりましたのですが、とにかく まごころ一筋の
素晴らしい熱血先生でありますゆえ、卒業式において、禁止されている
にも拘わらず、生徒のほうから 自然発生的に"仰げば尊し"の歌声が
聞こえてくる という、愚生には、涙無くして読めない感動の小説で
ありました。(なお、上記は 愚生の頭に残っている記憶を文字化した
ものでありますので、正確でない可能性が大いにあります。念の為。)

【江分利満氏の・・・】【まじめ人間】という小説は、とにかく
楽しかったです。たしか これらの小説からのではなかったかと
思います。次なる言葉を知ったのは。
  軽石……かかとばかりする
  ミシン
ふたつとも「一穴主義」を表した言葉であります。



<追伸>
 山口瞳さんは、ある時期から国立市に居を構えられました。
けっぱり先生も たしか国立が舞台でありますし、音楽大学や一橋も
あって、クニタチという名前も えらいいい響きでありますものですから、
愚生は ずぅっと一種の憧れめいた気持ちを持っていたのであります。
しかし、最近は全く違った感慨を有するようになっております。
どうやら愚生とは相容れない考えをお持ちの方が大勢住んでおられる
ようで、平成12年3月には 市立第二小学校での国旗国歌に係る校長
土下座事件というような、象徴的な信じられないような事態が起きたで、
愚生以上に、けっぱり先生も さぞかし落胆されておられるのでは
ないかと、また、この際、いっそのこと市名を 国裁市と改名されたが
如何か と思っているのでございます。

コメント
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