百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

【 小津映画【浮草】で見た「手締め」への憧れ 】100q 残件消込録(4)

2014-11-14 11:44:17 | 日記
 隠遁生活の身ともなりますと滅多に「手締め」の場面に出くわすことなんてないのですが、ここらあたりは「三本締め」が一般的なようであります。但し 老生は、あまりにありきたりで 面白味がないうえ、何か安直に ダーダーとした流れに乗っかっているだけといった印象を受けるものですから、締めるなら「一本締め」、その一点その一触に精神を凝集・集中し 決めてこそ、本当の「締め」というものではなかろうか と思っておりました。

ところがです。平成21年8月26日 NHK BS2 【衛星映画劇場】で放映された、いや もっと以前 平成10年頃か? にも放送されたはずです【小津安二郎】監督の【浮草】という映画、その中で演じられた【手締め】を見たとき、「おお! 何と味のある 人間味溢れる 手締めだことよ!」と いっぺんに取り憑かれてしまいまして、で 現役時代、実際に 2回ほど試みたこともあるんですが、ただ 当人も周りも 何せ初めてやることですから、何か後味の悪いようなこととなってしまったのでありますが、当ブログに取り組むようになってからは「いつかこのことを書いてみよう」と 思いを引き継いでおりました。


その映画は カメラワークが素晴らしく、どの場面も一幅の絵画といった趣きがあります。が それもそのはず、今なお世界ナンバーワンとの呼び声高い 宮川一夫さんの視線。ローアングルが特徴の小津映画では、↓ このカットは唯一の例外であると、NHK-BSP の 氏の特集番組でありました。(H31.1.2 補稿)
 


後ろ向きの女性は【若尾文子】さん 、当時25歳 もんげぇ別嬪さん ↑ であります。

こっから ↑ その場面が始まります。「じゃぁひとつ お手を拝借」と 立ち上がります。

     「打~ちましょ」       シャン  シャン
     「も~ひとつで」       シャン  シャン
     「祝(いお~)て三度」      シャ シャン の シャン

                ↓ 「おめでとうございます」で 終わります。

【Wikipedia】の【手締め】の項によりますと、この締め方は【大阪締め】に該当します。


         なお H23.2.10付 【産経新聞】には こんな記事が 載ってました。 
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【【フォークル再結成コンサート】再放送】 100q甚く感じ入り候記(19)

2014-11-03 18:19:19 | 日記
     1947. 3.21   京都で【加藤和彦】さん生まれる
     1967     【フォークル】デビュー
     1968.10.14  【フォークル】解散コンサート(京都弥栄会館)
     1977     【安井かずみ】さん(1939.1.12生まれ)と結婚
     1994. 3.17  【安井かずみ】さん死去(肺癌 55歳)
     2002.11.17  【フォークル】再結成コンサート(NHKホール) NHK-BS で放送
     2009.10.17  【加藤和彦】さん 自死(62歳)
     2014.10.17   NHK-BSプレミアム 再結成コンサート再放送 

 上記再放送を見、【加藤和彦】さんを好きになりました。それまでは、才能は認めるも さほど好意は・・・といった印象でありました。ところが この歌に接した途端 大転換するに至ったのであります。 
       

老生が『世界最高の聖典』と崇め奉る『雨ニモマケズ』。ご存じの通りこの詩は 賢治さんの遺品 小さな手帳のなかに発見されましたが、その冒頭の上部に 「11.3 」と記されていることから、『雨ニモマケズ』は、病死される約2年前 昭和6年(1931)11月3日に生み出された作品であるとされているのですが、この【11月3日】をタイトルに持ってき、詩に曲を付けられていたのであります。「そおかぁ、和彦さんも この詩が好きやったんかぁ」、、、これが決定打となりました。

詩もメロディも まっことキレイ 【白い色は恋人の色】は、当初からとても好きな歌でありましたが、

愛すべき【サトーハチロー】さんの詩でありながら そんなに心に響くことのなかった【悲しくてやりきれない】が、 まるで別の歌であるかのように、ええ歌やなぁ と感じるようになったのです。

イイ と思いだしますと さらにその感覚は拡がりまして、例えば齢相応に後退した頭髪。少しでも若く恰好よく見えるようにバカスことの多いこの世界ですが、氏は アルガママであります。そして唱われるその風姿からは 高い知性と品格が 伺えるようになったのであります。

また 一日ぽっきりのこのコンサートで 特に嬉しかったことがあります。発表当初から たいへん好きで よく唄った【イムジン河】。でも この歌は、初っ端から、南北朝鮮および朝鮮総連等から イチャモンがつき、直ぐ様 封印され、長い間 表舞台に登場ることがなかったのです。ところが 晴れて歌えるようになったとのことで、アンコール含め 二回 演奏されたのであります。




で 下は 当方がその昔 使っていた楽譜であります。老生は今 リウマチにやられており、残念ながら ギターを扱える段階までには快復できてないのですが、皆さまがたには どうぞ 唄ってみて下さいませな。実に実に 美しい楽曲であります。



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