百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

本あれこれ(33)【【佐藤忠雄】さん著【苦労人の文学】】

2012-08-19 22:10:47 | 日記
 師と仰ぐ【森信三】さんが言っておられる通り、身体が 食事による栄養で保持されるように、心は、読書という栄養補給なくば 活きて生きることができないのではないかと思っておりますから、平素 オイラの侍(はべ)る空間には、読みたい・読もう と購入した本が ゴロゴロ積み重なっているのでありますが、最近は いざ読もうと 開いてみたとしましても、ジキに眠くなってしまいますから、積んでおく本は溜まる一方。かといって、懸命に抑えたとしましても、読んでみたい本は 次から次へと現れて 止まることを知りません。

オイラは思っております。こういった嗜好は欧米人のほうが格段に強いのではないだろうかと。特に アングロサクソン系。常に、何か新しい考え あるいは 新しいものを生み出すヒントとなる概念はないだろうかと、金・ダイアモンドを探すのと同じマナコで、収集を貪っている・・・その動向がです。世界に先駆け、少なくとも 500年以上続いていると思えますから、世界中の ありとあらゆる植物の標本が、王立植物園に蒐集されているように、哲学・宗教関係の文献の収集・蓄積も 相当なものであるだろう と思えるのです。

仏教や道教や儒教など アジア的・東洋的・中国的なる思想の書物は日本人の感覚として、英語で書かれた本なんて たいして多くないのではと、普通思われるのですが、実際は逆で、英語訳の書籍のほうが 断然 多いのではないだろうかと。

このことを最初に感じたのは、【加島祥造】さんの「老子・タオ」に係る本を読んだときでした。加島さんは英文学者ですから、欧米人が英訳した本をベースに 書き起こされているのです。そのせいでしょうか。非常に斬新な感覚を受けると同時に、ひょっとして 東洋思想の本においても、欧米人の理解した概念の 日本語翻訳のほうが、うんと 分かり易くなるのではないだろうか と思えたのであります。

はたまた 話が脇道に逸れてしまいましたが、毎日 新聞に向かう時も、常に、新しい由縁を求め、また「人間とはどういうものか」という永遠のテーマの ほんの一端でも掴めたらと心掛けている者でありますから、産経新聞の「この本と出会った」は、いつも興味深くチェックしているコーナーでありまして、それが今回、学歴に恵まれなかった苦労人が書いた文学……というような、オイラの琴線に触れるスクリプトがあったりしますと、ガゼン 読みたくなってしまったのであります。



Amazonで すぐさま検索。書籍名は出てくるのですが、とうに絶版であり、新本も古本も出品ナシ。県内図書館ネットワークの蔵書検索では「該当図書なし」のアンサー。こうなりますと ますます欲しくなってくるは人情なりて、以後 Amazon市場での売り物の出現を待つこと 50日。で やっとこさ手に入れることに相成った次第。ちなみに 値段は送料込 6,050円。何とも高い買物となりましたが、仕方ありません。これが 希少価値というものの為せる市場価格 というもの。
        
もちろん 手許に着いたその日から数日間は、寝床で オイラの就寝までの御伴を務めたは 言うまでもないことであります。期待感が相当 ありました。でも オイラの読みが甘いせいか、インパクトを受けるような内容では ありませんでした。拍子抜けした感じであります。

佐藤忠雄さんは 映画評論で名を馳せた方であります。その方が【椎名麟三】さん【秋元松代】さん【松本清張】さん【吉川英治】さん【山本周五郎】さん【長谷川伸】さん【太宰治】さん【野村胡堂】さん【坂口安吾】さんらの作品について、評論家らしく、よく言えば緻密、悪し様に言えば エゲツなく、褒め讃えるところがあったっけか といった 冷たい印象の評論を 展開されているのです。 

ですから 読後感がちっとも爽快でないのです。完読すれば普通 達成感的な感慨があるのですが、それすら どこかへ飛んでいった感じです。人間味など感じられない 無機質な、そうです 技術論文を読んでいるような感じでありましたか。ただ ここまで記述しようとしたら、相当量の著作を読んでなけりゃ 書けないことは 慥(たし)かであります。それはそれで評価するのですが。

それでも 全ページ 目を通し、下の二冊の本まで追加購入してしまったのは、佐藤さんの、オイラを惹きつけて止まない いわゆる ノン学歴の経歴 でありました。オイラより 15年早く 新潟市で お生まれになった佐藤さんは、予科練→(戦後)新潟鉄道教習所→国鉄→電電公社、この間 新潟市立工業高校を卒業。子供のときから本の虫。少年時代から映画にも夢中で、その評論文を映画雑誌に数多く投稿し脚光を浴び、いつしか本職に というもの。

まあ ものすごい 桁外れの読書家であります。それは鼻に付くほどにスゴイです。このエネルギーは どこから湧いてくるのでしょう。それは世間一般でいうところの 正規の教育過程を経ていないことからくる カルマではないだろうかと 思います。大学教育を受けてはいないが、俺はこんなに識っているんだよ というアピールもあるのかと。好きにはなれないですが、スゴイ方であります。

     
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100q甚く感じ入り候記(3)【【田端義男】さんの歌 】

2012-08-15 15:17:29 | 日記
 今日は【敗戦記念日】。されどこれを【終戦記念日】と詐称し、民族の誇りすら かなぐり捨て、
ただひたすら 謝るのみ といった記念日と せしめている現状況、嘆かずにはいられません。

この日は 断じて 終戦ではなく敗戦記念日なのです。オイラだって、人間 誰しも持っている
残虐性・排他性・差別観・独善性などの暗部、負の人間性・陰の人間性が、これでもかこれでもかと、
ギンギラギンに強調され表出される戦争というものは大嫌いであります。特に絶対服従という極限の
被ガバナビリティーが要求される軍隊という組織に我が身を置いたとした場合、オイラの上官が
まるで尊敬に値しない ロクデモナイ人間だったとしたら、もうこれほどの屈辱はないだろうと
死ぬほどに思う者であります。 

こんなオイラですら、現日本の情けない状況には ウンザリしているのです。ヘイワヘイワと言う
だけで 平和なんてきっこないのです。軍事力というバックアップなしには、平安なんてありえない
のです。外交的な勝利は 経済力・軍事力 この両輪が機能してこそ 得られるものなのです。

日本人よ、いい加減に 目覚めよ! であります。オイラは いまこそ【海ゆかば】を復活すべきとき
ではないかと思うのであります。これほどまで日本人の魂を鼓舞してくれる歌を オイラは知りません。
それと【海道東征】。どちらも作曲は【信時潔】さん。詞は【大友家持】さんおよび 【北原白秋】さん。
この二曲は 日本人の 誇りや 魂を復活させ 勇気を呼び覚ましてくれる、まさに「君が代」に次ぐ
第二国歌というべき 名楽曲であります。

ところで この【海道東征】という カンタータ・交声曲ですが、つくづく「ほんとうに不運な楽曲だなぁ」
と思うのです。日本人であるならば、一度でも この曲を耳にされたら「何故に このように素晴らし
い楽曲が 埋もれてしまっているのだろう」と疑問に感じられるはずです。東日本大地震の被災地の
方々が お聴きになられたとしたら、どんなに勇気づけられることでしょう。でも悲しいことに、題名が
そぐわないのです。「東征」という言葉が。意味は全く違うのですが、どうしても引っ掛かってしまうの
です。これは まさに 日本の悲劇 といえるものであります。残念で 残念で なりません。

と、ついつい 本題と逸れてしまいました。こんなとき オイラは、【田端義男】さんの歌が 無性に
聞きたくなったのであります。2,3年ほど前まで 何とも思わなかったのですが、その魅力が解かる
年代になったということでしょうか。素晴らしい歌唱力が判る齢になったということでしょうか。

それでです。 99.12.22 および 05.12.01 録音とある この二枚の CD を 購入したのです。
  
まあ これほど声が好くって唄が上手い方とは 存じませんでした。今までは「流しの演歌師さん」
というイメージしかなかったのですが、CD を ジックリ聴きますと、今になって スゴイ歌い手さん、
まさに昭和を代表する歌い手さんだ ということが、はっきり分かったのであります。

「かえり船」「別れ船」「妻恋道中」「波止場気質」「親子船歌」「流沙の護り」「麦と兵隊」「梅と兵隊」
「旅姿三人男」「大利根月夜」「十九の春」・・・流石であります。素晴らしい!本当に!であります。
特に出色なのは、泣きながら唄われている 「九段の母」。聴くたんび もらい泣きしております。
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突如発行単発稿来む(4)【当ブログ画面レイアウト崩壊について】

2012-08-15 12:10:23 | 日記
 連日、じっとり べっとり むしむし の、実に不愉快な天候が 続いておりますが、こういった
折も折 誠に恐縮なことでありますが、7月末日から それに輪をかけるような事態が 当ブログに
発生しておりまして、このこと まずは 深くお詫び申し上げます。

と申しますのも、私が 相当の手間暇をかけ 構成した当ブログ画面が、goo事務局の一方的な
処置、見易さ改善のための仕様変更ということでありますが、一行に入る容量(サイズや文字数)が
縮小されてしまい、折角 オイラなりの美意識で編集した画面構成が、無残に破壊されてしまった
のであります。

本状況と同様な事態は これまで 3回 ほどありました。しかし しばらくしたら 復旧していた
のです。でも 今回は ダメなようであります。goo事務局に連絡し、何回も抗議したのですが、
何ともなりません。オイラの技術的な未熟さが もたらした失態と捉えるしかなさそうです。
たいそう 無念な コトでありますが。

されど 今のオイラは、こういった問題に 技術的に ノメリコム情熱は 持ち合わせておらず、
また積み重ねたとしたら、モノスゴイ時間を費やし 作成した画面を、これから 再度 編集し直す
といった時間も、持ち合わせておりません。

そこで 読者各位には 誠に申し訳ないことでありますが、破壊されてしまった画面は、
goo事務局への抗議 という意味からも、このままの状態で曝しておこう と決意した次第であり
ます。なお 今後 投稿するブログは、当局から 二度とこのように乱さることのなきよう、
ヨコサイズに少し余裕を持たせ 編集するつもりです。

みっともない画面を曝して という誠に不本意な事態が継続することとなりますが、どうか
ご理解賜りまして、引続きの ご愛読を 切にお願い申し上げる次第であります。 
 
 
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