百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

【長崎県波佐見町の陶芸家【長瀬渉】さん】【100q南国すっ飛び旅(5)】 H26.3/24

2014-04-04 16:21:54 | 日記
 この日は 道路代節約、および 折角 南九州まで来たのだから 風土をよく味あわなくっちゃとのことで、枕崎から一般道のみで波佐見町まで行くことと。『熊本みかん』の大産地を通り、無料の『有明海沿岸道路』を気持ちよく流し、そして大川市では『古賀政男記念館』なる案内が目に留まり、「そうか 栄策さんは恩師の古賀先生と同郷でござんしたか」と 寄ろうとしたものの生憎 休館日。かくなるうえはと 波佐見町へ一目散、福岡・佐賀・長崎県が錯綜する地域を 右に曲がり左に曲がり、4時前ごろだったでしょうか、郵便配達員さん 地域の方 の助けを得 やっとこさ 目的地に到着したのでありました。

車を出て 歩こうとしていた矢先のことです。一台の車が入ってき 駐車し、中から「写真で見たあの人だ」と確信する風体の方が 出てこられたのです。お尋ねしますと 間違いありません。何の面識もない者が 連絡もせず突然 訪ねて行った訳ですから、相当 面食らわれただろうと思うのですが、それでも気持ちよく応対して下さいました。感謝申し上げます。

訪ねた先はです、山形県の山寺こと『立石寺』さんの最初の参道の石段脇に 売店と工房を持ってらっしゃる『山寺焼』の『長瀬実』さんのご長男 この方【 長瀬 渉 】さんであります。
   
製作途中の 【MITSUKOSHI】さんのオーダー品 『招きライオン像』↑ 

スタッフの【猪野亜梨奈(いのありな)】さんと ↑↓ 彼女は宮城県ご出身 渉さんの大学後輩


↓ 昨年 9月4~10日まで 【MITSUKOSHI】日本橋本店さんでなすった個展のパンフレット

  
ご覧のように お若いのに スゴイ 力量を お持ちです。国内外で いろんな賞を お受けになってられます。それにしましても このようなオコゼの肌、いったいどのように造形されるのでしょう。想像できません。なお 当地に於いての販売は なさっておられないとのことでしたが、無理を申し上げ コーヒーカップとソーサーを 譲っていただきました。ご覧のように 見れば見るほど 味わいの深まる器でして、持った感じも 実に納まりの好い形であります。

「高台が焼き付いてしまった失敗作です」といわれた お茶碗がありまして、老生は 一目見るなり「これは いい抹茶茶碗になる」と思い「売って下さい」とお頼みしましたら、「差し上げますよ」とのことで ありがたく いただいて帰った お茶碗 ↓ です。渉さん、ご覧のように たいへん好い 抹茶茶碗となりました。ありがとうございます。


なお 渉さんに 期待したいことがあります。いつの日か 人物像や仏像のようなものを造っていただきたいと。特に お願いしたいのは、老生の敬慕する 【鳩摩羅什】さん 【良寛】さん 【宮沢賢治】さん 【山頭火】さん。一品料理ですから 相当 高いものとはなるでしょうが、そこんとこは 何卒 廉価にできる 何らかの工夫も 編み出していただければとの ムシのいいお願いも。 




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【【開聞岳】さんに登りました】【100q南国すっ飛び旅(4)】 H26.3/23

2014-04-03 11:55:02 | 日記
 旅行初日 3/21 は 宇和島のホテル、二日目は 佐田岬半島突端の 三崎港→佐賀関フェリー で九州に渡り 南下、宮崎・青島のホテルに泊まり、いよいよ この日は、最大の目的地【開聞岳】さんに向かう日であります。

           青島のホテルの駐車場から見た ↑ 日の出 です
で、高速道を すっ飛ばし、美しい【霧島連山】を見遣りながら、ひたすら【開聞岳】を目指しました

                  ↑ 『指宿スカイライン』からの 【桜島】です

               開聞岳さん が 見えてきました ↑ 

                  ↑ いよいよ 登ります
     
                   ↑ 大隅半島 の突端部 が見えています   

  何とか かすかに見えるのですが  ↓ 種子島?       屋久島? ↓


                                 

                  ↑ 北西方向 【枕崎】方面の 眺望です
             

  【開聞岳】さん 924 m 頂上 ↑ です    見えるは【池田湖】 です

大or中or小の石が ゴロゴロ 転がっている登山道には 見事な ↑ 自然の トッテ もあります

 登山後となりましたが 開聞岳さんがご神体の ↑ 【枚聞(ひらきき)神社】さんに お参りしました

           ↑ 宿泊地 『枕崎』へ向かう道途中からの 開聞岳さんです
      ↓ 登山口の施設内に展示されていた 素晴らしい 薩摩焼の壺 です
  
ここまで来た甲斐あって、この後 かぶる帽子が アレンジできました。『松井秀喜ミュージアム』さんで求めていた帽子に、『アンパンマンミュージアム』さん および『開聞岳事務所』さんで買った バッジを くっつけました。たいへん 気に入っております。

はるばる ここまで来て 登って ほんとうに良かったです。これで、南北の対称的な場所に ほとんど同じ佇まいで そびえ立つ、お岩木山 開聞さん とも 登ったこととなりまして、たいへん嬉しく感じるのでございますが、この開聞さんの場合、大東亜戦争末期、このお山さんの上を 南の空へ向かい飛び立ってゆかれた 特攻隊員の方々、そのとき開聞さんは おそらくは、いつしか 隊員各位の故郷に立つ 『ご当地富士』となりて、その近くのご実家まわりの 山河・田畑・家並み の織り成す情景が、そしてその中での ご両親・恋人・兄弟・祖父母・恩師等々との あまりにも短か過ぎる 来し方を思い浮かべられ、で 人生最大の覚悟を決められ ゆかれたのではないか と思うのでありますが、思えば思うほど 泣けてくるのであります。衷心より衷心より 合掌、ほかの手立ては何も 思い浮かばず です。

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【名作【土佐源氏】幻のオリジナル?】【100q南国すっ飛び旅(3)】 H26.3/21

2014-04-01 12:44:52 | 日記
 実は『檮原町』に来たかったのには もう一つの理由がありました。【宮本常一】さんの名著 岩波文庫『忘れられた日本人』のなかの 最も有名な『土佐源氏』のお話の いわば出生地である当地に降り立ちて、その面影 その風土の カグワイを、一度 わが五感で感じてみたかったのであります。

 


しかしながら 話しの内容が内容なだけに、行き当たりばったりに 慌ただしく通り過ぎるに等しい老生のアプローチでは、それらしきモノも らしき雰囲気のカケラにさえも 遭遇できませんでした。老生は思います。本当は 当地は『土佐源氏の古里』を前面に出すほうが、人々を より惹きつけるのではないだろうかと。これにはたいへん難しい関門がありますが、おそらくは 日本中 いや世界中、実は いつの時代でも どこにでもある人間世界の営みの一つが、ありのまま、素晴らしい 見事な筆致で表現されている 民俗風俗記録・文章芸術作品の まさに頂点に立つ金字塔作品として 顕彰している場が提供されているとしたら、どんなに魅力的な土地になり得るだろうか と考えるからであります。

昭和16年2月 【宮本常一】さんが、土佐の檮原という村の乞食小屋に住む 80過ぎの盲目の老人『山本槌造(つちぞう)』さんから聞き取りしたとされる土佐源氏説話。出来上がった作品は、古き佳き日本情緒と やさしいココロネに満ち満ちた あまりに素晴らしい 美しい文章表現の織り成す おとぎ話のような世界。齢を重ねれば重ねるほど その値打ちは嵩じてまいります。難しいことですが 何らかの方法で顕彰してほしいものだと 切に願う者であります。

で です。ここで 掛替えない読者さんのため 大サービス、老生が大事に保管するタカラモノを放出します。それは『忘れられた日本人』収録の『土佐源氏』には、岩波文庫として出版するには差し障りがあるとして葬られている「オリジナル版」があるということで、その原文 『土佐乞食のいろざんげ』が、『週刊新潮』で 報道(H15.6.12号にて)されたことがございまして、以下 それを ご掲示申し上げようということです。ボケた 小さな字の写真で 読みづらいかと存じますが、お目通し願います。インターネットの アダルト無料動画なんかでは とうてい味わい得ない、情感たっぷり 土の匂いする 高尚なる官能文学の世界。どうぞ どっぷり つかって下さいませな。


   
      
                  
    
     

               
               
       


なお 始めにあります お爺さんの写真は、このオハナシを よりキレイなものとしたいがため、『資料館』さんの『百年写真館』に掲示されていた写真を撮らせていただき ここに貼り付けたものでありまして、決して『山本槌造』さんではございませんこと、お断り申し上げておきます。


 < 追 伸 > R4.9.13 記
 当稿は 当ブログ中 ベスト3に入る閲覧数を記録しています。”生は性なり” と言われるように、生きてる限り、”その道” への興味は尽きないものかと存じますれば、ご期待にお応えすべく、近頃 見つけました 取って置きのコンテンツを ご紹介申し上げます。
        
 当ブログに何回か投稿しておりますように、オイラは オイラと同い年でありながら、残念なことに もうお亡くなりになられている 直木賞作家の 車谷長吉さんが大好きでありますが、

当該コンテンツは、氏の著作である『文士の生魑魅』という本に収録されている、芥川龍之介さん作と伝わる『赤い帽子の女』という小説の一部でありまして、「氏の作品ではないのでは と思うが、できるだけ事をいやらしく書くのがエロ小説の美学とすれば、これはエロ小説の白眉であり傑作である」と長吉さんは評価されてられます。では どうぞ、ごゆっくりご堪能下さい。








 < 追 伸 > R4.9.22 記
 これは絶対に皆様方にお伝えしておかなくては との思いで 追加するものです。オイラは今まで、この『涅槃』という小説、上下巻とも 宝物のように仕舞われている 濡れ場描写に接したときほどの興奮を発した覚えはございません。
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まさしく絶品と申せましょう。ここに内容を表示できないのが残念です。実際に本書籍を お手に取られますと、オイラの言ってることが よおくお解りいただけるはずです。
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