諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

いきいきと三月生まる

2012-03-03 22:45:05 | 日記・エッセイ・コラム

 いきいきと三月生まる雲の奥   自然をたんたんと表現してなお人を引き付けてやまない飯田 龍太の秀句です。暦をめくって、三月になりますと、一度は吟じます。この開放感がなんとも言えず、好きな句であります。「マア~、寒いのが最も苦手なものでしてーー

 水温む 瀬に立ちこみし 白鷺は 餓え満たせしか 飛び去りし夕  ー夢蔡ー

20120221_028 ▲ 白 鷺 本来は、暖地へ渡りをするのですが、10羽ほとが、越冬して沼の弁天様に巣食っております。赤沼(前ページ参)付近の浅瀬に飛来して、寒い折、小魚をねらっておりました。) 暖かい日が続くと、魚の動きも活発になります。

   春はいまはじまろうとしております。午後4時を回っても、太陽はまだ陽射しを保っており、行く先にある木々には、諸鳥の動きが忙しさを増してきました。

 花の蜜好きなヒヨドリが、先ほど梅ノ木から飛び立ちました。梅は、まだ、充分に花を咲かせておりません。

  白梅や 蘂(しべ)凛として 匂い立つ-夢蔡ー

  冷たき東風に はなびしびしと ー御蔵ー

20120221_044 ▲ 梅は奈良時代に、中国より、大宰府の庭に植えられたのを最初とする。

 梅 噺ー寄り道しますーー

 万葉集ー巻5,梅花の歌 三十ニ首があります。天平2年(730年)正月13日、当時の大宰府長官、大伴旅人は、歌会を主催し、「よろしく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。」とその主旨を述べております。(巻5-815~847) このうちのニ首をあげます・・。

  我が園に 梅の花散る ひさかたの天(あめ)より雪の流れくるかも ー主人旅人ー (822)

  大伴旅人は、大宰府の長とは言え、60歳過ぎの高齢者でありました。都から遠い赴任地、本意ではなかったようです。天=都の方から雪のような冷たいモノが流れてくる・・・なんて、これホンネかも~#

  春さればまづ咲くやどの梅の花‘ひとり見つつや春日暮らさむ ー筑前守 山上大夫ー(818)

  赴任中の山上憶良です。「'ひとり・・」以下、恋歌仕立てで、妻をなくした旅人を詠ったものですが、都を遠く離れている自らの心境でもあるかもしれません。

  二人とも、奈良の都ー中央本庁を向いて詠じているように思えます。主流からはずれて、地方の出先機関の勤務。どことなく悲哀ににたものが流れております。 文化的伝統です!!

 寄り道したら、 「いきいきの三月」が、すこし寂しくなりました。ーー

 梅 遠近おちこち)南にすべく北すべく ー蕪村ー、

 身のちじむ寒さから、開放されて、あちらこちらを頑張って歩きましょう。

 

  

 


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