諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

春生動の土を踏む

2012-03-05 22:08:01 | 日記・エッセイ・コラム

 【 啓 蟄 】 3月5日(13時21分) 冬眠していた地虫や蟻が目覚めて、穴をでて活動し始めます。

 川沿いの道は、その端に沿ってモグラが、地虫を追って、地中を掘り進み、土を黒々と盛り上げております。いわゆる〈土竜塚〉です。モグラ君の食卓の通路を壊さないように歩きましょう。ーー

 啓蟄や もぐら塚あり 点々と ー夢蔡ー

   野をわけ行きて 足を滑らす ー瑠奏ー

 川ひかり 花吸う蜂の 音せわしー夢蔡ー

 流れに乗りて 夫婦(めおと)鴨行くー鳥見人ー

20120221_041 ▲【 暖かき光に誘われて】 南斜面の枯葎の中で、冬越しした花虻が、菜の花の花芯に、頭を深く入れて、渇きを癒しております。

 淵でくつろぐ真鴨夫妻ーー

20120307_018 ▲【 マ ガ モ 】 春になると、沼の集団から抜けて、川へやってきます。集団の時は、良くわかりませんでしたが、この時期になると、ペアーが、はっきりしてきます。4月~7月、岸の草の茂みに巣作りー子育てをします。写真の上が雄。別名 アオクビ。雌は地味。(人間とは真逆!) 子育ては、目立たない方が安全あることは、言うを待たない。

  ー結局、〈万葉〉までもどります。ーmemoー

  吉野なる菜摘の川の川よどに*鴨ぞ鳴くなる山陰にして (ー湯原 王 巻3ー 375)

  万葉の時代では、【鴨】類は大切なタンパク源だったようです。歌の世界に登場したからといって、食の世界と無縁ではありません。

  「平城京跡から土出した木簡には、「鴨四羽百文」とあり、鴨一羽ニ十五文で売買されている。」(広野 卓著「食の万葉集」 中公新書)

さらに、同書によれば「100文で酒が10斗=180リットル」 買えたそうです。

  さあ、一羽 いくらになるでしょうか。昨今の物価に合わせて計算してみましょう。(ただし、消費税は含まない。)ーー

   では、また明日、春の野を歩きます。ーー


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