山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

冷めても美味しい筍料理

2022年03月26日 | 山菜料理

 昨日の『月山山菜蕎麦』で溜飲を下げたマタギ。これで、身も心も十分満足なんです。だから、これで暫くは安泰と言いたいところなんです。だけど、タケノコは特別なので、これだけでは収まらないんだよね。と言うのは、その保存法にあります。

 以前から紹介しているけど、収穫してきた獲物の保存方法は、マタギの場合4通り。塩漬けと乾燥と冷凍と瓶詰めだ。

 ただ、全ての収穫物に、全ての保存方法が使えるわけではない。せっかく保存したのに、戻す時に旨みが抜けてしまって繊維だけになったり、保存しているうちに溶けてなくなってしまったりみたいなことが起こってしまう。

 更に、例えば『ナメコ』だけど、塩漬けも冷凍も瓶詰めも出来るけど、即戦力としては冷凍で、長期保存には瓶詰めみたいに、使い道に応じて保存方法も変えた方が良い。

 で、『タケノコ』の場合は、この旨みと食感を楽しみたいなら、瓶詰めが最適なんですね。それで、我が家では、タケノコの保存は瓶詰めに決めています。初夏の山菜の王様を美味しく戴けるんだから、多少手間がかかっても、全力で保存します。

 今回は、そのうちの一瓶を開封して戴きました。おかげさまで、マタギの中で蠢き始めていた虫たちも満足してくれたようです。今回は、瓶詰め様々なんです。だけど、この保存方法にも弱点がありました。それは、一度開封してしまったら、すぐに食べ切らないと素材が傷んでしまうということです。缶詰に近いかな。

 ということで、次の料理を考えたので、その辺を記録しておきます。作ったのは、

   ≪タケノコのしぐれ煮≫

       結構たくさん残ったタケノコ

 瓶詰め(1ℓ瓶)のタケノコは、かなり沢山入っていたので、残りとは言っても、一食で食べきれない量だ。この料理、我が家では、タケノコ料理の常備菜として定番なんですけど、メインディッシュとしても十分に活躍出来るところが魅力なのだ。では、始めます。

 下ごしらえの部

 ・タケノコ(300g強)は、蕎麦の時よりも細めの斜め切りに

 ・糸こんにゃく1袋を食べやすい長さに切って、湯がいてから水にさらしておきます

 ・牛の薄切り(250g程)も食べやすい大きさに切り分けておきます

 調理の部

 ・鍋にサラダ油を敷いて牛肉を炒めます

 ※この料理に香味野菜(ショウガやネギ等)は使いません

 ・色が変わったら糸コンを絡めて、タケノコも投入

       水1カップを入れて煮ます

 ・砂糖とみりん各大さじ1に、酒と醤油大さじ2を加えて、混ぜながら煮詰めていきます

 ちょっと味見。なんか、物足りない。

 ポクポクポクポク チ~ン

 味噌風味と辛みをちょっとだけ足しましょう!

 ・コチュジャン小さじ2程を加えてみました

       今回使った調味料

       出来上がりました

 まずは、最初の出番です。

       今宵のメインディッシュとして使わせて戴きます

 はああ、やっぱり月山筍は旨い。みんなも満足。そして、今回の作品は、そもそも量が多いから、残りは、別の容器に移して保管。

 翌日、早速、弁当のおかずとして使わせて貰いました。

 これが、旨いんだなあ。あったかくても美味しいし、冷めても美味しい。つまり、素材が旨いってことだろうね。これから暫く、お世話になりそうです。

 思い起こしてみると、このタケノコ、採りに出掛けたときは怪我が癒えていなくて、身体をだましだまし採ってきたんだっけ。これは、山の神様のご加護の賜ですよね。

 山の神様、返す返すもありがとうございました。感謝の心を忘れずにいただきます。


いいかぜを うけとめながら(さんぽうた135)

2022年03月25日 | いきもの

  いいかぜを うけとめながら  おおおいぬ るり

 

いいかぜが ふいてきたわ

 また やってきたのね

 わたしたちのきせつが

 

きれいな どれすをつむいで

 まっていたのよ

 

しろかった だいちも

 すっかり いろをかえて

 

ちいさな わたしの どれすが

にあうようになる

 

ひをあびるほどに

 だいちは すてきにかがやき

みんなもめざめ おどりはじめる

 

 ねえ あなたも

いっしょにおどりましょうよ

 

りずむにのって

 はるのわるつを

 

いいかぜを うけとめながら

 

       オオイヌノフグリが咲いていた

       小さいので見過ごしやすい

       でも、すごく可愛い花だ

 実は、先日の『フクジュソウ』よりも『ロウバイ』よりも早くに花を咲かせていた。

 とにかく、「雪の下で待ちかまえていたのかい?」というぐらい早く、雪解けとともに咲き始める。

 そして、今は、

       こんなです

 満開と言ってよいでしょう。可愛いだけでなく、丈夫な花です。

 で、『可愛い』と『丈夫』のどっちに惹かれるかといったら、もちろん、『可愛い』です。

 これぞ春の使者、という感じ。

 『るり』さんは、去年、さんぽうたをうたってくれたんですけど、やっぱり再会すると、うたってほしくなります。

 それで、なんとか『さんぽうた』に再登場してもらえないかと相談した結果、こんなうたを聴かせてくれたんです。

 もしかしたら、前回登場したとき(2021.3.9)の『さんぽうた61』クリックすると読めます)と比べてもらうと、つながりに気付くかもしれません。

 もし、お時間があったら、読み比べてみて下さい。


もう止まらない?春のワクワク気分

2022年03月24日 | 日記とレシピ

 オープンセールで買ってきた釣り竿を伸ばしたり縮めたりして遊んでみたが、気持ちは治まらない。胸は高鳴るばかりである。

 ああ~、遊びに出掛けたい!でも、降雪中のアウトドアは遠慮したい

 そして考えた。うん。こういう時に我慢はよくありませんね。逆に、思い切り山菜で楽しんだ方がいい。

 ということで、本日のお昼は、秘蔵の山菜料理を堪能することにしましょう。使うのはこちら。

       月山筍とサワモダシ(ナラタケ)

 人によるかもしれないけど、最も美味しい山の幸です。これを思う存分食べて満足しましょう!更に山が恋しくなっても、それはそれで良し。とにかく、満足感がほしいのだ。

 この2つを使うんだったら、料理は自ずと決まってしまう。その名も、

   ≪月山山菜蕎麦≫

 当地を代表する名物料理の1つです。ここに、コゴミなんかを加えることも可能なんですけど、小心者のマタギは、この2つを並べただけでビビってしまった(既に高級料理なんです)。

 あまりにも贅沢なので、これだけの素材でいってみます。多分、それでも十分に美味しいはずです。

 下ごしらえ・調理の部

 ・瓶詰めの蓋に「錐」を打ち込んで開封

 ※プシューという音とともにへこんでいた蓋が元に戻り、既にいい香り

 ・蕎麦の具になるので、3~4個に切り分けました

       こんな感じ

 ・薄切りにした鶏もも肉200gを茹でてアクをすくいます

 ・顆粒出汁も少々加えました

 ・筍とキノコをドボーンと入れて、出汁醤油とみりんを加えます

 ※水750に、出汁醤油250とみりん50mlは、鶏南蛮の時と同じなんだけど、味をみると甘めだったので、塩ひとつまみを加えました

 ※具材(特にタケノコの方)から甘みが出たんだと思う。微調整は必須

 ・沸騰して、冷凍のモダシが浮いてきたら汁は完成。保温しながら待機

 ・蕎麦を表示通りに茹でて、冷水で締めたら、再度熱湯を潜らせて盛り付けます

       はい。皆さん、出来ましたよう!

 蕎麦は、地元の名店の生麺を使っているので美味しいことは分かってるんだけど、タケノコには独特の歯ごたえと甘み、そして、モダシにも独特の食感とコクがあります。それぞれが一級品。この3つが渾然一体となって、もう、たまりません!

 満足!

 いやあ、美味しかった!家族も同意見みたいです。

 あれ?どういうわけか、さっきまでの、居ても立ってもいられなかったムズムズ感が治まってますよ。

 ふむ、これは良いことですね。これから数日ぐらいは、心穏やかに過ごせそうな気がしてきました。

 タケノコとモダシのお陰であることは、間違いないでしょう。五感が満たされて、心も落ち着いたみたいですね。 ああ、思い切って料理して良かった。

 そしてですね、今回、タケノコの瓶詰めを開けちゃったということは、残る2/3ほどのタケノコ料理を、これから楽しめるということでもあるんですよ。

 こっちの方で、暫くはワクワク出来そうです。

 山の神様、ありがとうございました。そして、本番の山遊びでもよろしくお願いします。


春の神様が呼んでる

2022年03月23日 | 日記

 電力の使用制限のもと、寒い思いをしている地域の皆様が無事に乗り切ってくれることを願いつつ綴らせていただきます。

 家の周りが春めいてきた。近所の散歩コースを歩くと、

       ついに梅が咲き始めましたよ

 アメダスの情報を見ると、『積雪0センチ』になった!長かった根雪の季節が終わったのだ。

 『過去のデータ』というものを調べてみたら、12月23日から、ずっと雪が積もり続けて、合計88日間続いていたことが分かる。約3ヶ月。長かったです。

 さあ、いよいよ活動の季節ですよ!春の神様が呼んでいます!

 上のデータは気象庁のものなんだけど、更に詳しい情報を手に入れることが出来ます。

 まずは、雪の状態を調べました。

       なんだこれは?

 色が付いてる所が積雪地ね。紫色が2m以上です。雪が消えたのは、うちの周りだけじゃん。しかも、マタギの山菜エリアは、まだまだ大雪の下。

 諦めきれずにライブカメラを見る。

       いつも通ってる峠道周辺

       結構お世話になっている川の映像

 積雪量もすごいけど、現在進行形で降り続いてるじゃありませんか。

 これは、当分無理だ。

 ついでに、日本海の波の様子を調べると、正に冬型。北西から強風が吹き寄せてきており、ほとんどの沿岸部は高波状態。佐渡島と能登半島先端部の南側だけが穏やか。どう見ても、陸地が盾になって風を遮ってくれている場所だ。

 実況図の一部(佐渡島辺り)

 ここまでの情報、全て国土交通省が提供してくれたもの(気象庁も国土交通省の機関ね)。なんとも正確な情報を手に入れることが出来る便利な時代になったものだ。でも、裏返せば、情け容赦ないし、夢も希望もない

 あ~あ

 お彼岸の墓参りも済ませたし、1日使えるというのに・・・、またクッキングマタギか。

 待てよ!そう言えば、先日買い物してきた釣具店がリニューアルオープンする予定だったはず。

 これは、行く価値ありますね。早速、出発!

 店の周りには、お祝いの花輪が盛大に並んでいる。音楽と呼び込みのアナウンスが店中に響きわたって、すごい活気。冷静に見ると、そんなに以前と変わった感じがしないんだけど、なんとなく、つられて買い物したくなる気分。そして、

    つい、買ってきてしまった新しい竿

       おまけも付いてきました(ピンリールは、いいんですけど)

 100円分の金券だって。これを使いたくて、また出掛けてしまうんだよなあ。そして、何千円の買い物をしてしまう。

 お店の戦略に乗せられてるってのは分かってるんだけど、また行きたくなってしまうんだよね。

 このワクワク感は、止まらないかもしれない。

 だって、これも、春の神様のお導きだもの。


旨い!いんちきステーキ

2022年03月22日 | 日記とレシピ

 また、やらかしてしまった。

 実は、『牛肉どまん中弁当』を作るときに、冷蔵庫の中を確かめずに買い出しに出掛けたために、やっちゃったんですよ。

 精肉コーナーを物色しているときに目に止まったのが、『国産牛 レジにて3割引』というもの。見れば、賞味期限が迫ってきたための値引きみたい。どうせ、今日料理するんだから問題なし。カゴに入れて連れ帰ったんですけど・・・。

 冷蔵庫の生ものコーナーに入れようとしたら、なんだかそっくりなトレイが入ってるじゃないの。しかも、加工日も賞味期限も一緒。

 あ~あ。

 我ながら情けなくなってくるけど、この程度でどん底までは落ち込まない。そうだよ。今日はお彼岸で、ご先祖様をお迎えする日じゃないか。この際、盛大に接客レシピにしちゃいましょう!

 そんで、昼のお弁当レシピは、まずまずのでき。続いて、ディナーだ。

       このお肉を料理します

 どうする?  ポクポクポクポク チ~ン

  ≪いんちきステーキ≫!

 そう言えば、暫く作っていなかった。牛の薄切り肉を使った無敵の料理です。これは、文句なく美味しいので、ランチからディナーへと同じ素材が続いても、みんな喜んでくれるはずです。それでは、いってみます。

 下ごしらえの部

 ・薄切りの牛肉を一旦広げたら、適当な幅に切り分けてから、縦横に重ねて折りたたんでいきます

       広げるとこんな感じ。幅10センチ以内に切り分けて

    こんな風に直角に重ねてたたみます(1ブロックに2~4枚ぐらい使う)

       厚さ1センチぐらいのブロックが10個出来ました

 ・塩コショウして、重ねてしばらく馴染ませます

 完全に予定外のレシピだったので、牛脂を貰ってくるのを忘れていたことに気付きました。レシートを持ってスーパーに行くと、

「どうぞお持ち帰り下さい♡」

と、気持ちの良い店員さんの対応。なんだか嬉しくなる。きっと、美味しい料理になるぞ。

 調理の部

 ・フライパンで、貰ってきた牛脂を溶かして、強火のままステーキを焼きます

 ※肉の巻き終わりを下にしました

 ・周辺の色が変わってきたら裏返し

 ※ここからは中弱火に切り替えました

 ・蓋をして、ある程度熱が通るまで待ちます

 ※厚みがあるので必要。ただし、余熱が効くのでガチガチになるまで頑張る必要なし

 ※目標はミディアムぐらい?

       残りの汁に、例の叉焼タレ+砂糖+酒でソースに

       はい、どうぞ召し上がれ

「これは、ナイフ・フォーク使わないで食べてみて。」

「ん?何、この柔らかさ!」

そうなんですよ。この作り方だと、ステーキとして楽しめることは、もちろんなんですけど、本物のステーキよりもずっとソフトな歯ごたえ。そして、何てったってリーズナブル!(1ブロック70円!!!)

「本物を買ってくることに、 ??? ね。」

同感です。

 牛肉の美味しい食べ方はたくさんあるんだけど、薄切り肉に、あえて、ひと手間加えるとこんなに美味しくなる。

 このレシピそのものもお勧めなんですけど、『ひと手間』の大事さを実感させられました。

 余分に買ってきてしまった失敗のお買い物。でも、そのお肉が美味しいディナーになった。トータルで言えば、良かったという言葉でまとめられそうです。

 捨てる神あれば、拾う神あり。とでも言うのでしょうか。なにはともあれ、美味しい夕食になってよかった。

 拾う神様、ありがとうございました。