山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

わたしでいいの?(さんぽうた25)

2020年09月18日 | いきもの

  わたしでいいの?   くずはな りの

のびすぎ
ひろがりすぎ
つよすぎ
めだちすぎ

そうかも
げんきすぎた
なつのわたし

れいせいにみれば
みなさんに
めいわくかけてるわね

でもね
わたし

やまとのくにの
あきのそうせんきょで
かみせぶんに
えらばれたのよ

よおくみて
はっぱがめだつけど
わたしのうりは
おはななの

はなやかではないけれど
わいんからあの
”わ”のたたずまい

そうせんきょでは
ぶっちぎりだったわ

そうはいっても
こんなわたしでよかったのか

いまもなやんでいる
わたし



 生命力の権化と言っていいかもしれません。その広がり方は、正に『はびこる』。
 日本人は、昔から、この生命力を食材や漢方薬として生かしてきました。「葛粉」や「葛根湯(かっこんとう)」などですね。
 このパワフルな植物が秋になると、小さな花をつけ始めます。

見逃してしまいそうなワインレッド


 この花の魅力を、いにしえの日本人達は見逃さなかったんですね。

情緒豊かな花穂です


すごく良い香りが昆虫を惹き付けます


 この花を『秋の七草』の一つとして数えるようになったのは、千年以上も前のこととか。
 日本の先人達の感性の豊かさに頭が下がります。

 ちなみにマタギは、この花を生物の住み分けの指標として活用しています。クズが生えるのは、低地から低山域。ある高度を超えると、山形では、ヤマブドウの分布域に切り替わります。ここから上は、ナメコが発生する可能性が高まるんです。
 だから、初めて訪れる山でも、クズ域かヤマブドウ域かで、採れるキノコの種類を予想できるんですね。
 結構、便利な花でもあるんですよ、りのちゃんは。