山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

キノコのクイーン

2020年09月01日 | キノコ採り
 いい加減にしてくれ!というような暑さが続いてるんだけど、季節は間違いなく秋に近づいてきている。部屋に差し込む日差しの傾き、日暮れの早さ、虫の鳴く音・・・。五感に触れる風物の小さな変化が、そのことを教えてくれる。
 とすれば、そろそろ出ますよ、キノコのクイーンが!
 このキノコ、夏の終わりから秋の初めに発生する比較的希有なキノコであります。したがって、山形でも「見たことない」「食べたことない」という人が殆どだと思います。
 でもね、良いキノコなんですよ。

発生するのはカラマツ林
 「カラマツ」って言うと、なんだか軽い感じがします。でも、漢字で書くと「落葉松」。文字を見ただけで風情が増します。常緑樹の多い松の中では、珍しく冬に葉を落とし、春に芽吹く松なのでついた名前です。
 この松林、好きなんだなあ。広葉樹とは一線を画す風情を備えた林です。
 そうして、この林に生えるキノコは独特のよい香りを備えたものが多いように思います。で、探し歩いてみると・・・。

第一号発見 しかし

見つけるのが少々遅かったようです

第二号発見
 株は大きくないけれど、食べ頃の株ですね。
 写真で分かるかな?色よし・姿よし・香りよしの三拍子揃ったキノコなんですよ。正式名称はハナビラタケ。俗称なんて聞いたことありません。多分、その姿にぴったりの名前だからでしょう。マタギだけが勝手に『クイーン』などと名付けています。
 これは文句なし。ゲットします。
 次の林は?と思って、場所を変えながらしばらく探し回りましたが、他に見つけることはできませんでした。
 ま、これも『まぼろしのキノコ』の一つだ。仕方がない。一株持ち帰るだけでも、十分と考えましょう。
 山の神様、本日もありがとうございました。

 帰り道、林道沿いに咲く美しい青紫色を発見。

花盛りです


美しい けど・・・

 猛毒で名高いトリカブト。人の立場から見ると、『毒』であり、ある意味『悪』だけど、別の生き物にとっては、『食』であったり、『善』であったりするのかもしれない(人の中でも漢方薬として利用している方もあるやに聞く)。
 今回の収穫物である『キノコのクイーン』ですら、知らない人から見れば、得体の知れないおぞましい存在なのだ。

 『知る』ということは大切だけど、どのくらい深く知っているのかを知ること、逆に言うと、どれ程知らないのかを知ることって大切だ、なんて考えてしまったのであります。

 欲タガリのマタギらしくないけど、考えてしまったものは仕方がない。忘れないようにして暮らしていきましょう。・・・無理っぽいけどね。

 To be continued!