『都会の小さな町散歩』その6、前回同様神田の町巡り。北乗物町、紺屋町(北部)ときて神田金物通りを越えると『西福田町』となる。神田金物通りには西福田町という信号もあるが、67世帯77人しかいない小さな町である。神田金物通り沿いにはビル、しかし、西福田町の名前をつけたビルすらない。
ただ、区の案内板によると『福田』は神田、千代田、桜田などと並ぶ古い地名でかつてあった福田村に由来している。また、隣の美倉町同様もとは火除地だったが、火除土手を取り去り、跡地が町会請負地となったものである。
『神田美倉町』は中央区との境にあるが、その境の路地を歩くと福田稲荷神社(但し、中央区本町側)の小さな祠がある。由来は和銅2年、つまり1300年前に伏見稲荷に勧進して作られた神社でここにも『福田』の由来が残されている。
ここからは少し来た道を戻り、神田金物通りを右に曲がり、昭和通りを左折する。するとその先に三角地帯が現れる。
この三角地帯が『東紺屋町』、本当に小さな町でオフィスビルが隙間なく立ち並ぶ。その中に問屋さんだろうか看板に『神田東紺屋町27番地、野村利雄商店』と大描きした看板、化学品問屋さんらしい。ただ、この看板しか町を表すものはなかった。
今回の小さな町歩き、神田東松下町、神田冨山町、神田紺屋町、神田北乗物町、神田西福田町、神田美倉町、神田東紺屋町とわずか1時間の間に7つもの町を回ることができたのである。