人形町のほぼ真ん中あたりに『三船』という居酒屋があった。店の中に入ると壁には三船敏郎の七人の侍の頃の姿が描かれていて黒澤明のファンである私にとっては楽しい店であった。
夜は居酒屋、昼はカツ丼を中心としたボリュームランチが売りの店であった。比較的広いため、緊急事態宣言下休業を余儀なくされていたが、業態転換をして魚中心のメニューに変わったのである。
店の名前は『寅次郎食堂』、福島県いわき市小名浜の脂の乗った身厚な干物『伴助』が楽しめるのが売りである。
店に入ると壁の絵は変わっていたが、ほぼ居抜きのまま、というのは運営会社は同じとのこと。しかし、ランチはカツ丼から干物と大きく変わった。私は『鯖みりん定食』(850円)をチョイス。
店に到着したのが11時45分、先客は1名のみ。しかし、団体、と言っても4人ていどだが、こうした人々が入れる店が少ないためだろうか。経営者は干物中心と考えているようだが、選ばれるメニューは『生姜焼き定食』『豚丼』のたった2つの肉メニューばかり。
そんなことを考えているうちに鯖みりん定食が到着。小鉢が3つ、『はまちの刺身のトロロ掛け』『卵焼き』『子芋の煮付け』これに漬物、山盛りご飯、味噌汁が加わる。確か、ご飯は大盛でなくていいと言ったはずなのだが。
いわき市小名浜の鯖みりんは脂が乗っていて美味い。焼きたての干物はご飯との相性が抜群である。小鉢は味付けが薄いものが多く、バランスもいい。さらにやや良く漬かった胡瓜やカブがまた美味い。和風定食をいただくならばお勧めの店である。因みに私が帰る頃には略満席、ご馳走さまでした。
バックミュージックには数十年ぶりに『ナオミの夢』がかかる。ヘドバとダビデ、今はどうしているんだろうなどと考えてしまった。
寅次郎食堂
中央区日本橋人形町2ー27ー1
0356950005
中央区日本橋人形町2ー27ー1
0356950005