町歩きをしていて靴紐を結び直した際に目の前に鑑賞用トウガラシの姿があった。それは万年塀の下から生えているもので、土は家の敷地の中、生えているのは塀の外である。
よく考えると去年もここから生えていて、冬の間は根が残り、春になったのでまた大きくなり、実を付けたものだ。まだ、実が緑色だが、これからも朱色になっていく。
その先を見ると今度はドクダミの白い花が見える。咲いているだけなら其れ程は臭わないが、抜くと出る液体があの独特な嫌な匂いを出すのが特徴で地下茎で伸びるため、ススキや葛同様に蔓延る植物である。食用にしたり、薬用に使ったりすることもでき、ハーブティーの原料にもなるが、小生はあの匂いが堪らなく嫌いである。因みに名前の由来は『毒矯み』、つまり毒を止めるという意味からきている。
更に駅に向かう途中に家の塀と下のブロックの間から桐のような木が生えている。よく見ると本当に狭い間から沢山の葉が付いて伸びている。このまま成長すると塀を動かしそうな勢いである。
すぐ近くには近くの木から種が飛んだのか、百日紅が塀と金網の間から顔を出す。毎年大きくなってきているようでもうじきピンクの花を付ける。
こうして見ていると僅かな隙間や僅かな土の中から生えている木や草は結構多く、なぜか成長が早い気もする。庭の花もいいが、こうした植物の逞しさも中々いい。