hokutoのきまぐれ散歩

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『吊り出し』はレアな決まり手になったのか〜大相撲雑感

2022-02-05 05:00:00 | 相撲
このブログで大相撲の話題を書くのは初めてだが、実は子供の頃よりTV中継をよく見て育った。一番好きだった力士が初代貴乃花、あれだけの細い身体で大きな力士相手に五分に渡り合うのがよかった。彼は低い体勢から立ち会いをして、何とかまわしを掴み、頭を付ける体勢が得意だった。

実は珍しいことに2022年初場所は見る機会が多かった。風邪をひいて休んだこともあるのだが、両大関はともかく、横綱照ノ富士と関脇御嶽海の活躍に平幕の阿炎が絡むという三すくみがよかったのかもしれない。

ただ、子供の頃見ていた頃と今の相撲は随分違う。まず、最も変わったのは力士の大きさだろう。
昭和の時代には100kgに満たない力士でも充分勝てる余地があった。例えば2021年の大相撲の決まり手は1位押し出し、2位寄り切り、3位叩き込み、4位突き落とし、5位寄り倒し、6位突き押しの強い力士の決まり手ばかりである。逆にかつてよく見たとったりは19位(52回)、吊り出しは33位(17回)、うっちゃりは37位(14回)と極めて少ない。比較のために1968年の統計を見てみると1位寄り切り、2位押し出しは同じだが、3位寄り倒し、4位上手投げ、5位吊り出しとかなり違う。特に『吊り出し』は当時よく見る技であった。 

昭和43年というと私は10歳、当時は横綱が佐田の山・柏戸・大鵬、大関が玉乃島・北の富士・琴桜・豊山、関脇が清国・前の山と錚々たる力士がいた。一方で小兵の力士は海乃山、藤の川、明武谷、睦奥嵐など結構いたものである。

私が当時注目していたのは、個性的な若浪というソップ型の力士。とにかくうっちゃりや吊り出し、上手投げを最初から狙ってくる強者。この春場所は2横綱が休場したこともあり、前頭8枚目の若浪が13勝2敗で幕内総合優勝したのだが、面白いことに若浪は大関以上には当たらないままの優勝だった。

100kgギリギリの小兵力士だった若浪はトレードマークが長いもみあげ、腕の力が強く、押されると滅法弱い。彼の幕内351勝のうち、吊り出しが80、うっちゃりが56、上手投げが38と今ではほとんど見られない決まり手で勝負する職人気質の力士であとた。

吊り出し

うっちゃり

別に『ねこだまし』などサーカス相撲が好きな訳ではないが、個性派、今でいうと宇良、翔猿、炎鵬(十両)といった力士が活躍するのも大相撲をさらに面白くさせるのではないかと思う。翠富士のような『肩透かし』を決め技に持つ力士も嬉しいところである。


まあ、当時外国人力士は高見山しかいなかった時代だから今とあまり比較にもならないかもしれないが。私的には当時の方がワクワクしたように思える。


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