今回は中々伺うことのない赤羽に出没。今から10年前の2013年に初めて伺った『天ぷらあら川』さん。以前は東十条駅から5分ほど歩いたマンションの1階で営業されていたのだが、マンションが建替になり、2020年に赤羽に移転。しかし、コロナなどもあり、お邪魔出来なかったお店である。
赤羽駅からは東口に降り、みずほ銀行の前を行くとすずらん通り商店街という大きなアーケードがあるが、これを真っ直ぐ歩く。5分ほどで左側に大きな看板が見えてくる。
このお店は東京には3軒しかない山形県の銘酒『十四代』蔵直のお店で、十四代の銘柄で無いものがない。もちろんご主人は天一で腕を磨いた方でこちらも超一流である。
今回は5人でお邪魔したため、個室でワイワイ。まずは瓶ビールで乾杯。お通しの筍木の芽和えが実に美味い。
まずは刺身の盛り合わせとお酒はもちろん十四代。ランクが色々あって悩むが、『中取り無濾過』にする。一合入るぐい呑みから一口、いやこれは美味い。
直送だけあってフレッシュ、口に入れると香りが広がり、上品な甘み、喉越しもスルッと消える。新鮮な鰆の刺身をいただき、口に入れても相性抜群。美味い酒である。
続けて焼き筍、イカの塩辛、海老味噌をお願いする。焼き筍は甘味のある醤油味、柔らかく香ばしい。イカの塩辛や海老味噌を舐めると次の一合が欲しくなる。大将は3本一升瓶を出してくれ、右から『本生、原酒』『生酒、赤磐雄町上諸白』『生酒、山田錦上諸白』、これだけはなかなか並ばない。悩んで中々お目にかかれない『生酒。原酒』から頂く。
飲み終わると次は『生酒、赤磐雄町上諸白』、表現が稚拙で十分伝わらないかもしれないが、甘みと旨味のバランスの良さ、芳醇さにはたまらないものがある。焼き筍と合わせたが美味かった。
ここの店は天ぷらを食わねばと大将の荒川さんに揚げてもらう。大好きな甘鯛の松笠揚げ、筍、海老が2尾。甘鯛は身がほろほろ、皮はパリパリ、塩を付けて頂く。海老も頭はパリパリ、身は甘い。
山菜の女王様(?)、こしあぶら。タラの芽同様に香り高く、アクも強くない。
さらにグリーンアスパラ、メゴチ、小エビのかき揚げ。天ツユで頂く。天ツユも辛口で美味い、大根おろしをたっぷり入れてかき揚げを食べ、十四代を飲むとなんて美味いこと。ついつい穴子の天ぷらを追加してしまう。
『生酒、山田錦上諸白』を注いでもらう。もちろん美味い、上品な甘みがこれだけ飲んでいてもわかる。
締めは天茶、塩味が新鮮でここでもあら川特注の『南』のうすにごりを出してもらい、私はぐい呑み半分だけを頂く。もうかなり酔っているなと思ったらラストオーダー、しっかり2時間でたっぷりと頂きました。
お店には色々な十四代が博物館の様に並んでいてお酒好きとしてはこれを見るだけで楽しい。今はもう作っていない銘酒も見せてもらう。
もちろんお勘定はかなりのものでしたが、納得のあら川さんでした。大将、またよろしくお願いします。
あら川
北区赤羽2ー7ー2第五あら川ビル
0339121430あ