『東京横丁探訪記』その2。中々、第2回に入れなかったこの企画だが、今回は鍋屋横丁を歩いてみる。鍋屋横丁は地下鉄丸ノ内線新中野駅から南北にに伸びる商店街である。
実はその歴史は古く、江戸前期に新井薬師から妙法寺(杉並区堀ノ内)に向かうこの参道は厄除け祖師として妙法寺の評判があがると大いに栄え、特に青梅街道との角にあった『鍋屋』という茶屋が繁盛していたことから、鍋屋横丁の名前がついた。
青梅街道の北側は鍋横通りとは言うものの、店は散在しており、あまり流行っていない。南側にわたり、歩き出すが、すぐ屋根(アーケード)が現れ、鍋横商店街の名前が書かれている。しかし、この辺りには携帯ショップやコンビニ、全国チェーンの居酒屋が多く、シャッターを下ろした店も多い。
少し歩くとつけ麺で有名な大勝軒ののれん分けした店などがでて来る。ふとみると歩道の端にお題目石という言わば道しるべが現れ、この横丁の古さを感じる。
その先に行列しているパン屋を発見。店の名前がミルクロール、これは商品名でもあるが、コッペパンのような形状で一つ40円。他にも調理パンなどがあり、美味そうな香りが漂っている。
もう少し歩くと十貫坂上交差点、この辺りまでが鍋横商店街と言うのだろう。一目ではわからないかも知れないが、車道の交通量が多く、分断されているためか、すこし寂れているのが気になった横丁である。