美術館に行くのも久しぶり、そもそもまんえん防止期間は都営の施設そのものが休止していたため、行くに行けず、昨年4月に行った佐藤可士和の展覧会は途中で休止してしまったのである。
東京写真美術館は恵比寿駅から歩いて7分、恵比寿ガーデンプレイスの中にある。恵比寿ガーデンプレイスも三越が閉店して寂しいのかなあと思ったがかなりの人出には驚く。建物が見えてきて、途中の壁にはロベールドアノーの『パリ市庁舎前のキス〜1950年』など名写真が並んでいる。
中に入ると3か所で展覧会をやっているが、まずは本城直季『(un)real utopia』を見に行く。本城は1978年生まれの写真家で大判のカメラのアオリを使って擬似的に被写界深度の浅い写真を撮り、実際の人物や風景をジオラマのように撮る技法で有名である。2006年には『small planet』で木村伊兵衛賞を獲得している。
今回は撮り下ろしも含めて色々な写真が出品されているが、佐藤可士和展同様に初めてカメラの使い方もよくわからなかった頃の作品から展示されている。
次に『small planet』の作品が並ぶが、プールや東京駅、ワイキキビーチ、ストックホルムのコンテナターミナルなど色鮮やかな作品が目を惹く。
『kenya』は鳥瞰図のように見た動物たち。最初のキリンは目を惹くが、フラミンゴの大群が青い海を渡る写真は思わず絵のように見える。
『kyoto』は名所を空から撮った不思議の世界。送り火で有名な大文字山や金閣寺、清水寺などまさにミニチュア。
『small garden』では小さな学校の校庭の一年を切り取ったし、『LIGHT HOUSE』は中野区や台東区などの飲み屋街の夜の風景の写真など面白い企画も満載。
ほかにも山や高原などの自然の風景、高層ビルの最上階などレゴで作ったような写真で楽しませてくれた。(〜5月15日)
もちろん、写真は撮り放題(フラッシュは禁止)である。