鉄道シリーズ その38。最近、通勤で地下鉄や私鉄に乗っているとアナウンスで『東京メトロではホームからの乗客の転落ゼロを目指しております。ホーム上で携帯端末やスマートフォンを操作したまま歩行されないようにお願い致します。』というのをよく耳にする。考えていれば、よそ見をしていれば、足元は覚束ない、酒を飲んでいれば余計である。小生は器用でもなく、運動神経に自信もないことから、初めからそういった行為をすることはないが、連呼するくらいだから、事故はかなり発生しているのだろう。実際に線路に人が転落して列車が遅れるケースは多い。
ただ、そんな連呼をするくらいなら、駅員を増やすか、ホームドアを付ければと思うのでホームドアを調べてみた。
日本でホームドアが初めて設置されたのは1981年神戸市のポートアイランドに作られた新交通システム・ポートライナーである。無人で動くこともあり、設置されたもの。次いで新幹線の通過の際の風圧対策として新神戸や熱海などに付けられた。地下鉄では1991年に東京メトロの南北線開業の際に全線に渡り設置した。ただ、これらは殆ど新設の路線でしかも車両が同じ幅のものが多い。しかし、実際は色々な私鉄が乗り入れ、車両のドアの位置が違ったり、ホームがわん曲していたりして設置が難しい駅が多い。
また、同じの会社でも、通勤仕様でドアの数が違う車両があったり、途中で新型車両を導入したり、更にコストも馬鹿にできなかったりと意外に障害が多く、まだ全体でホームドアがあるのは首都圏などで5%程度の駅に過ぎない。ただ、以前に新大久保駅であった痛ましい事故や岡山駅であった突き落とし事件、視覚障がい者の転落事故などを考えるに落ちた人を助けるヒーローを待つのではなく、何らかの対策が必要だろう。
いつも通勤で使う京王でも、そういう事故を発見した時は緊急停止ボタンを押して欲しいとアナウンスしているが、大体どこにボタンがあるか知らないし、あってもなかなか押す勇気がないのが、実情である。経費削減も分かるが、混雑する駅のホームには僅かでもいいが駅員を置くべきではないか、と考える。とたまにはお堅い話。