ルミエールを出てから向かったのはMGVs WINE(マグノビス)というワイナリーである。このワイナリーは勝沼地区では最も新しいだけでなく、建物自体もかなり変わっている。
白と黒を基調としたシックな建物と思ったが、それだけでなく元々は半導体工場だったのである。もちろんオーナーはブドウ農家育ちであり、半導体工場を移転させたのを機にワイナリーとして再出発したものだが。
ブドウは地元産の甲州とマスカットベリーAに特化している。また、ラベルも半導体のように記号と番号の組み合わせ、つまりKで始まるのは甲州、Bで始まるのはマスカットベリーA、同様に2桁目はブドウの収穫地区、3桁目は仕込み方法、4桁目は製造法と分かりやすくなっている。
カウンターの前にはチョークで書かれたメッセージ、特徴のあるコースターと全てにカッコよさを感じるワイナリーであった。せっかくだから2種類のワインを試飲。
ただ、私たちも飲みすぎの感もあり、あまり良さが分からなかったのが残念であった。
最後に立ち寄ったのが中央葡萄酒、グレイスワインとして知られている歴史のあるワイナリーである。
こちらも有料試飲で2千円を出してカードを買うが、ワイン購入の場合は残金を充てることができる仕組み。
ここでも4種類のワインを試飲。その中で際立って美味い『甲州鳥居平畑プライベートリザーブ』をセレクト、購入した。特別なブドウを原材料にして果実味とミネラルのバランスがよく、力強いワインとなっていた。
蔦が絡んでインスタ映えしそうな建物で日が早くも落ちかけた3時にはタクシーを呼び、勝沼ぶどう郷駅に向かったのである。結果、勝沼醸造で2本、ルミエールで3本、グレイスで1本、計6本もワインを買ってしまったのであった。