仕事で三田まで来たので懐かしさもあり、慶応仲通りを歩く。ペナントや鳥駒はあったが、少し時間が遅くすでに中休みに入っていて、やっている『杏花園』に入る。(因みにペナントは一旦閉店したが、そのままフラッグという名前で店はそのまま営業中)私が学生の頃に行った『杏花園』は桜田通り沿いにあり、現在はチャイナエクスプレス杏花園として営業、こちらは親父さんがやっているようである。(仲通りの方が本店)
仲通りの店ははっきり言って風情は古びた昔ながらの街中華。店内も雑然としていて最近の学生たちはまず来ないような店。先客もおじさん2人、私の後から来たおばさんは近所の人のようだ。どう見ても流行っている感じはしない。
注文は暑いので安直に『冷やし中華』、味は醤油、胡麻、冷やし坦々があるとのことで冷やし坦々麺にする。
厨房には頑固な爺さんという感じの職人さん。耳が遠くて一回で注文が聞き取れない。すると後から来たおばさんの注文したタンメンから作り始めているようで、まあ、常連には勝てないとじっくり待つ。
案の定、タンメンが先。それでも冷やし坦々麺も割にすぐに到着。細めの縮れ麺にそぼろとキュウリの刻んだものが乗り、麺はよく冷えていて美味い。
辛みが足りないのでラー油をかけたが、これが結構辛い。タレもやや甘めだが、しっかりと芝麻醤の味が効いていていい感じ。これで950円、冷やし中華はどの味でも値段は変わらない。タレの味も麺もいいのにこのガラガラ感は何とももったいない。
お勘定の段で『この店は歴史があるんですか?』と聞くとオーナー夫妻が『大学の向かいの方が昭和31年、こちらは昭和37年。あちらの店は立て直した。店は半地下になっていて息子がやっているんだ。』とのこと。私がMゼミの後、M先生や他のゼミ生と行った店も今もあるが、建物は変わってしまったらしい。色々と思い出があったのに残念だが、まあ、40年近く前だから代替わりして当たり前かな。ご馳走さまでした。
杏花園本店
港区芝5ー26ー10
0334511417