ちょっとせつない話。私は先週の金曜日、いつものように東京メトロ半蔵門線に渋谷から乗車、水天宮前駅を目指した。普段と同じ車両に乗ったが、確か九段下駅で席が空いたため、座ったと記憶している。因みに東急田園都市線は大混雑する線として有名だが、渋谷では結構な人数が乗り換えのため下車、さらに表参道、青山一丁目、永田町、九段下でも降りる人が多く、大手町からはガラガラとなる。この日は少し空いていた気がした。
地下鉄は三越前駅を発車、水天宮前駅まではやや駅間がある。車内アナウンスでは『この先、車両が大きく揺れますから手すりかつり革におつかまりください。』と流れる。ふと、一つ前の車両の一番後ろのドアがエスカレーターに近いことを思い出し、何気なく車両間のドアを開け、前の車両に向かう。その次の瞬間、アナウンス通り車両が左側に大きく揺れた。自分も左に飛ばされそうになる。
そこで頭では体勢を立て直し右側の手すりをつかもうとしたはずであったが、電車は次に反動で右に戻ろうとする。手すりを掴んだはずの位置よりさらに右に手が行き、結果、右胸に手すりをしたたかぶつけてしまった。
すぐに手すりを握り、体勢を立て直し、地下鉄は水天宮前駅に滑り込んだため、倒れるまではいかなかったのだが。しかし、次の瞬間、右胸に鈍痛がし、『やばいな』と感じる。ただ、痛みがすぐになくなった気がしたので事務所に向かった。
少し落ち着いて右胸を触るとかなり痛む。しかも、時間が経つほど痛みが増す。午前中の外訪は何とかなったのだが、午後には痛みに耐えかねて近くの整形外科を探し、医者は嫌いだが、やむを得ず行くことにする。
医師に次第を話すと、まず『出勤中なら労災だね』と事務的に答えられる。医師の指示で取り敢えず、レントゲンを撮る。幸い、肋骨の骨折やヒビは確認されなかったため、打撲に終わったのだが、医師には『動いている車両で大怪我をした人もいるから気をつけてください。まあ、今回は打撲で済んで良かった』と言われる。
人間、還暦が近づくと出来ると思い込んでいても出来なくなったり、頭はわかるけど身体が反応しなかったり、遅くなったりすることもままある話。
もう少し、慎重に生きようと反省。こんな体たらくならば、駆け込み乗車など絶対やめるべきである。それにしても年が明けてからはひどい風邪を引いて中々治らなかったり、あまりついていない。ただ。それもこれも歳のせいかもしれない。いやになるけど、まずは気をつけよう。