下北沢駅の変貌ぶりはすごい。以前は駅を降りると古ぼけた商店が並んでいた一角も全て更地になり、小田急線も地下に潜ったあとも再開発されている。
昔の南口方向に歩くが古くからのパン屋やパチンコ、ゲームセンターなどもなくなり、昔からあるのは小さな家具や家庭用品を扱う店とダイソーくらいのもの。ダイソーを左に行くと今日お邪魔する『松』がある。
店は階段を数段登ったところに店がある。6時ちょうどくらいに入店すると既にボックスは2つとも埋まり、カウンターも既に3人と我々以外はもう入れない。
まずはビールで乾杯。メニューは以前来た時のことを完全に忘れているのでなかなか決まらない。突き出しは卵焼き、ノドグロのみりん干し、落花生の塩茹で。特にノドグロが美味い。
お刺身はあまりたくさん欲しくないので『シマアジ』、鹿児島県産とある。醤油で食べる他に粗塩とワサビも勧められたが、刺身の味、香りが塩の方が断然に引き立つため、活きのいい刺身はこちらに限る。酒はまずは愛宕の松(宮城県)から。爽やかな食中酒、香りが素晴らしい。
蓮根饅頭は1人に1つずつ、粗く切った蓮根を纏め、銀餡に浸していただく。夏が終わり、秋が到来したことを感じさせる。とにかく銀餡が美味い。
酒を豊盃(青森県)に変えるが、こちらは濃厚な旨さ、炙り鳥貝のぬたによく合う。
続いて金目鯛のウニソースが来るが、想像を遥かに超える逸品。金目鯛をそこに敷き、その上に生うにを使ったソースをかけてオーブンで焼いた料理。アツアツをフーフー言って食べる。ウニのソースを混ぜながら金目鯛の身をいただくが、堪らない。かかっているあられもいい。
瀉樂(福島県)にして、少しゆったり。すると茄子の鴨ミンチ挟み揚げが登場。こちらは大きな茄子に挟んだ鴨、味付けは塩のみだが、油と相性のいい茄子がいい仕事をしている。
あと1品食べたくなり、自家製厚揚げを注文、酒は風の森(奈良県)。この酒は唯一無二の香がしてお気に入り、酸味がある。厚揚げは豆腐の部分が甘く、周りはカリッと仕上がり、家ではできない味。十分満足がいく料理でした。ご馳走さま。
松
世田谷区北沢2ー15ー11
05055908786