りんごの携帯

仕事も終わる頃、実習生の所に他の家の実習生がスマホ片手にやって来た。
そして何やら二人で喋っている。
彼の持っているスマホはどうやら家の実習生のスマホらしい。
そのスマホで翻訳して僕に見せる。
“携帯電話が壊れた”
“携帯電話買えるところは”
なるほど、だから家の実習生のスマホ使ってるんだ。
僕もスマホの翻訳で“新しい携帯電話が欲しいのですか？”
“古い携帯電話”
古い？
中古か？
“りんごの携帯電話以外使用出来ません”
りんご？
iPhoneか。
“iPhoneの中古の携帯が欲しいの？”
頷く実習生。
さて、どうしたもんか？
それからも、いろいろと翻訳アプリでやりとり。
とりあえず、実習生受け入れ事務局に電話して段取りを取り付ける。
ん？
これ僕の仕事？
普通受け入れ農家のお父さんがやって上げれば良いんじゃないの？
(受け入れ農家の事を実習生はお父さんと呼ぶ)
なぜ僕に相談しに来た？
だから、実習生に｢お父さん、お父さん、分かる？｣
頷く実習生。
翻訳アプリで“お父さんはポンコツです」と中国語に変換。
ポンコツって翻訳されるのか？と思ったが、そのスマホの画面を見せると、まさかの実習生大爆笑。
マジかっ⁉ポンコツって翻訳されるんだ❗
こんなに中国人から大爆笑取れるとは、僕のお笑いセンス国境越えたわ❗