湯めぐり四方山話 & 和の音

湯めぐりは 人・風物との出会い

藤島旅館(川渡温泉)

2019-07-09 | 宮城の温泉
大正ロマン漂う木造の湯治宿に共同湯あり
「藤島旅館」川渡温泉 (宮城県)            
         
「脚気川渡(かわたび)」と古くから言われてきた川渡温泉。膝痛や足腰に効き、手術後にもやさしい湯という。
国道側から「川渡温泉」のゲートをくぐり、

橋を渡るとすぐに温泉街に入り、

突き当りに「日本庭園のある宿 藤島旅館」の看板が見える。

奥には広い駐車場もある。
この建物かな?

木造瓦葺きの大きな旅館は周囲を古い松が囲んでいる。
入浴時間まで、しばし周辺を散策した。

藤島旅館は、昔の木造建築の小学校みたいに大きい。
戦争中には東京浅草の小学生を学童疎開で受け入れたらしい。

周辺の散策も終わり「いざ、お風呂へ」

藤島旅館の入口



まず、大きなあけっぴろげの玄関に入ると、受付らしきところに人がいない。

どこがが受付?
玄関入ってすぐに売店もあるが、ここにも人がいない!!

ひたすら、大声を張り上げて「ごめんください。こんにちは。誰かおられませんか?」と声の限りを尽くす。
やっと、奥から人影が見え、外来入浴料二〇〇円を払って入館。

「不用心だ。無銭入浴者が出るぞ!」と思った。

後で、玄関入ってすぐの板張りの下にブザーがあり、それを押して外来を知らせるとわかった。
初めての客にはわかりにくい。

お風呂までの廊下は、木造建築らしく磨きこまれ、窓から射す日の光の中、ピカピカだった。

懐かしい木のぬくもりがうれしい。

「真癒の湯」という男女別のお風呂が、長い廊下の突き当たりにあった。

中に入ると脱衣所と浴室はガラス引き戸一枚で隔てられ、草津や別府の共同湯みたいな構造だ。
湯けむりがあがる浴室、洗い場に溢れる源泉、カランで体を洗う人、浴槽に浸かって談笑する人。
石鹸やシャンプーは置いてないので自分持ち。すべてが共同湯の雰囲気で和む。
薄緑色の湯に浸かると肌ざわりがやさしい。
そのうち大きな黒い湯の花がぷかりプカリと浮いてくる。
両手ですくい喜んでいたら、

傍にいたお婆さんが話しかけてこられた。
「どこから来たのかい?」
お婆さんに、ここの湯の効能を教えていただいた。
「旦那さんと二人で車旅かい?幸せだね。私もお爺さんが生きていた時は、二人で一緒にこの湯に通ったもんだよ。」と昔話をひとしきり。
お話を聞きながら ・・感謝して心底温まった湯。

風呂上りに廊下に造られた木のテーブル・椅子で寛いでいたら、金髪の学生がやってきて慣れた手つきで洗濯機を操作している。

ここに下宿しているようだ。

NHK「ふだん着の温泉」で「学生たちの“わが家の湯”」として紹介された藤島旅館ならではの風景だった。東北大学の学生達が毎日のように利用する湯で、旅館に自炊下宿する学生もいるという。
(2010年9月の入湯より)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
聞いたような名前・・ (屋根裏人のワイコマです)
2019-07-11 09:53:17
川渡温泉・・聞いたような思い出があり、検索
してみました。
〒989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字川渡84
TEL 0229-84-7412 FAX 0229-84-7671
◎御予約は、お電話でお願い致します。
鳴子温泉の中の一つで・・ここに泊まったことは
ありませんが・・通ったかもしれません。
記憶が曖昧ですが秋田の先輩に各地を
案内してもらった・・いい思い出が蘇ります

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川渡温泉 (hitareri)
2019-07-11 20:57:28
ワイコマさん
宮城県の鳴子温泉郷の中の一つ川渡温泉は、素朴でとっても魅力のある良質な温泉値です。周囲の田舎の雰囲気(自然が一杯)で落ち着いた歴史のあは温泉地。
あ~いつでも近くなら行く。行って毎月のように湯治したい温泉地です。
ワイコマさんは秋田県に先輩がおられるのですね。
秋田の温泉地はあまり行けていません。もっと行きたかったです。
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