緑色の湯に 黒と白の湯の花が浮く「滝の湯」
野沢温泉の台所とも言われる湯畑「麻釜(おがま)」を過ぎ、さらに坂道を登ると山際の静かな場所(温泉街の外れで長い坂道の行き止まり部分)に、木造りの湯屋「滝の湯」はこじんまりとある。
見つけた時は、かなり感激した。
建物の中に入ると、脱衣所と浴室はワンルームで、下駄箱や更衣棚が浴槽から見える造りだった。
まず、目を惹くのは、浴槽から溢れているエメラルド色のお湯だ。今まで見たこともないほど美しく透き通った緑色。
感激してしまい、着替えもせずにデジカメを取り出して無人の浴室で、浴槽写真を様々な角度から何枚も撮影した。
撮影しながら気がついたが、浴室や浴槽のタイルはレトロな雰囲気を出しており、初めて来た風呂なのに、どこか懐かしかった。
撮影も一段落し、やっと一息ついて、いよいよ入浴タイムだ。
ゆっくりと湯に浸かってみたら、黒と白の二種類の湯の花がフワフワと浮いている。緑色の湯だけでも感動なのに、二種類の湯の花までも浮いてくる。この贅沢な湯体験にはワクワクした。
もちろん、ここも他の野沢の共同湯のように熱めの湯なので、湯船に水道水を出しながらの入浴になった。水を勢いよく湯船に出すと、浴槽の下の湯が還流して、湯船の底から黒と白の湯の花が大量に浴槽の中に漂ってくる。
貸切源泉風呂エメラルド・ブルーの湯に黒と白の湯の花がクルクルと浮く夢のような入浴になった。
一人風呂を充分満喫した私は、外の柿の木の下で風に吹かれ体を冷ましていた。
しばらくすると、これまた満足そうな顔で上がってきた夫の第一声
「入り口の着替えコーナーの床がオンドルになっていたなあ~」。
「エッ~」全然気がつかなかった私は、慌てて、無人の女湯にもう一度入り、すぐに着替えコーナーの床板をチェックした。
確かに、素足で立つと足元がポカポカと温かい。
まちがいなく床暖房(オンドル)になっていた。
入浴中はずっと緑色の湯に気をとられており、入り口の床暖房には全く気がつかなった。
あらためて、野沢温泉街の最もはずれた場所にある「滝の湯」は、清潔で設備も揃った共同湯だと思った。
私的には、人には教えたくない極上の外湯だ。
・・・・2010年の訪問より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★「滝の湯」(野沢温泉) 共同浴場・温泉データー★
(住所) 長野県下高井郡野沢温泉村
(tel)滝の湯には「ない」
・問い合わせは 0269-85-3155(野沢温泉観光協会)へ
(入浴時間) 5時~23時(4月~10月)
6時~23時(11月~3月)
(休館日) なし
(入浴料) 無料(寸志)
(泉質) 単純硫黄泉
(駐車場) ★有料駐車場を利用するか
ちょっと離れているが、夏場は無料のスキー用駐車場を利用するとよい
★麻釜から徒歩で5分