地区湯が、新装オープンして市営の湯に「市営堀田温泉」別府
~前に温泉博士に掲載された私の記事より~
別府の「堀田温泉」には「市営堀田温泉」という外来湯がある。
入湯料二百十円さえ払えば、誰でも(観光客も)気楽に入れる和風の温泉施設だ。
この施設は、昔からここにあった「地区湯」(地区の組合員だけが利用する湯)を、
市が買い取り「市営堀田温泉」として平成十五年四月に新装オープンさせたものだ。
別府市民は七十歳以上になると、役所で証明書を作ってもらい、無料でこの湯に入れるという。
「市営堀田温泉」は、朝早くから営業されている。駐車場も広く、三十台の車が停まれる。
建物内は、ロビーも広く一部は休憩室でここから別府の街を見下ろすことが出来る。
脱衣場もかなり広く木の棚のほかにロッカーもある。
浴室、浴槽ともに赤御影石造りで広く窓も大きい。
外側には植栽と石を配したセンスのよい露天風呂がある。
お湯は内湯も露天風呂もぬるめで、さらりとして肌にやさしい。
滑らかな単純温泉で、肌の弱い人や高齢者にやさしい泉質に思える。
浴槽の広さは、内湯が二十人程度、露天は十人程度なので、ゆったりと入れる広さだ。
私が、訪れたのは夜の七時半頃で、けっこう人が多かった。
洗い場の半分はふさがっていて、内湯には二~三人入っていた。
湯は白い濁りのあるもので、細かい湯の花が満開だった。
露天風呂にも、四人ほど入っていた。
その中に、山口県の宇部から来た五十代後半の女性がいた。
彼女は、二泊三日の湯めぐりの最中だった。
家で、布団を干す時、二つの布団を一回で運ぶ無茶をしたところ、庭先で転び左足を骨折したという。
今は骨にチタンを入れており、一年ほどで、それは取るという。
もう一人、膝の手術をした女性がいた。
膝を故障して困っていたが、思い切って手術をしたところ二ケ月で歩けるようになったと言う。
二人とも、大きな手術をしていたが、朗らかに話して温泉に入っている。
怪我は順調に回復しているのだろう。
あと一人、七十代の女性とも話をした。
車で五分のところに住んでいて、一週間に三~四日は、この湯に来ると言う。
別府市民で七十才以上なので、日々無料で入れるこの湯に、いつも感謝しているという。
柔らかい湯に浸かりながら
「一つの地区湯がみんなの湯になるまでの市営堀田温泉の歴史」を聞いた。
同時に「別府市民の温泉にかける情熱のすごさ」も知った。
・・・・・・・・・・2009年に訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★「市営堀田温泉」温泉データー★
(住所) 大分県別府市堀田2-16
(tel)0977-24-9418
(入浴時間) 6:30-22:30
(休館日) 第一水曜休
(入浴料) 大人210円 小人100円
★シャンプーや石鹸、タオルなどは自分で用意すること
浴室には 本物湯(源泉)と 洗面器はある。
(泉質) 単純温泉・(弱酸性低張性高温泉、硫黄泉)
無色透明、無味。やや硫黄臭。
(源泉の温度) 源泉58℃、 浴槽42~45℃
(効能) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・疲労回復
(駐車場) 施設にある 20~30台まで停車できる