母の帯 （ギャラリー 昼顔）

　母の一周忌がやって来た。

あんなに元気だったのに急な事でした。
離れている私は会う事は出来なかった。

母を偲ぶ物として一本の帯を貰っていました。
60年は経っているのに、あまり使われてなかったのか綺麗なものでした。

5人の子育てと食料品店をしていた母は何時も忙しく若い頃の話等は
聞いたことが無かったような気がする。

どんな時にこの帯を締めたのだろうか。

年をとってからは何時も私たちの話をニコニコして聞いていた小さな身体の母の姿。

　93歳でした

どうしてもこの帯にはさみを入れられなくて、ギャラリーと称して台を置き敷いて
使っています。好きな焼き物を置いたりして・・・


手仕事の好きな母でした。私もそうですし娘から孫へと伝わっていくことでしょう。

　この手仕事と言う言葉の響きが好きなのです。


母の冥福を祈って・・・