それは、先日も書いた官僚組織の愚かしさと相通じる。国民の数百万人を犠牲にした無謀な戦争の経過事実をきちんと整理したという意味では、渾身の書である。時々嘯くようにこの国では、「終戦」といい皆が皆うつむいて物を言わない。何が、誰がこうしてしまったのか、問えない。奇妙な国民性。
世界の歴史では第二次大戦の終結は9月2日であると。8月15日を終戦記念日とするこの国の自閉症的体質は今も蔓延していると。戦後の奇跡的な経済復興にもその臭いがすると指摘している。そう、客観的な意見が感情論で押しつぶされる事態が、この国の運命を左右してきたのだ。イザヤペンダサンの「空気」もそのことを言いたかったのだと思う。
少しは考えた上で開戦したのだろうという見方は粉砕された。何の戦略もなく手を出し終戦の仕方も知らずただひたすら自国民の犠牲を増やしてきた人達がいた。
反対意見の良識派は潰されるか、前線へ送られたと。
その全てのきっかけが2.26事件に発端があるという見方はなるほどというものだ。事件を逆手にとって軍部の暴力を背景とする弾圧が、戦争への道をひた走る軍部の暴走を止める人達を排除し、本物の馬鹿ばかりが国を支配してしまっていたようだ。
塩野七生の帯評:「天国への道を知る最良の方法は地獄への道を探究することであると、マキャヴェッリは言ったが、戦後日本人はそのことをしてこなかった。この本はそれを教えてくれる」と。
彼女のローマ人の物語もまさにその発想で書かれているように感じてきたものであり、納得。
世界の歴史では第二次大戦の終結は9月2日であると。8月15日を終戦記念日とするこの国の自閉症的体質は今も蔓延していると。戦後の奇跡的な経済復興にもその臭いがすると指摘している。そう、客観的な意見が感情論で押しつぶされる事態が、この国の運命を左右してきたのだ。イザヤペンダサンの「空気」もそのことを言いたかったのだと思う。
少しは考えた上で開戦したのだろうという見方は粉砕された。何の戦略もなく手を出し終戦の仕方も知らずただひたすら自国民の犠牲を増やしてきた人達がいた。
反対意見の良識派は潰されるか、前線へ送られたと。
その全てのきっかけが2.26事件に発端があるという見方はなるほどというものだ。事件を逆手にとって軍部の暴力を背景とする弾圧が、戦争への道をひた走る軍部の暴走を止める人達を排除し、本物の馬鹿ばかりが国を支配してしまっていたようだ。
塩野七生の帯評:「天国への道を知る最良の方法は地獄への道を探究することであると、マキャヴェッリは言ったが、戦後日本人はそのことをしてこなかった。この本はそれを教えてくれる」と。
彼女のローマ人の物語もまさにその発想で書かれているように感じてきたものであり、納得。