文芸春秋九月特別号、牛村 圭
東京裁判で25名の被告全員有罪の判決に対して、インドのパル判事は「全員無罪」という個別意見を提出した。
「同僚判事の判決と決定に同意し得ないことは、きわめて遺憾とするところである」という一文で始る「パル判決」は戦争犯罪として裁くなら戦争に関わった関係国全体が無縁ではない、という基調。そして、著者の疑問と解明したことはその全体の結びの英文についてである。
パルの英語は長文で難解であるが、この最後の部分は文体が大きく異なり簡明美文であるというのだ。
ここに英語は載せないが、翻訳を引用すると:
「時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤を平衡に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう」といいうものである。
結論としてこの文章は、南北戦争における北軍の明らかに誤った裁判により絞首刑にされた良心的で自分も戦争で苦しんだ一大尉への南軍側の元大統領ジェファーソン・デービスが戦後1888年追悼の文として執筆し、1908年に南軍追悼の人達によって建立された記念石碑に刻まれているものである。
ヤンキーは極東裁判でもまるで同じ狂気の裁判をしたと博識のパルは言っているのだ。北軍はデービスを陥れるために、デービスの犯罪に対する証言をするなら減刑するという誘いをしたが、大尉は拒否して絞首刑となった。
彼らの浅はかな建前と正義の行動に世界中が苦しんでいるという見方が今もあてはまりそうだ。
東京裁判で25名の被告全員有罪の判決に対して、インドのパル判事は「全員無罪」という個別意見を提出した。
「同僚判事の判決と決定に同意し得ないことは、きわめて遺憾とするところである」という一文で始る「パル判決」は戦争犯罪として裁くなら戦争に関わった関係国全体が無縁ではない、という基調。そして、著者の疑問と解明したことはその全体の結びの英文についてである。
パルの英語は長文で難解であるが、この最後の部分は文体が大きく異なり簡明美文であるというのだ。
ここに英語は載せないが、翻訳を引用すると:
「時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤を平衡に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう」といいうものである。
結論としてこの文章は、南北戦争における北軍の明らかに誤った裁判により絞首刑にされた良心的で自分も戦争で苦しんだ一大尉への南軍側の元大統領ジェファーソン・デービスが戦後1888年追悼の文として執筆し、1908年に南軍追悼の人達によって建立された記念石碑に刻まれているものである。
ヤンキーは極東裁判でもまるで同じ狂気の裁判をしたと博識のパルは言っているのだ。北軍はデービスを陥れるために、デービスの犯罪に対する証言をするなら減刑するという誘いをしたが、大尉は拒否して絞首刑となった。
彼らの浅はかな建前と正義の行動に世界中が苦しんでいるという見方が今もあてはまりそうだ。