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いっぷくしょまいかいね

いっぷくしてから それからまた やろまいかいね

おわら歌碑めぐり 25

2009年11月08日 | 風の盆

Kahi025



2009年8月30日撮影

とらは千里乃やぶさへ越すに
障子一重(一間?)がおわらままならぬ

古謡

町民ひろばを出て右に曲がり、井田川に沿って歩き十三石橋を渡る。
渡ってすぐを左折し、天満裏道を進むと「天満町公民館」の脇に出るので、そこを右に曲がると「天満宮」があり、その入口脇にこの碑は建っている。

さて、ここからは「おわら歌碑めぐり」のパンフレットに載っていない歌碑の紹介である。

この歌碑の来歴は、この碑の左側面でわかる。
右側面には「天満町おわら発祥の地」とあるが、左側面には、「天満町鎮座二百年記念」と刻まれている。
他の歌碑の側面は余り気にして見てはいないが、この歌碑の建立については記念、という目的が明確である点において、他の歌碑とは違っていると言えるのではないだろうか。

調べるところによると、天満宮の勧請は寛政十年(1798)となっているので、単純に200年を加えると1998年となる。よってこの歌碑は1998年に建てられたことになる。
ところで、今年頂いた「おわら歌碑めぐり」パンフレットに、この歌碑が掲載されていないことは既に述べたが、それについてはちょっと気になる点がある。
パンフレットの裏面の越中八尾観光協会の電話番号の市外局番が、(076)となっていることだ。
富山の(0764)地域が3ケタの(076)に変更されたのは、1999年6月6日午前2時である。
そうすると(076)に変更になった後に印刷したのであれば、当然この歌碑が掲載されているべきであると思う。
しかし現に掲載されていない。
これはどういうことなのか。
考えられる可能性としては、

1.この歌碑が出来る前に既にパンフレットが仕上がっており、市外局番が3ケタに変更されるのを待ってから配布を始めた。

2.この歌碑が出来る前に既に発注してあったが、市外局番変更に合わせて納品された。

3.この歌碑には、パンフレットに載せられない、何か特別な事情がある・・・。

まぁ、1も2もタイミングだけの問題であり、個人的には3であったほうが謎めいていて面白いのだが・・・。

ちなみに9年前の写真を見ると、既に歌碑が写っている。

Kahi025_2



2000年9月2日撮影

この唄は「天満町おわら」「コクボおわら」と呼ばれる、独特の節回しで歌われる。

とらは コラショット 千里のやぶさえ越すに
エードッコイサーノサー コレワイサーノサーサ
障子一重がオワラままならぬ

現在の天満町は、八尾町成立以前は川窪(かわくぼ)村と呼ばれる地域であった。
『八尾町史』には、次の記述がある。

「川窪村(カワクボ)現在の天満町にあった村である。
もと小長谷村(コナガタン)の一で、南に別荘山を負い、東西北の三方に川をめぐらして、その中の低い拡がり、まことに「川窪」の名にふさわしい地帯であった。」

その村の名前から「コクボおわら」とも言われているようである。

このような地形が災いして、大正3年、大水害に見舞われた。

大正3年(1914)8月13日、お盆ということもあって掛け取りや精霊迎えの準備で多忙の中、朝から降っていた雨がどんどんと強まり、午後3時頃からは風も加わり、午後6時頃からは雷も鳴り、午後10時頃にピークに達したらしい。
『続八尾町史』によると、降水量は坪当たり三石六斗(って、どんだけ~?)各河川の最高水位は、
野積川一丈八尺(545㎝!)
久婦須川一丈四尺(424㎝!)
別荘川一丈三尺(394㎝!)
井田川一丈五尺(454㎝!)

そのため久婦須・別荘・井田の三川に囲まれた天満町では、久婦須橋が流出して両岸決壊、家屋流出、全町浸水で全滅の危機に曝された。
他地域でも午後9時25分頃には、禅寺橋及び落合橋、山吹橋が流失。
同10時10分、十三石橋流失。
その後眼鏡橋も壊れ、旧町地域だけで13名もの犠牲者を出すほどの被害を被ったらしい。
(眼鏡橋は翌大正4年には、県下初の永久橋として架け直された)

2009年1月9日午前8時、北日本新聞のホームページに次のニュースが配信されている。

「延命地蔵94年ぶり発見 富山・八尾の別荘川」

眼鏡橋付近にあって、大正3年の洪水で流された延命地蔵尊と思われる地蔵が、橋の建設現場の川底から発見された、という内容である。
発見した方は、これを復元して再び天満町に安置したい、と話していらっしゃるが、もう復元されただろうか。
一度拝したいと考えている。

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