WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ブルー・デューク

2010年04月17日 | 今日の一枚(C-D)

●今日の一枚 254●

Duke Jordan

Blue Duke

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 数年ぶりにこのアルバムを取り出した。80年代のデューク・ジョーダン。1983年録音作品『ブルー・デューク』である。何気なく聴いていたら、このサウンド何かに似ているなと思った。サウンドというより、録音のニュアンスだ。例のセンチメンタルなジャケットの1980年代のケニュー・ドリューの作品群の音と似ているのだ。調べてみると、1980年代のケニュー・ドリュー作品もやはりこのRVCレーベルだった。好き嫌いはあるだろうが、特徴のある音だ。ピアノは硬い感じがし、アコースティックベースはちょっと電気的な感じがする。ナチュラルな感じの音には聞こえないが、これはこれでいいんじゃないかという気もする。

 悪いアルバムではない。シンプルなジャケットも好きだ。ライナーノーツは、「円熟さの中に、独特の風格を生み出しているようだ。魅惑的な陰影感とコクのある語り口、光沢をもつタッチ、仄暗いロマンチシズム、躍動感に溢れた歌心、落ち着きのある情感など、若手には求められない味わいだ。」と賛辞の言葉を書き記すが、よくわからない。私はそんなことを考えてこのアルバムを聴いたことはなかったので、しばらくぶりにライナーノーツを読んでみてちょっとびっくりした。それほどだろうか、と思ってしまう。ただ、デューク・ジョーダンがかなり肩の力を抜いて、リラックスして演奏していることは確かなような気がする。リラックスして演奏しているから、リラックスして聴ける。代表曲がたくさん入っていることもあり、私にとっては日常生活の中で気軽に聞ける一枚でだった。日常生活の中で気軽に聞けるということは、考えてみれば、音楽の存在意義の中でも重要な要素ではないか。


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