WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

チャへリー・ヘイデン&ケニー・バロンのナイト・アンド・ザ・シティー

2006年10月09日 | 今日の一枚(C-D)

●今日の一枚 66●

Charlie Haden / Kenny Barron     Night And The City

Scan10015_4  もう深夜だ。零時を過ぎてしまった。明日は休日だが、仕事がたくさんある。家族はもう寝静まった。

 深夜にひとり聴くアルバムである。帯にも「夜の都会に棲むメロディー」と書いてある。お洒落な宣伝文句だ。1996年のニューヨーク”イリディウム”でのライブ録音盤である。デュオ作品だ。

 チャーリー・へイデンのベースは、重く深く沈むような響きだが、サウンド全体はとてもリラックスした雰囲気だ。リラックスしてはいるが、もちろんいい加減な演奏ではない。2人の間の緊密な空気は十分伝わってくるし、旋律を奏でるケニー・バロンのピアノも優しく美しい調べだ。

 ケニー・バロンといえば、20年程前にサントリーホワイトのTVコマーシャルにロン・カーターが出演していたが、その時の音楽でピアノを弾いていた男だ。当時は、何と繊細なピアノなのだろうと思ったものだ。あのピアニストが数年後に、スタン・ゲッツと名演を残し、今日では「名人」のひとりに数えられるようになった。感慨深いものがある。

 デュオが好きな私は、以前からケニー・バロンにはデュオが似合うとかってに思い込んでいる。ドラムがないほうが、テンポが自由で、繊細なタッチがより生きると思うからであるが、いかがであろうか。ケニー・バロンには、もっともっと、デュオ作品を吹き込んでもらいたい。


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