WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

大島ウォーキング

2019年07月14日 | 今日の一枚(K-L)
◉今日の一枚 433◉
Keith Jarrett
Still Live
 そういえば、先週の日曜日には、突然思い立って、妻と大島ウォーキングに行った。今年の4月に待望の大島大橋が開通して、気軽に行けるようになったのだ。
 大島にはいくつかのウォーキングコースがあるが、歩いたのはもちろん初心者コースだ。距離は短いが、リアス式海岸の海岸線を歩くため、アップダウンが多く、意外に難コースだった。風が強く、ちょっとハードなウォーキングだったが、遊歩道からの海の眺めは本当に素晴らしいものだった。もう少し脚力を付け、近いうちに他のコースにも是非とも挑戦してみたいと思った。
 今日の一枚は、キース・ジャレットのスタンダーズトリオによる『枯葉~スティル・ライブ』である。録音は1986年。若いころ、リアルタイムで聴いた作品だ。もちろん、ドラムスはジャック・ディジョネット、ベースはゲイリー・ピーコックだ。スタンダーズトリオのライブ盤としては、『星影のステラ』に続く、2作目ということになる。

 キース・ジャレットのファンを自認する私は、キースの作品は現在に至るまで基本的に購入し続けている。ところが、いつのころからか、購入はするものの熱心には聴かない状態が続いている。トリオが成熟し、三者のインタープレイ濃度が増してより緻密な音楽世界が表出されるようになるにしたがって、音楽が難しいものになったように思う。

 このアルバムに代表される1980年代のスタンダーズトリオでは、インタープレイの中にも素朴な歌心が息づいており、肩の力を抜いて安心して聴くことができる。明晰で透き通ったキースのピアノの響きが大好きだ。



骨寺村荘園遺跡ウォーク

2019年07月14日 | 今日の一枚(G-H)
◉今日の一枚 432◉
Giovanni Mirabassi
Animessi

  昨日は、岩手県一関市の骨寺村荘園遺跡を歩いた。骨寺村は、鎌倉幕府の公式歴史書『吾妻鏡』にも登場する中尊寺経蔵領の所領だったところだ。中世の荘園の田園風景がいまでも残っている稀有な場所だ。

 大学生のころ、関係文書を読んでレポートにまとめたことがある。骨寺村の存在は当時から知られていたが、まだそれほど有名ではなく、現地調査をしなかったこともあって、いつかきちんと調べてみたいと思ったものだった。結局、40年近くそのテーマを放置したままだったのだけれど。その後、発掘や遺跡の整備が行われ、行政のPRもあって骨寺村はすっかり有名になった。最近、ウォーキングやトレッキングをやるようになり、とりあえずは、と思い立って遺跡を歩いてみた次第である。

 梅雨の合間の晴れた一日。気持ちの良いウォーキングだった。約3kmの駒形コースを横道にもそれながら約1時間かけて歩き、すこし休んで約2.5kmの若神子コースを50分程歩いた。

 山間の少し開けた場所に、湧水を使った田園風景が続く。中世の風を感じながら、古に思いを馳せる。遥かなる中世・・・。

 骨寺村を歩きながら、ネックスピーカーで聴いたのは、イタリアのピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの2014年録音盤『アニメッシ』だ。ジョバンニ・ミラバッシがアニメ曲に取り組んだアルバムである。収録曲は次の通り。

01. 君をのせて(『天空の城ラピュタ』より)
02. 人生のメリーゴーランド(『ハウルの動く城』より)
03. クラッチ(『カウボーイ・ビバップ』より)
04. 炎のたからもの(『ルパン三世 カリオストロの城』より)
05. 旅路(夢中飛行)(『風立ちぬ』より)
06. 愉快な音楽I~V(『ホーホケキョとなりの山田くん』より)
07. 風の伝説(『風の谷のナウシカ』より)
08. グラヴィティ(『ウルフズ・レイン』より)
09. 銀色の髪のアギトBGM(『銀色の髪のアギト』より)
10. さくらんぼの実る頃(『紅の豚』より)

 売れ狙いの企画ものなどではない、骨太のジャズ演奏である。流麗な即興演奏の中で、原曲の骨組みが時折顔を見せると、聞き覚えのある旋律に思わず頬が緩む。ジョバンニ・ミラバッシという人は、即興演奏も流麗であるが、透き通った美しい音色のピアノを弾く人だ。④「炎のたからもの」、いいなあ。