WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

つづれおり

2006年11月18日 | 今日の一枚(C-D)

●今日の一枚 85●

Carole King     Tapestry

5550001_6  私のこれまでの人生の中で、一体このアルバムを何度聴いたことだろう。ずっと、若い頃の一時期、本当に毎日のように聴いていた。ときにLPで、ときにカセットテープで、そしてときにCDで、冬も春も夏も秋もだ。いまでも時々取り出してかけてみれば、胸が熱くなっていくのがわかる。1972年の作品であることが信じられないほど、私にとっては現在でもリアリティーのあるアルバムだ。

 あまりに聴きすぎたせいか、どの曲が好きだということがない。すべての曲が素晴らしい。不思議なことだが、このアルバムを聴くときは必ず、はじめからおわりまで通してだ。途中から聴いたり飛ばしたりすることがない。まったく稀有なアルバムというべきだろう。

 ところで、最近はやりのYou Tube でキャロル・キング関係のビデオがいくつか流されている。先日、それらを見てみたのだがどれも興味深いものだった。特に、ライブの You've Got A Friend (君の友だち)の最後の部分を聴衆がみんなで歌っているのを見て、目頭が熱くなった。中には涙を流しながら歌っている人もいて、本当に感動的だった。キャロル・キングはアメリカではそういった存在なのだろう。ともに歌いながら、ともに年をとっていく、人生の大切な友だちといった存在のことだ。恐らくは私も、これからもつらい時も気分の良いときも、この「つづれおり」を聴いていくのかもしれない。これまでがそうだったように……。

キャロル・キングの You've Got A Friend ↓↓↓ 

※ 画面をダブル・クリックすると、You Tubeにジャンプします。「carole king」で他の曲も検索してみてください。

※ You Tube には、本家ジェームス・テーラーのYou've Got A Friend もあるが、こちらもなかなか感動的である。↓↓↓

http://www.youtube.com/watch?v=aVZNXtJs7c8