えー、粉チーズが好きです。
粉チーズをふんだんに振りかけた熱々のトマトパスタの刺激的な味わいはまさに至福。
トマトとチーズってどうしてあんなに合うんでしょうね。
さてさて、粉チーズの誕生には二度の世界大戦が大きく絡みます。
第一次世界大戦時、参戦を検討するアメリカ軍は大きな課題に突き当たりました。
兵士の食料をどうするか。
アメリカ大陸から遠く離れた欧州へ兵士を送り込むには、保存性がよく栄養価の高い食料の供給が必須です。
缶詰の技術はありますが、それだけでは兵士が飽きてしまい士気が下がります。
士気向上のためには特に、味の良い動物性たんぱく質の提供が求められます。
その需要に応えたのが、KRAFT社創業者のジェームス・クラフト氏でした。
クラフト氏はナチュラルチーズを熱溶し固める「プロセスチーズ」を発明、飛躍的な保存性と味の安定化を実現します。
プロセスチーズは前線兵士の栄養と士気の確保に大きな役割を果たしました。
第二次世界大戦参戦にあたり、さらにアメリカ軍の苦悩は続きます。
プロセスチーズ確かに保存性いいんだけど、太平洋のジャングルとかに持ってったらさすがにアウトじゃね?
この要求に大戦中はSPAM等の缶詰類が応えますが、アメリカ軍の研究は続きます。
そして遂に、溶かしたチーズを噴霧乾燥で水分を抜いてパウダー状にし、劇的な保存性と使い勝手を実現した粉チーズが開発されました。
この粉チーズ、現在にいたるまで様々な加工食品の栄養価と味の向上に貢献し続けています。
ナチュラルチーズの粉チーズとしては、パルミジャン・レッジャーノを削ったものが有名です。
パルミジャン・レッジャーノはイタリアチーズの王様とも呼ばれ、長いものでは5年以上も熟成させた高級チーズです。
高級なナチュラルチーズも手軽なプロセスチーズも美味しく楽しめる平和な日本、有難いなあと頭が下がります。
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