ひのっき

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ホッピーは高品質追求の美味

2017年05月30日 | 絵日記


美味しいですね。ホッピー。
すっきりほろ苦い美味しさでいつも爽やかに喉を潤してくれます。
焼酎と氷に注いでごくごく飲むのもよし、氷を入れずに凍らしたグラスとシャーベット焼酎に注いだ三温ホッピーでじっくり味わうのもよし、好みで色々な楽しみ方ができるのも魅力です。

戦前、ビールは高級品として非常に高い酒税がかけられていました。
とても庶民が気軽に飲めるような値段じゃない。
そこで流行したのがノンアルコールビール(ノンビア)。
酒税がかからないので安価に提供できます。
これを酒税の安い焼酎とまぜればお手頃ビールのできあがりです。
しかし当時のノンビアは、材料も技術もなく品質がいい加減なものでした。
そこで立ち上がったのがラムネ会社創業者の石渡秀。
「高品質な本物のノンビアを作りたい。」
その理想に燃え、四方八方手を尽くして当時入手困難だったホップを確保、本格的なノンビア研究に没頭します。
戦中も戦禍を逃れながら研究を重ね、ついに1948年、ホップと麦芽を使用した高品質な本格ノンビアを完成させます。
本物の【「ホッ」プ】を使った【「ビー」ル】なので「ホッビー」、いや語呂が悪いので「ホッピー」と名付け新橋で発売しました。
まだまだ高級品だったビールよりずっと安価なのに焼酎と混ぜると本格的な美味。
ホッピーは爆発的な人気となり、東京の大衆酒場の顔となります。
しかし1980年代に入るとホッピーに冬の時代が訪れます。
ビールが安価となり代替ビールとしての需要がなくなったことと、焼酎の割材もレモンハイなどのサワー系が台頭し、ホッピーの立ち位置が消滅し売れなくなります。
通常なら事業縮小を図るところですがホッピーはそうはしません。ホッピーの存在意義は高品質。どうせ売れないなら生産量が少なくてすむこの時期に、さらに品質を上げてやろう。
生産設備の全面刷新、ミュンヘン大学との酵母研究などを経て、ホッピーの飛躍的な品質向上を実現します。

地道な品質向上といち早くインターネットを駆使した宣伝活動などが実を結び、2000年代に入りホッピー人気が再燃します。大衆居酒屋人気の波に乗り、また低カロリー低糖質プリン体0という特質がヘルシー需要にもマッチし、再び東京大衆酒場の顔となりました。

代替品だからこそ本物以上に高品質にこだわりたい、ホッピーを飲むと品質追求の職人魂に胸が熱くなります。


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ホッピーとだいだい)
2017-05-30 21:23:57
へー  勉強になりました
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そうだったのか! (スフレのかあさん)
2017-05-30 23:42:06
勉強になりました
実は、吉田類の酒場放浪記に出てくるホッピーとはいったいどんな飲み物なのか?
と、常々知りたかったのですが、私の知る限り九州ではあまりホッピーを出しているお店は無いようで飲んだことがなかったんです
類さんが、美味しそうに混ぜ混ぜして飲んでいるのは、ホッピーがノンアルだったからなのですね〜
やっとわかりました!
hinoさんのブログはとても為になります!
謎が解決して、スッキリ!
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ホッピーとだいだいさん (hino)
2017-05-31 08:37:02
ホッピーとだいだいさん
こんにちは!
勉強になったとのことで光栄です。
やはり永く残るものには理由があるんですね!
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スフレのかあさんさん (hino)
2017-05-31 08:51:58
スフレのかあさんさん
こんにちは!
勉強になったとのことで光栄です。
吉田類さんは本当に美味しそうにホッピーを飲みますよね。
確かにおいらも東京に来るまではホッピーって飲んだことなかったです。飲んでみると、ビールほど重くなく、サワーみたいに甘くもなく、程よい苦味と爽やかなのど越しにこりゃうまいと感嘆しました。ホッピーのある店ではまずはホッピーを頼んでます。
為になるとのお褒めをいただきありがとうございます。食べ物の起源や歴史って、知るとより深く美味しく味わえる気がします。(^-^)
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