さいきんの流星光
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『ZUBA!』原稿中



■本読んだ。

『遭難フリーター』岩淵弘樹

まず僕は、同タイトルのドキュメンタリー映画が上映されるという事で、
『遭難フリーター』を知った。

いつか観ようと思っているうちに時は過ぎ、
東京地方の上映期間が終わってしまった。
だから仕方なしに本を買って読んだ。

どんな悲惨な派遣社員生活が詰まっているかと覚悟して読み始めたが、
そうでもなかった。
期間は1年間。
著者・岩淵弘樹が「東京で仕事をしたい!」という夢をかなえるべく
仙台から出てくるところから物語は始まる。

岩淵弘樹氏は、芸術系の大学を卒業しており、
映像の勉強をしていた人であった。
何本かドキュメンタリーを撮っているが、
テーマは自分が主人公の身近なものばかりで、
大きな作品とはならなかったようだ。

そして、人間の盾としてイラクへ行くという人にくっついて、
周囲の猛反対を押し切ってイラクまで行っている。
かなり行動力のある人だ。

1年間の派遣体験に対しても、
「いい体験ができた」「いろいろな人に会えた」などの、
何をしても勉強になる的な思考が見えかくれする。
そういうところは漫画家に近くて共感が持てた。

東京で働きたいから、というより、
1年間、「派遣」の取材をしたかったのではないか、と僕は思った。

やはり外に出て様々な体験をすることこそが、
作品を作る人間には不可欠なのだと感じた。

岩淵氏は「派遣社員」という体験をもとに、
『遭難フリーター』という作品を作り上げた。
そこに彼の訴えたいテーマが乗っかったのだろう。

実際に体験したことと、
そのとき自分が考えているテーマが脳内でリンクした時、
ものすごい電流が脳内に流れることを僕は知っている。
ビビビ、というヤツだ。
そして、今まで無かった脳細胞同士の結合が形成され、
後頭部がじわりと熱を持ち始めることも。

岩淵氏は、さまざまな「面白いオッサン」に出会い、
1年間の派遣生活を終える。
山形ドキュメンタリー映画祭の締め切りに間に合わせるため、
実家に帰って撮りためた映像を編集するために派遣を辞める。

そこで本文は終わるが、
僕は、このドユメンタリー映画『遭難フリーター』が
日本各地で上映会&講演会などが開かれ話題を呼んでいることを、
まず知ってしまったので、不思議な気持ちだった。

世間で言われる「派遣の現実」とはちょっと違う、
23歳の若者の体験をうらやましいと思った。





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コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (出会い 長野)
2009-07-09 01:22:03
私も読みました。いい本でした。
 
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